アメリカでのSXSW出演&レコーディングを終え、帰国直後からLIVE三昧の日々を過ごしている我々ザ・スターベムズですが、海外ではバーやパブでの演奏が当たり前だったので、足下にころがしモニターがあって、演奏の音量をバッチリ調節してもらえる日本のライブハウスの感覚に戻るのが大変だったりして……贅沢な環境でLIVEできる日々に感謝しつつ、ある意味、劣悪な? プリミティブな環境だからこそ鍛え上げられるアメリカンな音楽体質に憧れたりもしつつ。ゆえにマッチョなサウンドになりがちな米国にて、何とも奇妙な進化・発展を遂げて、遂にはロックンロールの殿堂入りしたトーキング・ヘッズを取り上げて、現代に生きる我々の参考にしてみたいと思います!
1974年に産声を上げた彼らは(続いていれば40周年!)、NYの美術学校の生徒たちによるバンドらしく初期から実験的精神に溢れ、パフォーマンスや演劇的な要素も含んでいたようです……日本だとそういうの鼻につく時もあるけど、伝説の聖地CBGBにてラモーンズの前座としてデビューしただけあって、ただのインテリ兄ちゃんとしてではなく、NY PUNXの一員としてエッジィな存在でした。
最初のヒット曲がR&Bの名シンガー、アル・グリーン『テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァー』のカヴァーだっただけあって、ヘッズは当初からブラック・ミュージックの影響を色濃く出していました。普通ならもっとベタなファンクとか、甘ったるい歌物に行くところを、彼らはVo.でリーダーのデヴィッド・バーンの甲高い声で叫んだりする鋭い歌唱法や、跳ねるリズム隊のおかげで、それまでのファンクROCKとは全然違うサウンドを獲得。隙間を重視したアレンジは、その後のクラブ・ミュージックや、現代のディスコPUNKにも多大な影響を与えており、いわゆるニュー・ウェーヴの先駆けとなったのです。
先鋭的なバンドの宿命ゆえか度々の活動停止を挟みながら91年に解散。デヴィッド・バーンがソロで取り組んだアンビエントや南米音楽へのアプローチも素晴らしいし、リズム隊夫妻によるトム・トム・クラブも最高だし、Gt.ジェリー・ハリソンはクラッシュ・テスト・ダミーズやノー・ダウトのプロデュースでヒットを飛ばすなど、個々でも本当に天才ミュージシャンたちだったゆえに、逆によく20年近く持ったなというのもありますが……そんなヘッズが2010年代に華麗なる復活を遂げたとしたら!
クラブっぽいアプローチは想定内だし、実際デヴィッド・バーンがフィーチャリングされたX-Press 2『Lazy』がヒットしたり、トム・トム・クラブはいまだにクラブでヘヴィロテされてるから……いっそカオティック・ハードコアってのはどう! 甲高いシャウトとポリリズム的な演奏で、まるでコンヴァージみたいになるハズ! NY PUNXとしてアティチュードもあるしね♪
ヒダカトオル
1968年6月5日、千葉県生まれのB型。働きながらインディー・デビューした元リーマン・ロッカー。
1997年BEAT CRUSADERS結成、2010年散開。BEAT CRUSADERSで活動中から数々の楽曲提供やプロデュースも行ない、木村カエラ、高橋瞳、メロン記念日ら女性陣のバックアップから、GOING UNDER GROUND、磯部正文等、男性アーティストのプロデュースを手掛ける。
2010年10月にはMONOBRIGHTと結婚(電撃加入)、2012年離婚(脱退)。2011年には“A.O.R”をテーマにヒダカトオルとフェッドミュージックを結成、2012年岩手のイベントで有終の美を飾る。
そして、2013年、新バンドTHE STARBEMSが始動!
http://www.thestarbems.com/
http://www.hidakatoru.com/