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トップレビューロックの闘い 1965−1985/サエキけんぞう

ロックの闘い 1965−1985/サエキけんぞう

2014.01.07   CULTURE | BOOK

シンコーミュージック / 1,890yen

 パール兄弟等でお馴染みのサエキけんぞう氏はミュージシャンのみならず音楽評論の分野でも鋭い批評、分析で知られている。2年前に上梓した『ロックとメディア社会』では、メディアの中でロックはどのように発展したのかを丁寧に解説したが、本作もまたロックの更新を“闘いの歴史”として解き明かす重厚な内容となっている。とはいえロックの名盤21枚をそれぞれ1章ずつまとめた文章はロック好きならスラスラと読めるだろう。取り上げられたアルバムは、1965年のボブ・ディラン『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』から1985年のプリンス『アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ』まで。この21年間を「ロックの成長期から成熟期」と捉え、その間ミュージシャンがどのような困難に直面しそれを打開してきたかを、時に仔細に、時に俯瞰して統合的に論じている。そこには多くの発見があるのは勿論、読後、それぞれのアルバムがより深く聴こえてくることは確実だ。(加藤梅造)

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