Rooftop ルーフトップ

COLUMN

2回「言いなり」

第22回「言いなり」

2021.07.10

異次元の常識 text by ISHIYA(FORWARD / DEATH SIDE)

われわれは「オリンピックのためにあなたたちの生命は守りません」と現与党に宣言されているのと等しい

 2021年7月4日に、東京都議会議員の投票日がある。このコラムが掲載される頃には、もう結果が出ているだろう。
 コロナ禍の対応やオリンピック開催の是非について、東京都民はいったいどういった答えを出したのだろう。現時点ではまだわからないが、オリンピックを推奨する自民、公明、都民ファースト、維新などの候補は、オリンピックについては一切触れていない候補がほとんどなのである。
 この時期に開催される選挙で、それもオリンピック開催都市である東京都の議員選挙であるのに、オリンピックに関して触れているのは共産党やれいわ新選組などの野党側である。意味がわからない。
 安心安全で、自信を持ってオリンピックを開催するのであれば、堂々と政策として選挙で都民に訴えれば良いではないか。
 街を走り回る街宣車も、自民党をはじめとした与党側は一切オリンピックについて言及していない。
 まさかオリンピックに賛成の意思を示したら、落選するとでも思っているのだろうか?
 もし仮にそんな思いで選挙に出るのであれば、たとえ与党候補者でもオリンピックに対してはっきりと反対の意思表示をして投票をしてもらうのが、都民への最低限の礼儀ではないだろうか。やるわけはないとわかってはいるが、そういったうわべだけで取り繕う選挙のあり方が、投票率を下げる一因であるとも思う。
 投票率が上がらなければ上がらないほど与党に有利なことはないので、国民や都民に対しての不誠実極まりない宣伝も与党側の作戦なのかもしれないが……。
 オリンピックについて「言わなければわからない」とでも思っているのであれば、これほど都民をバカにした話もない。まぁもっとも、公約で掲げたとしても、自民党や都民ファーストが公約など守るわけがないのだが……。
 この東京都議会選挙は、秋に行なわれると予想されている総選挙の前哨戦とも言える選挙ではないだろうか。
 ここで自民党や都民ファーストなどの与党が議席を減らした場合、何らかの手を打ってくるだろう。平気で嘘をつく現与党であるから、常套手段である嘘の公約を掲げ、当選した暁に全てを反故にするであろうことは、ヒト科の生物であれば容易に想像がつくが。
 しかし不思議なのは、ここまでされてもまだ自民公明や、都民ファースト、維新などを信じている人間がいることである。
 よほど世話になったのか、親類なのかわからないが、ここまで一般人の生活や生命を軽視しているのに支持するというのは、全く理解できない。
 恋は盲目という言葉があるが、恋愛が初めての中学生のように、現与党に恋をして周りが何も見えなくなっている状態なのだろうか? それにしてはかなり趣味の悪い恋愛である。早く目を覚ませば、もっと素晴らしい恋愛がたくさんあるというのに。
 自分や家族、友人や大切な人の生命を差し置いてまでも全てに優先し、何も考えず、何も感じず、何も気付かず、生命すら投げ出し、盲目に追従するだけしかしない生き物。
 戦後75年以上、自民党に飼いならされてきた日本国民という動物は、進化の道を自ら閉ざしている。もうそれはヒトという生物として退化していると言わざるを得ない。
 自分だけの問題じゃないんだ。現与党は俺たち一般人に面と向かって「オリンピックをやるためには、あなたたちの生命は守りません」と、堂々と宣言されているのと等しいんだ。
 オリンピック招致で金をばら撒き、世界一金のかからないオリンピックという公約も真っ赤な嘘。世界一金のかかったオリンピックになった上、コロナで開催できずに、このままではオリンピックで儲けようとしていた目論見が外れ、赤字にもなりかねない。
 現在国や都が言っていること、やっている行為を要約するとこうなるだろう。
 
 「オリンピックのために、大金をつぎ込んでしまいました。開催しなければオリンピックに関わった企業や政治家たちが儲かりません。IOCにもめちゃめちゃ金を取られるんです。国民のみなさんはコロナにかかる危険はありますが、お金のためです。お年寄りから子どもまで、国民全員一丸となって我慢してください」
 
 もう戦争と同じである。このままいけば、将来何が起きても同じことになるとわからないのか? いい加減に目を醒ましてくれ。
 現与党側の人間たちは全て、金のためには俺たちが死んでも構わないと本気で思っている。
 どうして気付かない?
 どうして疑わない?
 なんで言いなりになるんだ!
 なんで言いなりになるんだ!
 なんで言いなりになるんだ!
 なんで言いなりになるんだ!
 
