コロナ禍以降、なんやかんやと月一ペースで誰かしらにインタビューしている。
PANICSMILEのメンバーにはGoogleのハングアウトで、ギターウルフのセイジさんにはZOOMでインタビューしたけど、それ以外の方々はどれもソーシャルディスタンスを保った従来の対面形式。
昨日、ユーロスペースのオフィスで行なった福永壮志氏(映画『アイヌモシㇼ』監督)へのインタビューも互いにマスク着用の対面で、配給会社の指定で時間もきっかり30分と厳密だった。換気対策もあるのだと思う。
『アイヌモシㇼ』の舞台は阿寒町のアイヌコタン。数年前に訪れたことがあるので、阿寒湖と雄阿寒岳の絶景や賑やかな民芸品店の通りが懐かしく映った。
阿寒に住むアイヌの血を引く実在の人たちが演技をするのが本作の肝であり特色だが、これがドキュメンタリー映画ではなく劇映画であることも大きなポイントだと思う。
劇映画でしか為し得ない、ある効果を取り入れることでアイヌ文化に反発していた主人公の少年の心に変化が訪れ、アイヌはもとより和人であるわれわれにも文化や世代の違いとそれに伴う価値観の違いをどう考えるかという問いかけが生まれるからだ。
アイヌを主題にしたこうした映像作品や書物に接するたび、日本人とは何なのか、また価値観の相違から生まれる差別意識について、あるいは他者に対して寛容であることの大切さを感じる。
互いを受け入れ、異なる価値観を受け入れるのは口で言うほど簡単なことじゃないし、自分だって気づけばふとしたことで誰かに対して差別意識を持っていることもある。受容に至るまでには最低限の学びも必要だし。
でもだからこそ多様性を認め合うことを肝に銘じたい。コロナ禍による分断の時代だからこそ余計に。