レズ鑑賞クラブティアラは、キャスト2人を指名してその絡みを間近でご覧いただけるという、めずらしいコースがあります。お客様のリクエストに応じてプレイを展開することもありますし、シナリオを用意してこられたり、絡みをデッサンされたり……いろんなお客様がいらっしゃいます。
このコースでは、お客様がプレイに混ざってもいいのです。キャスト2名につき、お客様も2名までご利用いただけますから、合計4人でプレイを愉しむこともできます。
前回は、鑑賞いただく際の、キャスト同士のチームプレイについてお話ししましたが、この複数プレイでも息の合う瞬間が多いほど、お客様もキャストも満足度が上がります。
ポイントは、やはり「誰かを置いてけぼりにしない」ですね。2人のキャストでお客様をサンドイッチしたり、上下に分かれたり、両端から一気に攻めたり……。3人で愉しむ瞬間を積み重ねていきます。
あえて、誰かひとりがほかのふたりのプレイを鑑賞する時間を設けることもあります。長時間のご予約をいただいたときは、できるだけバラエティに富んだ愉しみ方を提案したいと思っています。
私にとってのチームプレイは、お客様をご案内する時間だけ発揮できていればいいというものではなく、レズっ娘グループ全体にいきわたっていてほしいもの、です。
と、私がアツく語るまでもなく、事務所に顔を出すとグループとしての一体感を全身に浴びることができます。
ときおりしか顔を合わせることのないキャスト同士でも、がんばっているのは伝わってきます。そうすると、私もがんばろうと思う。こうしてひとりのがんばりが、もうひとりのがんばりにつながる。誰かが誰かを支えていて、ひとりの熱量がみんなにいい影響を及ぼすという、いい連鎖を感じます。
お客様からご指名いただくことで成り立つ仕事には、こんなイメージが付きものではないでしょうか。売上や指名上位を競うランキング制度あって、自分が人気を獲得するためにほかのキャストを蹴落とし、それを多くした人がナンバー1やナンバー2、ランカーといわれる立場になれる──。
たしかにナンバー1になるのはスゴイことですし、競争が努力を生むこともあるのだと思います。でも、レズっ娘グループにはこんな空気がまったくないところが、私が長らくキャストでいつづけられた理由のひとつです。
細かいミスや失敗があっても、誰かがフォローしてくれる。スタッフさんは常にキャストの状態を気にかけてくれますし、キャスト同士にも助け合う空気があって、誰も置いてけぼりにされないのだという安心感があります。
これも、チームプレイのなせるわざですよね。
なぜこんなにもよい空気が保たれているのかというと、キャストという仕事が精神力と体力が求められる仕事だと、わかっているからだと思います。ひとりのお客様に身も心も気持ちよくなってもらうために、女性同士の絡みを観て何かを持って帰ってもらうために、全力かつ真摯に取り組んでいるのです。
自分以外のキャストもそうなのだとわかれば、そこに尊敬が生まれます。簡単な仕事じゃないと知っているからこそ、競争したり蹴落としたりといったことに時間や気力を割けないし、それが何も生まないことも理解できるのではないかと思います。
ランキングを発表することで、功を奏する職種やお店もきっとあるのでしょう。だけど、それは長くはつづけられないお仕事だと思います。いくら稼いだかということだけが重要視されると、お客様とキャストとの縁が深まることはありません。
レズ風俗という場が、お金だけが大事ではない、いえ、お金以外のことがとても大事な場だからこそ、ランキングにはあまり意味がないのだと思います。
キャストそれぞれがもつ魅力は、どっちが上だとか下だとかいったものではないですよね。人と比べるより、自分のもつ魅力を磨くことに集中するほうが、絶対にいい。
ランキングがあったほうがやる気が出るという人は、自分で自分のランク付けをすればいいと思います。架空の目標を立てて、自分を厳しく採点する。いきすぎた対抗心は揉めごとを生む要因になる気がします。それを煽るようなお店はきっと、みんなにとって居心地のいいものではないでしょう。
それよりも、みんなで上を目指し、お店に活気があるほうがいいと思いませんか?
キャストだけでなく、スタッフさんも、グループ代表の御坊さんも、みんなでひとつのチームです。その和やかで明るい空気が、お客様にも伝わればうれしいです。
【ゆう プロフィール】
永田カビ著『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)のモデルになった現役キャストで、2008年から在籍するベテラン中のベテラン。レズっ娘グループ全店の新人講習スタッフを兼任する。https://tiara.ms/cast/cast.php?no=00025