ぞうは大きいし、王様はエライから『ぞうの王様』
──では11月12日に発売になる『ぞうの王様』についてお聞きします。ファーストアルバムということで、できあがった手応えはどうしたか。
橋口:やっぱマキシとかに比べれば曲数が多い分大変だったってのもあるし、出来たときのうれしさも前のものとは全然違いましたね。
栗原:レコーディングやってる期間が長くって。
──どのぐらいから作ってたんですか?
栗原:ちょっとずつ録ってたんですけど、6月の始めぐらいから9月のドあたままで。
橋口:その前に曲決めの作業とかもあったし。
栗原:それを言ったら去年の年末ぐらいからですね。
──発売日から考えるとトータルで1年ぐらい? じゃあ、出来上がったときは開放感のほうが大きいんじゃないですか?
橋口:それはめちゃくちゃありましたね。
今井:終わって全員体調崩しました。やっと終わった…みたいな。
──じゃあ『ぞうの王様』っていうタイトルの由来は?
橋口:インパクトがあったんで…。
──なぜにぞうなんですか?
今井:大きいからです。
栗原:ぞうは大きいし、王様はエライからです。たぶん。。。
今井:そうです。
──でも、ジャケの絵はぞうじゃないんですよね。
栗原:そこがいいところですね。
──曲のタイトルも動物が多いんですが、どなたか大の動物好きとか?
今井:そうでもないですけど(笑)。実は、特に最初からテーマがあって作ったアルバムって訳じゃないんですよ。でも、ジャケとかもシングルからの流れで、括りがあるとしたら動物好きなかんじだったから、結果 的にはまとまってるんじゃないかなと思いますね。
橋口・栗原:うんうん。
──『ぞうの王様』っていうCDがあったらなんだか気になりますね。
栗原:そういうもんですよ、タイトルって。
──では苦労された点とかありますか?
今井:録りの日程があいちゃう分、自分のテンションなりをキープするのが大変でした。
栗原:僕はアルバムを作っての感想として、今までシングルで3曲とか、カセットで2曲とか、オムニバスで1曲提供とかしかやってなかったけど、こう自分たちの曲が10曲ならんで、真空メロウってこういうバンドなんだっていうのがわかってもらえればいいと思います。
──シングルだとアルバムに比べて世界観を伝えづらいですもんね。
栗原:そうですね。1曲でどう? みたいなかんじになるんで。
今井:今までにリリースしたシングルで世界観を作ったつもりではあったんです。それがアルバムに向けての準備段階というか。
橋口:1枚目が出た時に、これだけ聞いてもらって真空メロウはこんなかんじって思われるのも違うなと思ったんですよ。だからいずれ出るであろうアルバムのために2枚目のシングルの曲は選びました。
──その2枚目のシングルの『心ナイフ』が今回このアルバムにも入っていて、私はこの曲が一番好きだったりするんですが、みなさんはこの10曲の中で特に思い入れがある曲ってあります?
今井:聞いてくれた人にどれがよかった? って言うとみんなバラバラで。だから僕らはあえて明言せず。
栗原:聞いてくれる人がいいと思った曲を。でも、全体的にすごくいいアルバムが出来ましたね。自分が作ったからいいと思うのは当たり前なんですが、他にこういうバンドはいないと思うんでぜひ聞いてもらいたいです。
橋口:今回狙ってやったわけでなくて、結果的にできたものなんですが、僕が1曲の中でちょこっとしか演奏していないものとかあるんですよ。それを聞き逃さないでもらいたいですね。頭だけ聞いてとばしちゃったりとかはなるべくしないように…(笑)。1曲を通 して聞いてもらったほうが、より楽しんで聞けると思います。
栗原:あそこ聞いてもらえなかったらそりゃないよねってことになるからね。
今井:このアルバムはこの時期の僕らが最大に詰め込まれたものになっていて、自分でもすごく聞いているんですけど、聞けば聞くほどたくさんの人に聞いてもらいたいと思うし、まだ至らない面 もありますが、逆に燃え尽きた感もありますし。それぐらい自分の中で大きいアルバムになりましたよ。
栗原・橋口:うん、やりきったよね。
──燃え尽きてしまうほど全力で音楽制作をされているんですが、皆さんにとって音楽ってなんですか?
橋口:すごい質問だね。
栗原:なんですかね。
──たぶん聴く側と作る側って全然捉え方が違うと思うんですよ。
橋口:オレはぶっちゃけ、ノーミュージックノーライフではない人だと思いますね。ライブに足を運んでくれてる人達のほうがよっぽど僕らよりも音楽を聴いてると思うし。でも、ちっちゃいころから基本的に音楽には携わっていたし、これからも携わりたいと思います。
栗原:僕は今までやってますけど、飽きないでやってこれてるから好きなんだろうなと。あとは普通 に何かのCD聞いたり、なんかのライブ見たりとかして、感動するときもあるし、そういうときは好きなんだろうなって思います。
──今井さんは?
今井:僕はここまで生きてきてバンドしかなかったんです。もっと器用にいろんなことができると思っていたんですがそんなわけなく。メンバーにも恵まれ、やるしかないでしょってかんじですかね。3人でがんばってます。でも、いろんな人がいるよね。音楽は趣味だからっていう人もいるし。
橋口:ただ、僕らは金だから…も違うしね(笑)。難しいですよね。
栗原:聞いてくれる人がいなくてもいいよみたいなのでもないし。
今井:そのスタンスをいききってればかっこいいんですけどね。
──やっぱり自分がやるならたくさんの人に聞いて感じてほしいですもんね。そうすると今井さんが書く詩も対相手に向けてが多いんですか。
今井:それも難しいんですけど、個人的なことを言ってるようにも取れますし。というか、こういうのしか書けないんで、他に選択肢はないです。でも、誰かのどこかにひっかかるような詩は書いてるつもりですよ。