TOO NORMAL TO DIE…… 死ぬには普通すぎる(笑)。
今年の12月で活動20周年を迎える(たぶん)性春パンクバンド、オナニーマシーン。12月5日には20周年記念アルバム『オナニーグラフィティ』が<LOFT RECORDS>よりリリースされる予定。ま、その辺にことはさらっと。
本連載ではこの20年に渡るオイラの自慰堕落な生活と性格がもたらした天罰について、精子と生死をかけて書き綴る遺書みたいなもんでありんす。死んだらゴメン。
病院にて口腔底癌であることを宣告された10分後くらいのオイラ……まだ事態を飲み込めてない(笑)
まるでドラマみたいだ……
唐突だけど、癌<ガン>になっちゃいました。てへ。口腔底癌とのこと。余命3年。ステージは3〜4ッス。イェ〜〜〜〜イ、遺影。
トホホ。
ま、この連載は今、癌<ガン>と闘っている人たち、そして、これから癌<ガン>になるかもしれない、という予備軍に向けてオイラが身体を張って、癌<ガン>になるというのはどういうことか? (自分だけではなく、まわりも含め)というのを明るく楽しく解説して逝きマスターベーション。
イノマーのハッピー癌<ガン>ライフ。ほのぼのレイプ。って、怒られちゃうな。悪気はないッス。でも、癌<ガン>患者が癌<ガン>をネタにするわけだからね。そこはどうかひとつ。こっちだって、ふざけて笑ってなきゃやってらんない。
恐いよーーー。ぶっちゃけ不安だ。なんてったって、癌<ガン>告知されてからまだ1ヵ月しか経ってないんだから。癌<ガン>のニューフェイス。癌<ガン>新人ちゃん。
あ、ちなみに今は入院&手術前。あと、2週間後くらいかな、手術は。ちなみにちなみに、昨日&一昨日とレコーディングで明後日には癌<ガン>手術前ラスト・フリー・ライブでやんす。その合間に病院と役所とMVの撮影やら何やら……殺す気かーーー!? 死ぬけど。って、死なないっちゅーの(笑)。
【癌<ガン>と童貞】
でも、あれッス。オイラ、癌<ガン>になる前、40代は違う病との闘いの日々だった。これはこれでまた壮絶。ふふふ。まずは連載1発目だから今回はその辺の話から軽くしようかしらん。すべてつながっているんで。
ま、基本はカジュアルにね。暗い話は好きじゃないから。明るく、言いづらい&聞きづらいことをカミングアウト。だってさー、オナニーマシーンで、イノマーくんだもん。童貞のカリスマ(笑)(ヤフーニュースより)。
だけど、童貞と癌<ガン>ってあまりにも食い合わせ悪いな……。
BUT、世の中には童貞で癌<ガン>っていう人もいるんだろう。地獄だ。そういう敬礼な方には悪いけど、童貞の癌<ガン>患者……ヘヴィーだ。そこはさすがのオイラもいじれない。何と声をかけていいか。入院したら隣のベッドがそうだったりして。ふふふ。オイラ、そういう引きが強いからな。
そうそう、本連載では入院中の話もバッチリとお伝えするんで。次のゲンコーからは入院先で書いてると思うから。手術が成功して、生きてればの話だけど。てへ。
さて、オイラの口腔底癌というマニアックなレア癌<ガン>の話なんだけど、これの原因は“お酒”と“煙草”。これに不摂生な生活だって。これ、聞いて、そりゃしょうがねーな、って思っちゃった。だって、そりゃそうだもの。これ、オイラのための病気だ。
普通さ、お医者さんに癌<ガン>宣告されたら「どうして自分が!?」って思うはずだけど納得しちゃった。
お酒を1日に二階堂ボトル1本半。煙草を3箱。それを毎日。約20年。もちろん、量にばらつきはあるけど。この10年くらいはそんな毎日だった。脳ミソ溶けてた。実際にほっとんど記憶がナッシング。覚えてないしね。
パニック障害発症!
