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非道に生きる/園子温

2012.11.06   CULTURE | BOOK

朝日出版社 / 987yen

 朝日出版のideainkという本シリーズに映画監督の園子温が登場。新書サイズの手軽な本だが中身はなかなか濃厚だ。それもそのはず、映画界の異端児、鬼才、破壊者などと呼ばれ、およそ普通の枠からははみ出さざるをえない園監督が、自伝的に自身の紆余曲折の人生を語っているのだからおもしろくないはずがない。前書きで「映画の外道、映画の非道を生き抜きたい」と語っているが、外道・非道といってもいわゆる悪人のそれではなく、常に人と違うこと、誰もまだやったことがないことを幼少の頃から追い続けているのが園子温の人生なのだ。だからここに書いてある園のやり方は全く参考にならない。「刻むべきだ。いつこの映画を作ったのかを。刻印すべきだ。自分がその刹那を生きて、この映画を作ったのだということを。」本書を読んだ人が「園子温をぶっ壊せ」と感じたらそれが園の唯一のメッセージなのだ。(加藤梅造)

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