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1回「地球は戦時中」

第21回「地球は戦時中」

2021.06.12

異次元の常識 text by ISHIYA(FORWARD / DEATH SIDE)
 

あなたにも俺にもできることがある。絶対に諦めるな

 
 2021年6月時点で、どうしても触れないわけにいかない話題は、東京オリンピック開催についてだろう。
 2020年に延期されたときよりもはるかに感染者数が多く、変異株も出回っている中で、医療崩壊が起きている現実にも目を向けず、生活の保障がないために、全く意味のない緊急事態宣言をダラダラと続け、国民の暮らしは限界を超えているというのに、政府も東京都も、オリンピックの開催を強行するつもりでいる。
 IOC(国際オリンピック委員会)も、バッハ会長の「五輪のために犠牲を払わなければならない」といった発言などのほかにも、人命を微塵も考えず、金のためにオリンピックを開催していることが明白に露呈している。
 
 オリンピック憲章の根本原則に
 「その目的は、人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の確立を奨励することにある。」
 と書かれているが、このコロナ禍で逼迫した生活を強いられている中でオリンピックが開催されて、日本に住む人々の尊厳が保たれるとは到底思えない。
 金のために人命を無視し、国家の政策の杜撰さにより死者は増え続けている。コロナで死んでしまった人々は、国家に殺されたようなものである。国家が平然と国民の生命を軽視する状況の中でオリンピックを開催することの、どこが「平和な社会の確立を奨励」しているのか全く理解ができない。
 子どもたちの学校での運動会は禁止され、飲食店では酒類の提供禁止と営業時間規制、デパートや映画館までもが営業禁止の中、オリンピックだけは開催する。
 電通が入手したアジアでのオリンピック放映権があり、中止になるとアジアの国々に莫大な補償金を払わなければならない。
 電通が大金を積んで招致したオリンピックだが、放映権で大儲けのはずが一転、放映権の補償を支払うと倒産の危機になるほどの損失になるようだ。
 電通が潰れれば、政権運営や今後の党運営にも大きな打撃となるばかりか、逮捕者が続出するであろう事態を避ける意味もオリンピック開催にはあるだろう。
 しかし庶民にとっては、電通が潰れてくれるほどありがたいことはない。
 この世に真実が溢れ出し、騙されていたことに気づく人間が増え、一部企業の金儲けのために犠牲にされてきた国民の目が覚める。
 そうなると困るのは政権政党である。自民公明維新のやり方が完全に間違っていることが、誰に目にも明らかになってしまうという事態になる可能性が非常に大きい。
 竹中平蔵のパソナの中抜き詐欺も暴かれ、経団連がどれだけ国民を虐げているかの事実が露呈し、消費税の行方も大企業の税制優遇ではなく、やっと福祉に使われる時が来るかもしれない。多くの暴利を貪ってきた企業が、白日のもとに晒される可能性も大きいだろう。
 この能無し政権と東京都知事によって、一体どれだけの人間が困窮を極め、暮らしを破壊されたことか。
 オリンピックを中止することによって、国民にとって最も大切な「通常の暮らし」に戻れる効果が大きく現れるのではないだろうか。
 
 俺は経済の専門家でもないし、頭も良くなければ学歴もない。しかし、そんな俺でさえ分かる。オリンピックなど無いほうが、政府や大企業以外の様々な人々への「効果」は多大なものがある。
 コロナでの死者数を見ろ! 日本の自殺者の数を見ろ! ホームレス排除のために行なわている事実を見ろ! 入管で殺されてしまった人々を見ろ! ミャンマーの軍事政権に殺された民衆を見ろ! パレスチナで殺されてしまった人々を見ろ! 飢餓で苦しむ人々を見ろ! 1日に殺されていく動物の数を見ろ! 伐採されていく森林を見ろ! 汚染されていく海を見てみろ!!!
 ここまで生命を蔑ろにし続けているやり方は、変えなくてはならないと思わないか?
 その分かりやすい事例の一つとして、オリンピックがある。国民の税金を湯水のように無駄に使い、公園の木は伐採され、被災者は蔑ろにされ、普通に働く人々までもが蔑ろにされている。現状でオリンピックなんてものが開催されるということは、俺たちや子どもたちの未来には、悪夢しか作ってやれないと認めるようなものだ。
 無力な一般市民には、一体何ができるのだろうか? あなたが「何もできない」なんて諦めていたから、こんな事態になっていると理解してくれ。
 あなたにも俺にもできることがある。絶対に諦めるな。
 
『WAR』INNER TERRESTRIALS
 
君がその惨めな魂を売り払ったその日から
アッと言う間に年取っちまうものだ
君の名前は生まれた時から 点線の上に署名されてあった
囚われの身で飼い馴らされてしまってることに気づくなら まだラッキーな方 犠牲者は君だけじゃない
人類の歴史始まってからずっとこんな調子だ
 
地球は戦時中
 
コーヒーと狂った仕事のことなんか忘れちまえ
地球は戦時中 地球は戦時中
 
つまらない選択は君を膝まづかせる
地球は戦時中
 
I.M.F(国際通貨基金)と世界銀行は
君の惨めな人生には何の価値も無いと思っている
君が間抜けどもに投じた清き一票を 感謝しなければならないのに
奴らは第三世界を鎖で包囲している
ネオ・リベラルなスーパーエリートどもが
弾頭と戦車と爆撃機を使って出す答えに
きっときみはウンザリするだろう
 
陰惨なヒエラルキー 犠牲者の上に成り立っている
人々の無関心を糧に増幅する 金が地球をレイプし続ける
この状況が狂ってると思うなら
同じ恐怖を感じてる無数の人々と連帯するんだ
問題はその方法
 
直接行動はリアルだ
囚われている心を解放して喜びを感じる瞬間
真っ当な手段は革命しかない 現状を変えなきゃいけない
環境闘争の最前線では
キッズはどんな過酷な状況の中でも抵抗し続けている
きみ等と彼等とオレ等の世界を守るために闘ってる
 
地球は戦時中
 
war.jpg
 
INNER TERRESTRIALSは、ex.CONFLICTのドラマー Pacoが在籍していたUKアナーコ・パンク・バンド。1994年結成。「War」は2003年に発表されたEP『Guns Of Brixton』に収録。
 
【ISHIYA プロフィール】ジャパニーズ・ハードコアパンク・バンド、DEATH SIDE / FORWARDのボーカリスト。35年以上のバンド活動歴と、10代から社会をドロップアウトした視点での執筆を行なうフリーライター。https://twitter.com/ishiya_148
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