絵恋ちゃんの ああ えらそうに コラムが書きたい
集中力がありません。正直に言うと、人のお話を最初から最後まで集中して聞けたことがありません。
わたしは集中力を鍛えるために、時々アニメを観るようにしています。アニメは1話20分前後ですので、集中の練習に適しています。最近、大好きなアニメの『ザ・シンプソンズ』を久しぶりに観返していると、主人公のホーマーが、妻のマージの大事なお話を全然聞いていない、という場面がありました。わざと無視しているわけではなく、マージが「お願い聞いて」と必死に訴えても、ホーマーの頭の中ではお猿が騒がしくシンバルを鳴らしているので聞こえません。いつもの『シンプソンズ』らしい何気ないギャグシーンなのですが、妙に共感して心に残ってしまいました。わたしも日々ホーマー状態で、お友達が泣きながら悩みを打ち明けてくれた時も、スタッフの方々と集まってミーティングしてる時も、担任の先生が「一度しか言いません」と大事なお話を始めた時も、頭の中のお猿が元気に演奏するので、まったく何も入ってこないのです。
わたしは地下アイドルをやっていて、お歌を歌う活動がメインなのですが、じつは音楽も1曲集中して聴けたことがほとんどありません。「よし、新曲おぼえるぞ」と思って真面目に聴き始めても、Aメロが終わる頃にはもう聴いていません。調子が良い日はBメロまで聴けますが、サビまで集中力が持つことは滅多になく、気づいた時には次のトラックが再生されています。
ORANGE RANGEさんの『イケナイ太陽』という曲が好きなのですが、『イケナイ太陽』の良いところは、曲が始まって8小節、時間で言うと14秒ほどで「イケナイ太陽 ナーナーナーナナナーナナー」と歌が始まるところです。わたしの集中力でも安心して聴くことができます。ですが慣れとはこわいもので、味をしめて『イケナイ太陽』ばかり聴くようになると、14秒がとても長く苦痛に感じ、待てなくなってしまいました。そこで次に聴くようになったのが、同じORANGE RANGEさんの名曲『チャンピオーネ』です。『チャンピオーネ』は歌い出しまで4小節、『イケ太』の半分のわずか7秒で「ナーナナッナッナッナッナーナナ」がくるのです。そうなってくると、最終的にはインナー・サークルさんの『Games People Play』を聴くしかなくなります。『Games People Play』は誰もが一度は聴いたことがある有名なレゲエの曲ですが、なんと待ち時間なしでナナナを聴くことができる、ナナナ時短の点でも大変優れた究極の1曲なのです。
わたしはだんだん音楽が聴きたいのかナナナが聴きたいのかわからなくなり、このコラムでも何について書きたかったのかわからなくなってしまいました。頭の中のお猿がうるさいので集中できず、すみません。
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