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トップレポートtoddle × SAGOSAID × SACOYANS、世代を超えた3組のオルタナ・ロックバンドが下北沢SHELTERに集結し、90年代オルタナ・ムーブメントを追体験

toddle × SAGOSAID × SACOYANS、世代を超えた3組のオルタナ・ロックバンドが下北沢SHELTERに集結し、90年代オルタナ・ムーブメントを追体験

2024.07.05

7月1日(月)下北沢SHELTERで、2015年頃より開催されている、オルタナ、エモなど往年のSHELTERらしいバンドが出演するSHELTER企画イベント『POOL SIDE』が開催された。この日は、世代を超えた3組のオルタナ・ロックバンドが出演。福岡を拠点としながらもオルタナリスナーの間で人気を集めているSACOYANS、サウンド&ビジュアル共に90'sどストライクなSAGOSAID、そして、まさに90年代日本のオルタナシーンを牽引してきた田渕ひさ子率いるtoddle。海外のお客さんも多く、日本語、英語、中国語が飛び交う多国籍なフロアは満員だった。

SACOYANS

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トップバッターはSACOYANS。シューゲイザーや、重厚感のあるノイジーなオルタナサウンドと、SACOYANSの特色である、Gt&Vo.SACOYANのキュート&パンキッシュな独特のボーカルが、幻想的で美しいオリジナルのオルタナ空間を作り上げる。

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轟音とサビのシャウトが特徴的な「家」、カオティックでありながら浮遊感のある「だれでもしっかり見ているよ」、「偉大なお告げ」の音に埋もれていく感覚が非常に心地いい。MCでは、この日から発売開始となったカセット(ライブ会場で販売)の話になり、録音した場所が山だと思っていたが、地図を見たら谷だったことが判明し「でも、そこが山か谷かなんてその人の基準じゃないですか?」と深い一言。ラスト、「JK」のアウトロでは、SACOYANがかけていたメガネを外して、この日一番の重厚でノイジーな轟音をかき鳴らし、一番手ながらしっかりと存在感を見せつけた。

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SAGOSAID

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二番手はSAGOSAID。一曲目の「Stay soft,touch my skin」からグランジ直球なサウンドとキュートなボーカル、Gt&Vo.SAGOのダルそうな存在感のある立ち姿に「サイコウ!」と歓声が上がる。「Brainstop」などキャッチーな曲が続き、緩急の効いた新曲、クールな「In REIMEI」と、先のSACOYANSに引けをとらない重厚なサウンドを鳴らす。MCでは、SHELTERオリジナルグッズロンTのモデルを務めた話に。いわゆるY2Kファッションをいつもカッコよく着こなすSAGOのファンらしきオシャレな女の子たちの姿もフロアに目立つ。

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疾走感のある「Chinese Restaurant」、そしてラストの「Spend Many Years」では、まったりした前半から轟音アウトロへと展開していき、サポートメンバーの男性陣が演奏を続ける中、SAGOが先にステージから捌ける。キャッチーな曲の良さのためか、ワンマンを観た後のような満足感と余韻が残るいいステージだった。

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toddle

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そしてトリのtoddleは「eraser」からスタート。イントロからこの曲がもつポップなパワーと、後輩2組とは違った、キャリアを感じさせる個々の音が際立った音圧を放つステージに、瞬時にハッピーな空気に包まれる。轟音サウンドにGt&Vo.小林のやわらかいボーカルが乗る「thorn」、田渕、小林のツインボーカルが美しい「Branch in the Road」と、USインディー・ロック/ポップな心地よさにこのままずっと聴いていたいと思う。
 
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MCでは「この3組でツアーしたい」、「終わりたくない」、「もう一回最初からやる?」と、田渕、小林、Ba.江崎がSACOYANS、SAGOSAIDを称賛し、名残惜しそうにラストの「minimal」へ。メンバー、観客がジャンプして盛り上がり、本編が終了。

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アンコールでは、ニューヨークのインディーロック・バンド、+/-{PLUS/MINUS}のPatrick Ramosが登場。ギター&コーラスで「Disillusion」を一緒に演奏した。

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90年代のオルタナ・ムーブメントに憧れる世代と、シーンを作り上げてきた世代が入り混じって、出演者、観客ともに当時の空気感を追体験しているような空間がとても心地よく、オルタナ好きにはたまらない組み合わせのいいイベントだった。(Text:小野妙子 / Photo:Machida Chiaki

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