オイラが壊れていく、そもそもの発端は10年前。2008年7月26日。オナマシ企画の『ティッシュタイム46』。出番前、ステージへと向かうドア前でSEのプリプリ「19 GROWING UP」が流れる中、意識不明となり、倒れて救急車で搬送となった。
診断結果は“パニック障害”。そのときは公に具体的な病名は明かさなかった。急な体調不良で、と濁した。何でだろう? パニック障害であることを公言することに抵抗があった。
オイラが精神障害って、童貞たちの夢を壊すかな? って思って(笑)。いつも明るく元気でバカでエロなイノマーくんでいないといけないという無意味な責任感が強かった。ま、それは今でもあるんだけど。
ま、癌<ガン>だから。こればっかは。
で、その後、パニック障害は良くなるどころか更に酷くなってオイラを襲い続いた。ま、パニックは人それぞれなんだろうけど、オイラの場合は身体に出る症状だった。
ソラナックスというお薬を医者から処方され、それをお守りにポッケに入れて毎日を過ごした。指先の痺れが全身にまわり、酷いときは全身痙攣で立っていられなくなる。横になって、ひたすら時が経過するのを待った。
外出恐怖症。部屋に引きこもることになり、もちろん仕事もセーブ。外に出て、人に会うのが苦痛でしょうがなかった。
オイラはなぜかコンビニの床が苦手だった。コンビニに入って床が目に入ると頭がクラクラして倒れそうになる。だから、コンビニに入ることが出来なくなってしまった時期が3年くらい続いたんじゃないかな? コンビニに行けない、入れない人生って21世紀中年としてはしんどい。
このまま死んじゃうんじゃないだろうか? という恐怖のBIG WAVEがザブンザブンと押し寄せてくる。飲み込まれないよう、必死になってエロいことを考えた。いや、これマブ話。
最新RECのオナニーマシーン3人
オッパイは偉大だ
エロは病を救う。いや、これ本当だね。今日も実は癌センターに行ってたんだけど、手術前の口腔ケアっちゅーことで院内にある歯医者さんにかかったんだけど、担当医が女医さんでスゲー美人さんだったから歯石や歯垢の除去がハンパなく楽しかった。久しぶりに生きてて良かった、って思えた。
オッパイは無敵。うん、オッパイはスゴい。痛いはずなんだけど痛くなかった。夢だけど夢じゃなかったーーーー!(トトロ)。治療中、ちょっとだけオイラの身体にオッパイがあたったりするんだよね。気のせいかもしれないけど。それだけで幸せ。
17年ぶりくらいにフーゾクに行きたくなった。うん、それってオイラにとっては大きな、偉大なるチンポじゃない進歩だ。あんだけフーゾクに狂ってたオイラがピターーっとこの約20年足が遠ざかってたからね。
絶頂期には1日にフーゾクのハシゴ3軒とかしてた。シャワーがわりにイメクラ、お風呂がわりにソープという時期があった。
つーかさ、何でオイラは今、このタイミングでフーゾクに行こうと思わないんだろう? 行けばいいのに。行くべきだ。だって、手術失敗して死んじゃうかもしれないんだから。
今でしょ。
何の話だ?(笑)
やべ、なんかニッキンタマ(オイラのblog)みたいになってきた。本紙連載担当者には、『ニッキンタマとはテイストを変えますんで』って言ったのに。同じじゃねーか。ま、同じ人間だからね。しみませんずり。
アルコールの離脱症状からの脱出
ええと、時間がないや。パニック障害の話だ。いまだに治ってないッスーーーー。って、乱暴だな。お薬で散らしてると。ま、お薬があるならお薬に頼ればいい。余計なことを考えると、ロクなことにならない。
オイラはお薬(ソラナックス)を飲み続けるのが嫌で、かわりにお酒でトバすようにした。パニック障害の症状をアルコール漬けにして感覚を麻痺させることに。
その結果、確かにパニック障害はどこかに消えてしまっていた。つーか、そりゃそうだな。寝ている時間以外はお酒を飲み続けたんだから。朝起きてまず麦焼酎『二階堂』をグイっとストレートで一口。
起床後1分以内に二階堂。それから煙草を立て続けに4〜5本吸ってトイレに行き、1日が始まる。出かけるときには水筒2本に二階堂を入れて満タンにさせる。それをチューチュー吸いながら打ち合わせだったり、お仕事をこなす。手元に二階堂の入った水筒がないと不安でめまいや手足の痺れが……。
アルコール依存症の完全体。
