この前、車を借りて運転していたのだけれど、カーステレオが古いものだったから、持参したiPhoneで音楽を聴くこともできず、ラジオをずっと聴いていました。
普段、自分は家にいるときはラジオばかり聴いているので、別にラジオでも構わなかったのですが、遠出をして山の中に入っていくと、どうしても電波の状態が悪くなってしまいますし、運転中、疲れてきたら、お気に入りの音楽を聴きたくなったりします。
ちなみにいつも聴いているラジオは、NHKのラジオ体操から続く朝の放送、そして『すっぴん!』ですが、最近はTBSの伊集院光の『伊集院光とらじおと』と、ジェーン・スーの『生活は踊る』が楽しい。でもって昼過ぎになって、『たまむすび』か大竹まことの『ゴールデンラジオ!』のどちらかを聴きます。『たまむすび』は、金曜日の、玉袋筋太郎さんのときは、必ず聴いています。あと土曜日の朝は、NHK-FMで、ピーター・バラカンからゴンチチのラジオを聴きます。
そんなこんなで、自分の聴くラジオを、ズラズラと記してまいりましたが、やっぱりラジオって本当にいいですね。昔はFMの音楽中心のラジオを聴いていたのだけれど、最近は楽しいおしゃべりのほうがいいです。
でもって、ラジオのCDを思い返してみたのだけど、わたしの持っているのは、小沢昭一の『小沢昭一的こころ』を集めたもので、これは、ちょっと違うかなと思うので、今回は、『レザボア・ドッグス』のサウンドトラックなんて、いかがでしょうか。
このサウンドトラックは、ラジオ風になっていて、ディスクジョッキーが、曲を紹介しながら、どんどん音楽が流れていきます。
わたしは、公開されたとき、映画館で観たのですが、当時、「なんだ、このイカした映画は!」と思ったものです。さらに音楽もやたら格好良かったので、すぐさまサウンドトラックを買って、CDを聴きながら、アメリカのラジオは、こんなイカした感じなんだなと、英語もわからないのに、その雰囲気に浸っていました。
そんなこんなで、この前、車を運転していたとき、ラジオも飽きてきたと思って、カー用品の店に寄り、FMトランスミッターを購入して、『レザボア・ドッグス』のサウンドトラックを聴いてみました。でも当時聴いていたときよりも、なんだか絵空事のように思えてきて、またAMラジオに戻してしまいました。それよりも普通の音楽を聴けば良かったかもしれません。
しかしながら、『レザボア・ドッグス』のサウンドトラックは、本当に格好いいので、皆様も是非聴いてください。でも、AMラジオも楽しいですよ。
戌井昭人(いぬいあきと):1971年東京生まれ。作家。パフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」で脚本担当。2008年『鮒のためいき』で小説家としてデビュー。2009年『まずいスープ』、2011年『ぴんぞろ』、2012年『ひっ』、2013年『すっぽん心中』、2014年『どろにやいと』が芥川賞候補になるがいずれも落選。『すっぽん心中』は川端康成賞になる。2016年には『のろい男 俳優・亀岡拓次』が第38回野間文芸新人賞を受賞。