Moon In Juneが、昨年4月に発売した2ndアルバム『色彩を持たないで』のリリースツアー『色彩を持たないツアー』のファイナルとなる、1stソロコンサート『モノクロ/カラー』を1月12日(月・祝)新宿LOFTで開催した。シューゲイズ~ドリームポップなどのインディーサウンドに加え、90年代J-POPのメジャー感やノスタルジー、そして様々な小説や映画からの影響が反映された楽曲とその世界観は、ジャンルやフィールドの枠を超えたオリジナリティとスケール感を持ち、今回のアルバムタイトル『色彩を持たないで』とは、自分たちの音楽をどう思うかはリスナーに委ねるということを本人たちが改めて打ち出したものだった。昨年5月からスタートした全国ツアーを回りながら、初の野外イベントや路上ライブ、また、miho(Vo/Gt)はミュージカルや短編映画に出演するなど、「色彩を持たない」ということを体現したような様々な活動を行ってきたこの一年間、そして2018年の結成からここまでの歩みの集大成ともいえる1stワンマン。mihoが幼少期から神様的な存在だというスピッツがかつて目標としていた憧れの新宿LOFTのステージに立つこの日に向けて、一年かけて準備してきた姿をドキュメンタリー風にまとめたオープニンムービーからライブはスタートした。
スクリーンが上がり青い照明が照らす中、一曲目「Slowdive」。タイトルの通りSlowdiveへのリスペクトが込められた幻想的なシューゲイズサウンドと、透明で低体温なボーカルが海中を伝播していくような、冷たくて美しい世界観に引き込まれる。この日はギターとコーラス&キーボードにサポートメンバーを複数迎えたスペシャル編成・二部制でのステージとなることがアナウンスされており、まずギターAtsushi(ユノハナ)と、コーラス&キーボードにsatomi(softsurf)が出演。マッドチェスターを意識したダンサブルなビート感の「Dance, Dance, Dance」、「足りないものがあっても大丈夫」「うまく笑えなくても伝わるよ」などの歌詞に勇気をもらう「エンドロールが終わっても」、そして「TRUE」ではsu(Gt)、Atsushiの美の狂騒、美の応酬とでもいうべきギターサウンドの美しさに圧倒された。
ここでコーラス&キーボードがUTEROに交代。疾走感のある「Head for München」、美しくダンサブルな「Echo Sound Syndrome」、映像的で浮遊感のある「Zero Gravity Journey」のギターにスピッツの「ロビンソン」を思い出していると、次曲ではスピッツ「日なたの窓に憧れて」のカバーを披露。この日ゲストDJとして参加し、mihoがバンドの在り方として目標としているHomecomingsの福富優樹もスピッツからの影響を公言しており、たくさんの‟憧れ”の中で彼女は今どんな気持ちで歌っているのだろうと想像した。
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15分間の休憩を挟み第二部がスタート。サポートギターにNozomi(nous)、コーラス&キーボードに波浮すわ(水槽とクレマチス)が登場し、「hikari」、「Summer Pop '97」、「ロマンと水色の街」など、キラキラしたノスタルジックなポップソングが続く。ワンマンに向けてのインタビューで、一部と二部それぞれにワンマンのタイトル『モノクロ/カラー』に絡めたテーマがあると話していたが、おそらく一部「モノクロ」、二部「カラー」に沿った選曲と、それぞれのタイプが活かされたサポートメンバーの振り分けなのだろう。そして、音源にもなっているスーパーカー「PLANET」のカバーを披露した。
コーラス&キーボードがmeiに交代し、「The Sky Crawlers」。森博嗣の小説『スカイ・クロラ』の世界観が浮かぶ、アクロバティックに飛行するようなギター、透明なボーカル、そして、kyai(Ba)、hiroya(Dr)のリズム隊2人のアグレッシブな演奏に歓声が上がった。小学生の頃からドラムを叩いているというhiroyaと、パンクをルーツにギタリストとしても活動するkyaiのリズム隊が強固だからこそ、Moon In Juneの曲は浮ついて聴こえないのだなと納得。二部のラスト「色彩を持たないで」まで、ほぼMCなしで駆け抜けた。
アンコールではsuが、「Homecomingsは昔からずっと聴いていました」と福富を紹介。さらに、Barフロアでリピート上映されていたメンバー出演の短編映画『キアがいた』や、これまでの写真やアートワーク、歌詞カードなどを展示したミュージアム、楽曲にちなんだオリジナルドリンク、ニューグッズなど、この日のために用意したスペシャルコンテンツをmihoが紹介した。
「自分たちだけでは実現出来なかったと思います。本当に今日来てくれてありがとうございます」と感謝を述べ、スローなバラードの新曲「ever since(仮)」を披露。「去年はあまり制作が出来なかったけど、今年はたくさん作ってリリース出来るように頑張ります(miho)」。そして、サポートメンバー全員がステージに登場し、ラストの「スイートリトルライズ」を演奏。新旧織り交ぜた全28曲、約3時間のフルボリュームで、‟1stソロコンサート『モノクロ/カラー』”というタイトルにふさわしい、華やかでカラフルなラストを飾った。
「色彩を持たない」ということは、飲み込む場面も増えるということ。しかし、それは何色にも染まらない自分たちだけの絶対領域に強い確信を持っている証拠でもあり、限定しない、決めつけないことで生まれる余白や自由度の高さが新しい色を生み出す面白さを彼女たちはすでに実感し始めているワクワクした気持ちと、スケールの大きな未来の姿が重なって見えた。[Text:小野妙子 / Photo:フジワラケイ(X・Instagram)]
Moon In June 1st Solo Concert「モノクロ/カラー」
〜色彩を持たないツアーファイナル〜
2026年1月12日(月・祝)新宿LOFT
【SET LIST】
第一部
opening movie
1.Slowdive
2. Dance,Dance,Dance
3. エンドロールが終わっても
4. 踊る魔物
5. Eurasia dead spark
6. 遥か
7. TRUE
8. Head for München
9. Robert
10. Echo Sound Syndrome
11. Zero Gravity Journey
12. 日なたの窓に憧れて(スピッツ cover)
13. 十二月の放課後
第二部
14. hikari
15. ミストラル
16. Summer Pop'97
17. ロマンと水色の街
18. エレクトリックシューズ
19. PLANET(スーパーカー cover)
20. The Sky Crawlers
21. 都会のアリス
22. Noise Reduction
23. Play!
24. Fuzzzy Motion
25. 色彩を持たないで
en1. ペーパー・ムーン
en2. ever since(仮)
en3. スイートリトルライズ














