私が務めるレズっ娘グループは、「レズっ娘クラブ」「レズ鑑賞クラブティアラ」それぞれに大阪店、東京店があり、合計4店舗を展開しています。もちろんいろんなキャストがいますよ! 今日はそのひとり、まこさん(レズ鑑賞クラブティアラ大阪店)をお迎えしての対談です。
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ゆう:今回は、まこさんと、対談の機会をいただきました。うれしいです! 私とまこさんは、レズっ娘グループで新人講習の担当でもあるんですよね。一緒にいろんなものを培ってきたと感じています。
まこ:こちらこそ、うれしいです。ゆうさんとこうして対談できるなんて、新人のころには夢にも思っていませんでしたよ。新人さんの講習を担当することもですが……!
ゆう:私はいつも、“みんなで考えて作る” “新しいことに挑戦する”というレズっ娘グループの姿勢から、刺激を受けているんですよ。グループ代表・御坊さんの方針のひとつに「よくするためだったら、即ルール変更」があって、創業時からのルールでも必要があれば大胆に変わります。それでいうと昨年、ビアンコースの名称が「ウェルネス」にあらためられました。
まこ:いま「レズっ娘クラブ」「レズ鑑賞クラブティアラ」ともに、ホームページでは「ウェルネス(旧ビアンコース)」としてご案内されていますね。どちらの店舗でもお客様とキャストがお出かけをしたり外でお食事をしたりするのを「デートコース」、ホテルのお部屋でふたりきりになり一緒にお風呂に入ったり触れ合ったりするのを「ビアンコース」と言っていたわけですが、「ビアン」という語に抵抗があるというお客様もいらっしゃったのを受けて変更だそうですね。
ゆう:特に外で周囲に人がいるとき、お客様が言いにくそうにしているなぁと感じることはたびたびありました。いままでは、自分でことばを作っていたんですよ「お部屋のコースあるやん?」「そろそろBコースの時間だね」というふうに。名称が変わってすぐは、ウェルネスという語にスッとは馴染めなかったんですけど、少しずつ切り替えてこれたと思います。ほんとに会話がめちゃくちゃスムーズになりましたね。デート中、余計なことに気を取られることなく、会話をより自然に楽しめるようになったかな。まこさんは、どう?
まこ:私も、「お部屋でどう過ごす?」のような言い方をしていましたね。名称があらためられてからは「ビアンコース」「ウェルネス」の両方を使うことがありますけど、いま(2023年2月現在)はウェルネスで統一しています。お客様もどちらも使われる方がそれぞれいて、私個人としてはどちらでも構いません。
ゆう:前から、まこさんはことばをすごくていねいに扱っているなぁと思っていたんですよ。セーフワードやセーフタップについても、お店で新ルールとして導入する前から、自分でいろいろと実践していたとか?
まこ:追加された「セーフワード」というのは、デートコースやウェルネスコースでお話をしているときに、「これ以上はお話できないな」「このことは聞かれたくないな」というときに、「ナイショ」と伝えれば、それ以上はお話しない、話題を変えましょうというものですね。私はご案内中にパーソナルなことをあまり聞かないようにしていますが、踏み越えてはいけないラインって人それぞれですよね。私たちキャスト側にも、それはあります。そんなとき「ナイショ」ってワードを使おうね、話したくないことはいつでも話し止めてね、それで大丈夫だからね、とあらかじめ共有しておけば、お互い安心できる……お話しやすい環境作りは、常に心がけています。
ゆう:まこさんと出逢うお客様は、本当に幸せだと思います。安心できる空間作りは、私たちが講師として教えられるものもありつつ、最終的にはキャストひとりひとりが自分なりの方法を作り上げていくんですよね。“セーフタップ”はどうですか? ウェルネスのプレイ中に「これ以上は無理!」となったとき、キャストの身体やベットなどを3回タップ(たたく)することで、そのプレイを中止してもらう合図です。私も以前から、ことばよりも動作で示したほうが空気を壊さなくていいなぁと思っていたんですよ。
まこ:うんうん、お客様がキャストのこと思って伝えにくくなってしまうこともあると思うんです。これまでも「しんどかったり不安になったり、なんか気持ち悪いな痛いなと少しでも感じたら、『ちょっと待って』と言ってね」とお伝えはしていたんですよ。ことばで伝えにくいときは、「名前を呼びながら、ベットや体をタップしてね」と。それで私の機嫌が悪くなるとか雰囲気が壊れるとかってことは絶対にないからね~、というところまで伝えて、安心してそのとき感じたものを伝えてもらいやすい空気や関係をつくれないか工夫していました。
ゆう:キャストはお客様のことを全力で気持ちよくしたいと思っているけど、触れ方にも好みや気分があるから、「痛くない?」「大丈夫?」と確認する場面も出てきます。でも何度も聞くのも無粋だし、「気を悪くしないかな」とキャストを気遣って言えないお客様は必ずいるものです。だからセーフタップが導入されて時間が経つほどに、行為のスムーズさと気持ちのやさしさが両立した、とてもいい方法だなぁと実感しています。
まこ:わかる! 「痛くない?」「大丈夫?」と聞きすぎるのって、お客様にとってもキャストにとってもプレイや気持ちよさに集中できなくなりがち。セーフタップがあることで、お互いに緊張やプレッシャーから開放され、より集中できるようになってうれしいです。
【ゆう プロフィール】
永田カビ著『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)のモデルになった現役キャストで、2008年から在籍するベテラン中のベテラン。レズっ娘グループ全店の新人講習スタッフを兼任する。https://tiara.ms/cast/cast.php?no=00025