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トップレポートOBLIVION DUST、デビュー25周年ツアー初日ライブレポート! 最後の1曲まで全身全霊でフロアに対峙する、これぞOBLIVION DUSTの真骨頂!

OBLIVION DUST、デビュー25周年ツアー初日ライブレポート! 最後の1曲まで全身全霊でフロアに対峙する、これぞOBLIVION DUSTの真骨頂!

2022.11.22

今年1月にデビュー25周年のアニバーサリーイヤーに突入したOBLIVION DUSTが開催する全国ツアー〈25th Anniversary OBLIVION DUST “Plug In The Fuse”Winter Tour 2022 - 2023〉、その初日公演が11月20日、東京・AKABANE ReNY alphaにて行なわれた。
 
約10カ月ぶりのライブ、しかも実に6年ぶりのリリース(11月1日配信開始、11月30日CDリリース)となる新作ミニアルバム『Shadows』を引っ提げてのツアーとあって開演前の場内にひしめくオーディエンスの熱気はいつにも増して濃厚で、どれほどこの日を待ち侘びてきたのか、コロナ禍の感染予防対策のため着用が義務付けられたマスク越しでもありありと伝わってくるかのようだ。待望の新曲を生の音で全身に浴びる、ファンにとってこれ以上の幸福があるだろうか。それはバンドも同様のはずだ。
 

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緊張感をも微かに孕むジリジリとした空気はオープニングSEが鳴り渡るや、たちまち霧散した。容赦なく期待を煽るサウンドにフロアが次第に揺れ始め、熱い視線が注がれるステージにメンバーが姿を現した途端、興奮のヴォルテージが一気にはね上がる。これまた感染予防対策の一環として大声での発声や歓声は禁じられているが、それをカバーして有り余るほどの拍手の音量に圧倒されてしまったほど。マイクを手にシャープな眼光でオーディエンスをロックオンするKEN LLOYD(Vo.)、惚れ惚れとするその勇姿に、しかし、若干の違和感を覚えたファンも少なくなかったのではないだろうか。なぜならステージ衣装がこれまでと違う。2016年リリースの前作『DIRT』以降、ワイシャツにネクタイというスタイルを貫いてきた彼だが、この日は黒地に十字架モチーフの開襟シャツ姿だったのだ。新作『Shadows』リリースに伴ったニューモードを示唆するものなのか、はたまたただの気まぐれか。いずれにせよ、ほのかにラフ&ワイルドなニュアンスを纏わせた彼から匂い立つ大人の色気が尋常じゃない。クールにギターを構えるK.A.Z(G.)の端正な佇まい、“不敵”の2文字を見事に体現したRIKIJI(B.)の立ち姿に帯びるただならぬ予感。サポートを務めるYUJI(G.)とARIMATSU(Dr.)からも目に見えて気迫が立ちのぼる。そうしてそれらは次の刹那、巨大な音の塊と化し、凄まじい音圧とともにフロアに叩きつけられた。
 

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まだスタートしたばかりのツアーゆえ詳細を明かすことは控えたいが、やはり特筆すべきはこの日がライブ初披露となった新曲たちだろう。序盤早々に演奏された「Everyday Negative」の躍動的な煌めきは百戦錬磨の鉄板曲が居並ぶセットリストのなかでも抜きん出た存在感を発揮。ミラーボールが回ってオーディエンスの頭上に7色の光の粒を降らせる光景もこの曲の音像にしっくりと馴染んでおり、新たなキラーチューンの爆誕を確信させる。流麗なメロディラインで紡がれた『Shadows』唯一のミディアムバラード「Traces」に響かせたKENの情感豊かなヴォーカリゼーションは楽曲の美しい世界観をいっそう際立たせて聴く者の胸に甘く切ない痕跡(Traces)を残し、かと思えば今作でもっともキャッチーな「Glitch」の突き抜けたポップネスは音源で初めて聴いたとき以上のインパクトでフロアを凌駕。ステージに備え付けのLEDスクリーンを使用して演奏に映像を連動させた演出も目に新鮮だった「Searchlights」はその視覚的効果とスケール感溢れるバンドアンサンブル、さらにはKENがその歌声に宿らせたエモーショナルな深みと伸びやかさとが相乗し合い、えも言われぬカタルシスを会場にもたらした。また、2018年のツアーで披露されて以降、未音源化の新曲でありながらもはやライブの中核を担う重要な1曲として成長を遂げてきた「Satellite」も、もちろん今回演奏されたが、ついに『Shadows』という居場所を得たからだろうか、楽曲としての輪郭線がひときわ太く感じられたのが印象的だった。サビ終わりに繰り出される“Satellite Satellite”のファルセットを地声で歌ってみせるなどより自由なアレンジが加えられているのも楽しい。何よりこれらの新曲たちによって過去曲も軒並みブラッシュアップされ、ライブ全体も鮮やかな輝きを放ってその威力が何倍にも底上げされるのだから舌を巻かずにいられない。
 
