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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】マスザワ ヒロユキ(ザ・ガールハント)×コウドタクヤ(Bacon)×植木遊人(ダブルオー・テレサ)×新田 篤(nitt)×矢野仁志(サンプリングサン)×栗原賢一(真空メロウ) (2005年6月号)- 新しいムーブメントとなるか! "第三世代"ついに始動!!

新しいムーブメントとなるか! “第三世代”ついに始動!!

2005.06.01

ある日突然編集部に真空メロウの栗原くんより電話が...。「今度"第三世代"っていう団体を立ち上げるんですけど、取材してもらえませんか? 」と。「ん? 第三世代って何? 」というのが率直な感想。そこで大まかなところは聞いたものの、やっぱりいったいこの団体なんなんだろう? でも、このメンバーが何かしようって動き出したのならおもしろくないはずがない! ...というわけで、座談会を設けてもらい、どんな話が聞けるのかとワクワクしながら座談会が行われる下北沢のモナレコードに向かった。第三世代に所属もしくは所属予定(笑)のバンドから代表者が集まり、気付けば6名が参加していた。「バンドが主導となって動けるような団体。」とマスザワ氏が言っていただけに、意気込みがいつも以上にアツイことを伺わせた。ようやくスタートラインに立った団体なので、今までのバンド活動よりプラスで何かをしなければならない。ただその中で、何をしたらいいのか、何をしてはいけないのかというのが全てまだ手探りの状態にある。ただひとつ言えることは見せる側と見る側の全員が楽しめる団体にしたい。今後はツアーやコンピのリリースも考えているという彼ら。そこで、思う存分第三世代についてを語っていただいた。 (text:やまだともこ)

新しいムーブメントとなるか! “第三世代”ついに始動!!

──まず、なぜ“第三世代”なのかを聞きたいのですが…。第一、第二は誰なのかと…。

増沢:単純に意味のない単語がいいねっていう話をしてたんですよ。だからと言って“下北ギターポップ”みたいなのじゃおもしろくないねって。もちろん下北ギターポップやギターロックみたいなところで考えてはいるんだけど、ギターロックって言ったらギターがいてロックじゃなきゃだめなのかって制限してしまうじゃないですか。そうじゃなくて音楽と関係ないキーワードがどうしても必要だったってのがある。最終的にお笑いの人が入ってきてもいいと思うし。それでわざとらしく第三世代ってかっこつけてるだけで…第一第二って何? って思ってもらえるだけで勝ちかな(笑)。キーワードがないと集まりにくいじゃないですか。

植木:バンド名みたいなもんなんだよね。

──なるほど。では、“第三世代”を作ろうと思ったきっかけは?

増沢:もともとは今年の始めにも別のフリーペーパーで座談会があったんですよ。この時にみんなで意見出し合って行けば一歩先に進んでいけるんじゃない? そしたらもっと面白いこと出来るんじゃない? じゃあ“第三世代”っていう団体作ってみんな集めてみようぜって始まったのがきっかけですね。その前から何かやりたいというのはあったんですけど…。あと僕とクリック(栗原)それぞれが知り合いのバンドから更に横の繋がりを欲しいなと思ったんですよ。そうやって一緒になってやれば、例えばガールハントと真空メロウでやろうとしてたことが、サンプリングサン、Bacon、ダブルオー・テレサ、nittが入ることによって大きな事ができるんじゃないか。人数が増えれば知恵も増えていくわけだし。

栗原:いろいろ考えていくといいことばっかだなと思ったんですよ。

増沢:もちろんリスクもありますけどね。でも、こうやって活動したほうがプラスの要素が多いから。今までは中心メンバーはいたんだけど、何かしたいっていう意気込みだけだったんですね。でも、昨年ぐらいからそれぞれのバンドが勝負の年になるんじゃないかっていうのを感じてきてたんです。何かやらないといけないんじゃないかという。そこに僕らが発破をかけたというイメージです。今のところは僕らが好きなバンドで、そのバンドのことを知っていて、いい音楽やるなあと思っている人たちに声をかけてみているところなんですけど、今後増えたり減ったりするとは思いますよ。でも、いろいろ動きを始めていて8月~9月はツアーもやろうと思ってるし、冬にはコンピも出しだいし。そういうのがちょっとずつだけど具体化してきてるところですね。ようやくスタートラインに立ったという感じですね。今までは準備体操ばっかりだったけど(笑)。

──こうやってバンドだけで作ったグループというか団体は少ないですからね。

栗原:幸い僕らはできる立場にあって…。

増沢:いいにしろ悪いにしろ(笑)。今いるバンドの中にメジャーのバンドはいないんですけど、この中からメジャーに行くバンドが出てきてもいいし、メジャーのバンドが賛同してくれるのも嬉しいですね。ただある程度好きなようにできる環境にいるバンドじゃないと動きづらいので、そういうバンドを増やしていきたいですね。でも、第3世代に所属してなきゃいけないというわけではなくで、あくまでも自主的に集まってくるような集まりでないとうまくいかないと思うんで。

栗原:その状態でみんなが一歩上に行けたら最高じゃないですか。

増沢:結果はお客さんが増えて自分達のCDが売れてそのシーンが活性化するっていうのが目的ですからね。それでオモシロイもんあるぜっていう。各々はいい音楽やってると思うんですけど、単体でぽつぽつあるからお客さんが見えにくい所がある。もうちょっと提示するためには、みんなで一緒になってやったらもっと広がるんじゃないかなって。

──そしたらRooftop読んで第三世代に入りたい人が出てくると思うんですけど…。

植木:デモテープ募集したらいいんじゃないですか。

矢野:でも音楽だけよければいいってもんでもないんだよね。

コウド:今の段階なら逆に俺等から誘う方がいいんじゃない?