身体が悲鳴をあげたのが2016年のこと。3回も救急車で運ばれることとなった。原因はアルコールの離脱症状。どうしてもお酒が飲めない時間が続き、アルコールが身体から少しでも抜けてくると起きる発作。
泡を吹いて痙攣を起こして気絶して倒れてしまう。意識不明。オイラは道で3度も倒れた。通行人が救急車を呼んでくれたおかげで助かった。どこのどなたかわかりませんが、その節はありがとさまでした。
とにかく、24時間、お酒を飲み続けていないとTPO関係なく倒れちゃうという重度のアルコール依存症。今から考えると狂ってた。自傷行為にも程がある。
これではまずいと家族、身内に“こころの病院”に連れて行かれ、2016年の12月からアルコールを断絶。お薬で一生飲めない身体に強制的に変えられた。その薬は1回でも飲むと、もう後には引き返すことができないアルコール断絶のお薬。世の中にはそういうお薬が存在したりする。
で、どうにかこうにかアルコール依存症から抜け出したと思ったら(話の展開が早い。これも話すといろいろあるんだけど……)、今年7月に口腔底癌が発覚。ふう。ようやく癌<ガン>の話に戻ってこれた。
そう、結局はパニック障害もアルコール依存症もお薬で曖昧にしてただけなんだよな、オイラは。自分の強い意志でというわけではない。だから、オイラが言いたいのは。あくまでも、オイラの個人的見解だけど、頼れるお薬があるなら頼っちゃえばいい、ってこと。
それはこの10年でオイラが出した結論かな。
ま、そこに癌<ガン>が乗ってくるとは思ってもみなかったけど(笑)。
処置ナシ。
説明されたのだけれどチンプンカンプン
最終的に癌<ガン>患者に
オイラが癌<ガン>になったと聞いて、みんな言ってくれるのが本を書いて出したほうがいい! と。ふうむ。癌<ガン>本ね。
「この際だから儲けた方がいいですよ。売れますから。ベストセラー狙いましょう!」って、そんな甘くねーだろ?(笑) ま、ぶっちゃけ出したいけど。癌<ガン>商法。癌<ガン>ビジネス。せっかく癌<ガン>になったんだからね。タダじゃ転ばない。ふふふ。
ま、だから、この連載がイノマー癌<ガン>記念、単行本の第1歩、キッカケにでもなれば、な〜んて都合の良いことを考えたりもしてるオイラ。棚からぼたもち。座右の銘。
もちろん、年末に控えてる20周年記念アルバムに向けてなんていう意味合いもあったりしつつ。ま、オイラ自身が、オイラ本体がもう広告塔みたいなもんだから。
Aflacって刺青でも入れちゃおうかな? チンポに。チンポじゃスポンサーになってもらえないか? いや、今のオイラだったらNG無いんで、何でもするよ。額にTENGAとか入れようか、本気で考えてるからね。右腕にSOFT ON DEMAND、左腕にLOFT RECORDSとかね。
もうこうなったら手術後は見た目、危険な男になるしか楽しみはない。だって、舌を3分の2をカットしちゃうんだからね。あ、これ最新ニュースね。舌半分カットってヤフーニュースにはなってけど、転移で半分じゃ済まなくなりましたーーーーー! イェイ。
歌えないどころか、まともに話せねーよ。リハビリでどうこうなる問題なのかしらん? いや、もう何も考えない。なるようにしかならない。
でも、ふと思ったんだよな。もしも、チンポ切るか舌を切るかの選択肢だったら、って。オイラ、カッコつけるわけじゃないけど、チンポを切ってたと思う。
この発言、オナニーマシーンのイノマーとしてどうなのかは疑問だけど……うん、やっぱり歌だけは奪われたくない。
癌<ガン>になってみてわかったこと。
オイラ、バンドマンだったんだな。
なんちゃって(笑)。嘘、ウソ、うそ。
すべての道はチンポから。チンポがいちばん大事でやんす。っちゅーことで連載がスタート。どんな内容になるのかは次回からハッキリするんじゃないかな?
築地のがん研究センターから愛とザーメンを込めて、ベッドの上からお送りする予定ッス。ま、生きてればね。
手術の性交じゃない、成功を祈っててくださいませませ。アフラック!
To be conndirome
欅坂に負けた……
●PROFILE:いのまー。大学を卒業してオリコンに入社。32歳で退社後に雑誌『STREET ROCK FILE』<宝島社>を創刊、性春パンクバンド“オナニーマシーン”をスタート。インディーズ、メジャーと渡り歩き現在に至る。