緻密に構築されたEDMを縦糸、彼らのルーツを彷彿させる80年代の洋楽ロックサウンドを横糸に織り上げられた『Shadows』。どこか懐かしく、けれど圧倒的に新しい、唯一無二のそのサウンドはデビューから25年を経てもなお転がり続けるOBLIVION DUSTというバンドのアティテュードそのものだと思えてならない。一度は解散の道を選びながらも再結成、一時は活動休止となるが不死鳥のごとく活動を再開させてはライブツアーを中心に精力的に動き続けてきた彼らの執念にも似た音楽愛は、ゆえにこそマンネリズムを何よりも嫌う。OBLIVION DUSTにしか生み出せない最新のサウンドがあると信じているからこそ、紆余曲折も、辛酸も、丸ごと飲み込んでひたすらに突き進んでこられたのだろう。幾度となくライブで演奏されてきた曲は、しかしながら一回たりと同じ表情をしていたことがなく、常に“今”にチューニングを合わせた現在進行形の音として鳴らされてきた。それはこの日も例外でなく、そしてきっとツアーが進むにつれて新曲たちもますます進化する。今ツアーのセットリストはK.A.Zが考案・作成していると聞くが、おそらく今日と同じラインナップには二度とお目にかかれないだろう。『Shadows』をはじめ比較的最近の楽曲を軸として構成されたこの日のセットリストは、このところ満遍なく各時代を網羅した選曲が多かったぶん、とても新鮮に感じられたことを付記しておきたい。
 

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「(『Shadows』は)気に入ってもらえてる? 作るのに6年かかってるから、これで“いやぁ、ちょっと……”って言われちゃうのも寂しいですけど、僕は正直、好き嫌いのはっきり分かれるアルバムかなと思っていて。なので、みんなが僕たちから離れないでライブに来てくれるのがすごくありがたいです」
 
ライブ中盤のMCで率直な心情を明かしたKEN。後半戦に突入する際には「ツアーに出て、みんなの顔が拝見できて。やっぱりライブはいいですね」と素直に喜びを口にする。また、この日は、機材トラブルのため次の演奏までしばし時間が空いてしまうアクシデントもあったのだが、「これが7曲目だから」と空白時間そのものを楽曲だと即座にKENが冗談めかして言えば、RIKIJIも「タイトルは「Silent」だから」と乗っかって客席の笑いを誘うなど、いつになく朗らかにメンバー同士が掛け合う一幕も。彼らにとっても久々となるツアー、気迫に満ちたプレイとパフォーマンスでオーディエンスを魅了しながらも、折に触れ、楽しくてたまらないといった素の表情が垣間見られるのもまた実によかった。
 
「6年もかかってしまってすみませんでした。新作を出すのにこれだけ時間がかかっていたら見捨てられても当然じゃないかと思うんですけど……寒いなか、しかも世の中がまだ安定してない状況のなか、来てくれて本当にありがとう」
 
改めてKENがそう告げると、感謝は音で返すとばかりに轟音が迸る。最後の1曲まで全身全霊でフロアに対峙する、これぞOBLIVION DUSTの真骨頂だ。どこまでも挑発的に屈強なアンサンブルで畳み掛け、狂騒を煽るだけ煽って、まるで断ち落とすかのようにツアー初日の幕は閉じた。
 

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なお、今ツアーは年をまたいで2023年1月21日の東京・Zepp Haneda(TOKYO)まで続く。初日公演では唯一披露されなかった『Shadows』からの1曲、「Lust & Graffiti」もおそらく演奏されるに違いない。ツアーを通じて新曲たちはいかなる変貌を遂げるのか。ライブのさらなる進化も含め、見逃す手はないだろう。(Text:本間夕子 / Photo:石川浩章)

商品情報

Mini Album『Shadows』

2022年11月1日(火)配信開始
2022年11月30日(水)CDリリース

【初回限定盤】(撮り下ろしフォトブックレット付)
SMC-1024 / ¥2,800(税込)
【通常盤】
SMC-1025 / ¥2,200(税込)

【収録曲】
1. Everyday Negative
2. Glitch
3. Satellite
4. Lust & Graffiti
5. Searchlights
6. Traces

Live Info.

25th Anniversary OBLIVION DUST “Plug In The Fuse” Winter Tour 2022 - 2023

【公演日程】
2022年11月27日(日)仙台darwin
OPEN 18:00 / START 18:30
 
2022年12月3日(土)福岡 DRUM Be-1
OPEN 18:00 / START 18:30
 
2022年12月10日(土)名古屋 ダイアモンドホール
OPEN 17:15 / START 18:00
 
2022年12月18日(日)大阪 BIGCAT
OPEN 17:15 / START 18:00
 
2023年1月21日(土)東京 Zepp Haneda(TOKYO)
OPEN 17:15 / START 18:00
 
【席種 / チケット価格(税込)】
◉11月27日(日)仙台、12月3日(土)福岡
スタンディング ¥7,800(整理番号有 / ドリンク代別途必要)
 
◉12月10日(土)名古屋、12月18日(日)大阪、1月21日(土)東京
指定席 ¥7,800(ドリンク代別途必要)
 
【プレイガイド】
ローソンチケット:https://l-tike.com/obliviondust/

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