Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】アツシ×KENZI×純太×極蔵×タケミ(2003年7月号)- 暴走族、ヤンキー...そして長州世代!

暴走族、ヤンキー…そして長州世代!

2003.07.01

バンドを続けてきたからこそのご褒美

02_2.jpg──あれからもう20年近い歳月が流れて、今もそれぞれバンドを続けてこれたのは驚異ですよね。

極蔵:俺はでも、25の時に一回辞めたから…。

KENZI:俺だって一時は休んでたんだよ。ずーっとやってるのはこの人(アツシ)だよ。

極蔵:凄いよね。今またバンドが上り調子っていうのも凄い。

アツシ:僕の話はいいから! 褒められるのに慣れてないからね(笑)。

タケミ:俺はRADIO HACKERを解散したのが28の時で、それからはバンドを離れてプロデュースの仕事のほうに行っちゃったんで…。でもたまたま去年、解散して丸10年経ってメンバー同士で会ったら、「1回何かやろうか?」って話が盛り上がって。で、一度Queでワンマンやったら一応ソールド・アウトして。“何だ、面 白いじゃん!”ってすっかりその気になっちゃって(笑)。

アツシ:一度復活して客が入るとその気になっちゃうよね。

KENZI:RYOTA(THE POGO)が今まさにそれ。

極蔵:(笑)そうなの?

KENZI:この間の〈クソッたれナイト〉でPOGOが復活した時、かなり嬉しそうだったから(笑)。

タケミ:でもやっぱり、バンドをマジメに継続するのって大変だよ。お互い20歳くらいの頃には同級生の奴らがみんなバンドやってたのに、何らかの理由で活動できなくなったなかで、ここまでバンドをずっと続けてるのはやっぱり凄いなって正直思うし、だからこそニューロティカやKENZI&THE TRIPSのライヴ動員がまた増えてるって話を聞くと凄く嬉しい。同世代が頑張ってるのは誇りに思えるよ。

アツシ:僕だって同じ世代の人がCD出したりライヴやってると嬉しいもんね、単純に。「ニューロティカ頑張ってる!」とか言われてもイヤミはないんだよね。さらに思うのは、まぁ休んだりもしたけど、今までバンドをやってきたからこそ、ご褒美にこうしてこの5人で会えたんだなぁって思うよ。

極蔵:うん。続けていればいいことあるんだよね。

KENZI:いろいろあるかもしれないけどさ、音楽を辞めないで、今も“現役”ってところがあるからこうして会えるわけだし、イヴェントもできるし…。音楽を辞めちゃうと、こんな機会もなくなっちゃうからね。だから続けてきて本当に良かったと思いますね。 大切なのは健康管理だ!

──今もライヴ活動を続けるにあたって、何か心懸けていることってありますか?

KENZI:(煙草に火をつけながら)やっぱり大切なのは健康ですね。

──そんな、思い切り煙草を吸いながら(笑)。

タケミ:俺は(空手の)大会出る時に息があがるから煙草はやめてる。

KENZI:確かに、ノドに一番悪いのが煙草なの(笑)。

タケミ:でも、KENZIの歌声は衰えないもんねェ。

極蔵:巧い、巧い。メッチャ巧い!

──酒は控えてるんですか?

KENZI:ちょっとだけですね。ライヴの前の日に控えるくらいです。

極蔵:健康管理は大切だよね。最近走ろうかなぁってマジで思うよ。

タケミ:走ったほうがいいよ。

極蔵:KENZIのライヴ観に行ったけど、バリバリだもんね。“こいつはロボットか!”と思ったもん、ワンマンの時。

KENZI:いや、それはアッちゃんも凄いよ。

アツシ:いやいや、僕は動いてないと「手ェ抜いてるだろ!」って言われるよ。

KENZI:アッちゃんは何か鍛えてるの?

アツシ:何もしてないね。煙草を吸わないくらい。お酒は頭おかしくなるくらい呑んでるけど。

KENZI:でも昔と違うのは、練習をマジメにやるようになりましたね。ちゃんと練習しないとライヴができない。

アツシ:確かにね。昔と違って思考回路が荒れちゃってるから、凄い練習を大切にしてるね。若い時は吸収が早いし、瞬発力もあるし…。そのためのリハビリっていうか、自分の健康のためのライヴがニューロティカっていう(笑)。

──考えてみると、ライヴハウスが最もライヴハウスらしかった時代というか、ライヴでも打ち上げの席でもとことん破壊的だったのは恐らくみなさんが最後の世代ですよね。

極蔵:それはこの人(アツシ)ですよ。相変わらず凄いから。

アツシ:この間、ウチらの打ち上げに130人集まったからね。現役バリバリですよ! だからこの日の打ち上げは、殺人以外は何でもアリで!

一同:(笑)

10年前には思いもしなかった同志的な感情

──当日は全員でセッションとかもできそうですか?

タケミ:(極蔵に向かって)どうなの、リーダー?

極蔵:エッ、俺!?

タケミ:全然そういうヴィジョンないよ、こいつは。リーダーとか、まとめるの面 倒くさいんだから。

アツシ:まぁ、いろいろ銭の問題とかあるから、最後の会計だけはちゃんと来てね(笑)。

タケミ:でも本当にセッションで1曲でもできたら面白いね。

極蔵:そうだねェ! ケントリの「爆竹ガール」やりたいな。ゲンドウミサイルを解散してね、まぁいろいろあったけど、去年KENZIと一緒にライヴやったじゃん? “ああ、帰ってきたなぁ”って思ったんだよ。スゲェ嬉しかったんだ。

KENZI:判るよ。凄く嬉しいよね、当時の人達が頑張ってると。この間、久しぶりにRYOTAとライヴやったでしょ。何かあるんですよね。10年前には思わなかったようなことが、何て言うか、同志的なことって言うか…。

極蔵:KENZIもPOGOも、戦ってたもんね。

KENZI:うん。何かね、あるんですよ、愛が。ちょっと恥ずかしいんだけどね。

極蔵:でも、それはよく判る。

KENZI:そこが今回のポイントじゃないですかね。そういうのが客に伝われば成功かなって思うんだけど。

タケミ:でもアッちゃんも言ってたけど、「オジさん、オバさんしか来ないんじゃないの?」って(笑)。

KENZI:この前の〈クソッたれナイト〉はピーズとPOGOでやったんだけど、確かに世代は高いだろうけど、みんなもみんなで当時に戻るっていうか、気持ちが若いの。全然変わらない。こっちも変わらなかったら向こうも変わらないから。

タケミ:確かにお客さんの年齢層は高そうだけど、若い人達にも観てほしいですね。20歳そこそこの人達って、一連の“青春パンク”もそうだけど、メロコアとかスカコアを聴いて音楽に入ってきた連中が多いだろうから。でも“こういう感じのバンドのほうが全然恰好いいだろ?”っていうのを見せたい、っていうのはある。

KENZI:まだこうして音楽をやり続けてる僕たちみたいなのが現実にいるわけですよ。そこにもう少し目を向けてほしいですよね。業界とか、いろんな部分の人たちが。もっと注目してもらってもいいかなっていうのがありますけどね。ビジネス、ビジネスばかりじゃなくて、実際にいい音楽をやってるバンドは一杯いると思うし。

このアーティストの関連記事
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