「言いなり」GAUZE
 
欲望 甘い汁 ビジネス 妥協
欲望 甘い汁 ビジネス 妥協
尖った角を削る
尖った角を削る
尖った角を削る
尖った角をヤスリで削る
 
なんで言いなりになるんだ
なんで言いなりになるんだ
なんで言いなりになるんだ
なんで言いなりになるんだ
 
欲望 甘い汁 ビジネス 妥協
欲望 甘い汁 ビジネス 妥協
商業主義の商品
商業主義の商品
商業主義の商品
骨抜きされたクズ商品
 
どうして疑わない
どうして疑わない
どうして疑わない
どうして疑わない
 
欲望 甘い汁 ビジネス 妥協
欲望 甘い汁 ビジネス 妥協
いいようにでっち上げろ
いいようにでっち上げろ
いいようにでっち上げろ
口だけで笑ってでっちあげろ
 
どうして気付かない
どうして気付かない
どうして気付かない
どうして気付かない
 
EQUALIZING DISTORT.jpg
 
今もなおJAPANESE HARDCORE PUNKシーンの一線で活躍し続ける生きる伝説、GAUZE。「言いなり」は1986年発表の2ndアルバム『EQUALIZING DISTORT』に収録。
 
【ISHIYA プロフィール】ジャパニーズ・ハードコアパンク・バンド、DEATH SIDE / FORWARDのボーカリスト。35年以上のバンド活動歴と、10代から社会をドロップアウトした視点での執筆を行なうフリーライター。https://twitter.com/ishiya_148
このアーティストの関連記事

COLUMN LIST連載コラム一覧

  • おじさんの眼
  • ロフトレーベルインフォメーション
  • イノマー<オナニーマシーン>の『自慰伝(序章)』
  • ISHIYA 異次元の常識
  • 鈴木邦男(文筆家・元一水会顧問)の右顧左眄
  • レズ風俗キャストゆうの 「寝る前に、すこし話そうよ」
  • 月刊牧村
  • 「LOFTと私」五辺宏明
  • 絵恋ちゃんの ああ えらそうに コラムが書きたい
  • おくはらしおり(阿佐ヶ谷ロフトA)のホントシオリ
  • 石丸元章「半径168センチの大問題」
  • THE BACK HORN 岡峰光舟の歴史のふし穴
  • 煩悩放出 〜せきしろの考えたこと〜
  •  朗読詩人 成宮アイコの「されど、望もう」
  • 今野亜美のスナック亜美
  • 山脇唯「2SEE MORE」
  • 大島薫の「マイセルフ、ユアセルフ。」
  • 能町みね子 新中野の森 アーティストプロジェクト
  • 能町みね子 中野の森BAND
  • アーバンギャルド浜崎容子のバラ色の人生
  • 戌井昭人の想い出の音楽番外地
  • さめざめの恋愛ドキュメンタリー
  • THE BACK HORN 岡峰光舟の ああ夢城
  • 吉田 豪の雑談天国(ニューエストモデル風)
  • ゲッターズ飯田のピンチをチャンスに変えるヒント
  • 最終少女ひかさ 但野正和の ローリングロンリーレビュー
  • 吉村智樹まちめぐ‼
  • いざゆかんとす関西版
  • エンドケイプの室外機マニア
  • 日高 央(ヒダカトオル)のモアベタ〜よ〜
  • ザッツ団地エンターテイメン棟
  • 劔樹人&森下くるみの「センチメンタル「非」交差点」
  • 三原重夫のビギナーズ・ドラム・レッスン
  • ポーラーサークル~未知なる漫画家オムニバス羽生生純×古泉智浩×タイム涼介×枡野浩一
  • the cabs 高橋國光「アブサロム、または、ぼくの失敗における」
  • “ふぇのたす”ちひろ's cooking studio
  • JOJO広重の『人生非常階段』〜今月のあなたの運勢〜
  • マリアンヌ東雲 悦楽酒場
  • 大谷雅恵 人生いつでも初体験
  • ジュリエットやまだのイケメンショッキング
  • ケラリーノ・サンドロヴィッチ ロック再入門
  • 岡留安則 “沖縄からの『書くミサイル』”「噂の真相」極東番外地編
  • 高須基仁 メディア論『裏目を読んで半目張る』
  • 田中 優 環境はエンタメだ!
  • 雨宮処凛 一生バンギャル宣言!
  • 大久保佳代子 ガールズトーーーク!!!!!
  • DO THE HOPPY!!!!!
6th
ロフトチャンネル
下北沢シェルター30周年
ロフトオリジナルコーヒー
どうぶつ
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