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トップレビュー美しく怒れ / 岡本太郎

美しく怒れ / 岡本太郎

2016.06.02   CULTURE | BOOK

KADOKAWA
800yen+tax

 テレビをつければ不条理な発言がやけに気になったり、自分にとって大切なことに対して訳知り顔の人が「そんなことは不毛だ」と声をかけてきたり、憤りの種は心の中で勝手に育ってしまう。できれば面倒な波風は立てず、こんな種はさっさと枯らせてうまいこと生きたい。だが、岡本太郎は言う「人生には、世渡りと、ほんとうに生きぬく道と二つあるはずだ」。Rooftopを手にとりこのレビュー欄まで読んでしまうあなたはきっと後者を選ぶだろうし、残念ながらわたしもそうだ。怒りとは、大義名分を振りかざして人を傷つけることではない。ましてや腹の虫の居所ではない。では何か? 最後まで一貫して語気が強い本書の中で綴られた印象的な一節、そこにヒントがある。「もしあなたがよく読み取れば、この憤りには強烈な愛が裏づけられていることに気がつくだろう」怒りとは、その憤りの根本を見つめることだ。分かりあいたいという愛だ。憎むのではなく、美しく怒れ。(Rooftop:成宮アイコ)

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