築地はいつ行っても楽しい。なにを食おうか悩んで、うろうろしているだけで幸せになってきます。
昨今、移転問題でいろいろと大変だし、この先どうなるのかわからないけれど、とりあえず、そんなことは置いといて、築地に行ったら楽しみましょう。
友達の写真家、沼田学くんが、『築地魚河岸ブルース』という写真集を出しました。自分は、ここで序文のような、短い話を書かせてもらっているのだけれど、写真が素晴らしいので、皆様、ぜひ見てください。
沼田くんは、築地に通って、市場のゲートにカメラをセッティングして、出入りする人を撮りまくっていました。
写真集は、ターレーに乗った築地のおっさんたちが、たくさん写っているのですが、そのどれもが格好良くて、単純に、「おっさんって、素敵なんだ」と思えてきます。また、この写真集は、女性にも大人気らしく、女性の方々が、おっさんたちの格好良さをわかってくださり、嬉しい限りなのです。他にも、このような働くおっさんのことを好きな、男性専科の方々にも人気らしいのですが、それも頷けます。
それでこの前、インターネット放送のドミューンで写真集を特集することになり、わたしも呼ばれて、写真集の表紙にもなっている、MAKIさんというおじさんと、先日お会いしました。このMAKIさんが、とんでもなく格好良かったのです。男っぽい感じの中に、チャーミングさがあり、少ししわがれた声で、優しく喋ってくれます。なんだか痺れてしまいました。
また、MAKIさんは、ブルース・シンガーでもあって、『築地フィッシュマーケットブルーズ』というアルバムも出しています。
この一曲目、「築地フィッシュマーケットブルーズ」がものすごく良い。それこそ、タイトル通り、築地の市場で働く人たちのことが唄われていて、MAKIさんの、情感溢れる歌声で、その光景が、ビシビシ浮かんできます。
MAKIさんは、たまにライブ活動も行なっているそうですが、時間はお昼とか、何組か出るときも、「出番は最初のほうにして」と言ってるそうです。
なんてったって、築地の仕事は、夜中の一時半には家を出て、二時には市場に行って仕事をするそうで、この前は、夜の九時に会ったのですが、「もう夜中だから、夢の中にいるみたいで、自分がなにを喋ってるかわからないよ」と話していました。
皆様、MAKIさんの『築地フィッシュマーケットブルーズ』をぜひ聴いてみてください。さらに、そのあとは、朝っぱらから築地に行ってみてください。そしてターレーに乗る、格好いいおっさんを眺めて、痺れましょう。もしかしたらMAKIさんに会えるかもしれません。でも、仕事中なので、迷惑のかからないように、でもって、寿司か、うまい海鮮丼などを食べるなんてのは、どうでしょう。