異次元の常識 text by ISHIYA(FORWARD / DEATH SIDE)
声をあげ続けなければ日本は世界史上稀に見る汚名を残す国家になってしまう
1987年に結成され、当時中学生を含むメンバーによって彗星の如く日本ハードコア界に表れ、多くのパンクスを虜にして今現在も活動を続けているバンドがPILEDRIVERである。
その「FIGHT FOR FREEDOM」という曲の歌詞を見て欲しい。
怒り狂える同志よ 怒り震える若者
歌え今こそ奴らに 喰らわせ怒りの拳を
見たろうあの日の出来事 忘れぬ仕打ちと屈辱
歌え今こそ奴らに 喰らわせ涙の拳を
FIGHT FOR FREEDOM(自由のために闘え)
2020年5月15日に、検察庁法改正案が自民党などの与党などにより、強行採決される寸前まで行っていた。しかしSNSでの700万件とも言われる国民の声により、一旦見送りとなった。何が改正だ、改悪以外の何ものでもない。
安倍政権の犯した事件には、加計学園と森友学園の問題や桜を見る会問題、元TBS記者山口敬之の伊藤詩織さんレイプ事件もみ消しなど様々な不祥事があるが、以下に挙げる安倍政権の不祥事も記憶に新しいところであろう。
・小渕優子元経産相の政治資金規正法違反によるドリル事件
・松島みどり元法相のうちわ選挙区配布問題
・甘利明元経済再生担当相のUR都市再生機構への口利き問題
・下村博元文化相の加計学園パーティー券200万円不記載
・佐川宣寿元国税庁官以下37名が関わった森友学園での公文書改ざん問題(近畿財務局職員、赤木俊夫さんは佐川宣寿に決裁文書の改ざんを強要され自殺)
・佐藤栄佐久元福島県知事が福島第一原発の危険性を表明したことにより、収賄学0円で逮捕
今までの政権であれば総辞職、もしくは問題を起こした議員の辞職、総理辞任は当然の事件ばかりである。これらすべての事件に関わり、検事長として不起訴にした人物が黒川弘務という検察官だ。
この黒川検事長が定年を迎えるにあたり検察庁法を改正して定年を延ばすことで、安倍自らが逮捕されないようにするという法案を強行採決しようというのだ。
ロッキード事件で当時の首相田中角栄が逮捕され、竹下内閣が総辞職したリクルート事件など、検察は総理大臣をも訴追・逮捕できる権限を持っている。
総理大臣といえども、悪いことをすれば逮捕されるのは当たり前の話で、上記のように悪のデパートのような安倍政権が訴追・逮捕されない現在の事実も、黒川検事長の功績によるものだろう。
現在の安倍政権には上記の不祥事の他にも、自民党河井案里参議院議員が初当選した2019年の参院選での買収による公職選挙法違反事件があり、まもなく河井議員には何らかの法的措置が取られるところだと思うが、その先には安倍逮捕の現実が迫っていると言われている。そこへ来て黒川検事長定年による検察庁法改悪となれば、逮捕逃れだということは小学生にでもわかる。
声をあげ続けなければ地獄の安倍政権はさらに調子に乗り独裁を進め、日本は世界史上稀に見る汚名を残す国家になってしまうだろう。
SNSでの国民の声やコロナ禍の中でも行なわれた国会前の強行採決反対デモは、国民の怒りの拳であり涙の拳である。
安倍政権は保身のためならば何でもやる。平気ですぐにバレる嘘をつき、国民の生命など全く頭にない政権だ。
怒り狂える同志よ 怒り震える若者 見たろうあの日の出来事 忘れぬ仕打ちと屈辱 歌え今こそ奴らに 喰らわせ怒りの拳を 喰らわせ涙の拳を 自由のために闘え!
横浜を代表するアナーコバンド、PILEDRIVERは1987年に結成。現メンバーは、ICHIRO(ボーカル)、SEN(ギター)、ORI(ギター)、KENSAKU(ベース)、KINTA(ドラム)。「FIGHT FOR FREEDOM」は2010年に発表された初のスタジオ・アルバム『TURN ANGER INTO LIGHT』に収録。
【ISHIYA プロフィール】ジャパニーズ・ハードコアパンク・バンド、DEATH SIDE / FORWARDのボーカリスト。35年以上のバンド活動歴と、10代から社会をドロップアウトした視点での執筆を行なうフリーライター。