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トップレビュー自分の中に毒を持て / 岡本太郎

自分の中に毒を持て / 岡本太郎

2011.03.10   CULTURE | BOOK

青春出版社 / 490yen

 岡本太郎生誕100周年イヤーとなる今年、様々な記念イベントが開催される予定であるが、岡本太郎入門としてまずお勧めしたいのがこの一冊。そのタイトルからして既に攻められている感じにゾクゾクしながら、表紙の彼と目が合うことに決して臆することなくその世界観に一歩足を踏み入れたらば、これがもう何とも気持ちいい位にこれまで自分が抱いてきた観念だとか常識を悉く覆される。例えば開始一頁目から自分に忠実に生きていくことを否定される。人生とはよく言われる積み重ね、ではなくむしろ積み減らすことで過去の蓄積を捨てて自由になれると。確かにこうであるべき自分を守ろうとすればする程身動きがとれなくなって明確な判断ができなくなり、クレバーな生き方から程遠くなることがよくある。岡本太郎は社会に対しても、そして自分に対しても常にアンチであれ、闘え、と言う。これは現状に満足することなく、それを飛びこえていくこと、何事に対しても常に挑み続けていくことの大切さと恐ろしさを教えてくれる、自分が輝きそして爆発するために読んでおきたい一冊である。(Asagaya/Loft A 轟木愛美)

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