増沢:そうだね。ツアーやれるとかコンピ出すからっていう目的だけで入りたいっていうのは…ね。

──じゃあアツシさんが第三世代に入ろうと思ったきっかけは?

アツシ:僕はエレキベースのサカモトさんに誘ってもらったんだけど、サカモトさんが言うならおもしろいことがあるんじゃないかと思って…人間で選んできたから。

植木:そういうのが大事よ。

増沢:でも、この誌面を読んで入りたいなと思ったら声はかけてもらいたいですね。バンドじゃなくてもお客さんとかもちょっと日々の生活なりで、こいつらがんばってるから私もがんばんなきゃなとか思ってくれたらすごく嬉しいです。今後のツアーでも楽しそうだなと思って見に来てくれたらいいですよね。

植木:まず最初のツアーでお客さんがワクワクするかんじを提供したいね。

栗原:イベントなら出るバンドが全員主催者のつもりでやるっていうのがいいな。

増沢:基本的に主催だけががんばるイベントじゃなくて、全バンドが企画者となって全員お客さん呼んで、いいライブやったらすごいいいものになる。そういうかんじになればな。全部がガチンコなのよ。そういうのをやっていくと絶対お客さんに伝わるんですよね。音うんぬ んよりバンドが笑顔でやってたほうが。

アツシ:僕らがやることなんか曲作ってライブするしかできないから、みんなで楽しくやれるようにとは思ってます。

コウド:そういえばこの前、Baconとテルスターが大阪で2マンやったけどすごかったな。やっぱお客さんはお金払って見に来てくれてるんだから。

増沢:あの時はガチンコでしたよね。僕ライブ中泣きましたもん(笑)。そうやって僕らも人生かけてライブやってるわけで。それをやることによってお客さんのフィードバックも入ってくるし、僕らももっとがんばれると思うんですよ。

矢野:やることは変わらんからね。それで横の繋がりもできるわけだからね。

増沢:あとお互い意識することも出来るし、もちろんいいライバルであることは変わらないわけで。

──ライバルでもあるけど、ある意味近くて分かり合ってる人たちがいるって心強いですもんね。では、今後“第三世代”の展望をみなさん話していただけますか?

栗原:ツアーやって1個形になったものを提示できるってのが一番やらなきゃいけないことかな。基本的にそれぞれのバンドがそれぞれでんがんばるってのが一番だと思うんですよ。それで集まったときにおっきいことができたらいいなと思ってます。

コウド:己のバンドがどれだけしっかりがんばれるか。動員にしろ、ライブにしろ、曲作りにしろ、そういうのをバンドがどれだけがんばれるかでいいものを提供できる気がするし、まずは自分らを鍛えていこうかな。

矢野:このシーンってキラキラしてるなって思ってもらいたいですね。俺等もバンドやりてーなんて思えるシーンにならなきゃいかんし、俺等の世代がやらなかったらなくなっちゃうもんな。

アツシ:そうですね。みんなそれぞれ意識しながらライブして、曲作って第三世代にいけば絶対楽しいみたいな、第三世代印みたいな…。

植木:この名前があれば間違いないみたいな。

アツシ:そうなれば。気合い入るし。

植木:僕は第三世代ってクラスっぽいモノだと思ってるんですね。で、班がいくつかあってクラスで勉強会をやって見せ合う。それはプレッシャーもあるし、負けちゃいけないなと思うんですよ。それで一番オモシロイクラスにしたいなと思います。だからマイペースながらもがんばっていければと思います。長い付き合いになればいいなと思います。

全員:そうだね。

植木:あとは…まだ僕らは正式メンバーではないんで、正式メンバーになりたいです(笑)。

全員:(笑)それはわからないな。

増沢:その対バンドとか対バンドメンバーとか対お客さんとか全てを含め、お互いを高め合っていけたらいいなと思うんですよ。僕的には結果 より意識を高くしてくのが一番大切なんじゃないかなと。お客さんと僕らの関係性で楽しいものを作っていくのも大事だし、全てをひっくるめて、もっともっと盛り上がって行きたいと思いますね。こういう時代だからこそ、真面 目にでもアツくちょっとうざいぐらいに声高に「俺等はがんばるんだ! 」って言わないと、だめな気がするんですよ。なので、がんばっていきます。

全員:よろしくおねがいします!!

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