
安倍晋三元首相銃撃犯を描いた問題作『REVOLUTION+1』の記憶も新しい、足立正生監督の最新作『逃走』が今週末の3月15日(土)よりユーロスペースほか全国の劇場で順次公開となる。

本作で語られるのは、半世紀に及ぶ逃亡の末に末期がんで孤独に亡くなった、東アジア反日武装戦線「さそり」の元メンバー・桐島聡だ。

▲画像をクリックすると拡大します
公開を迎えるにあたり、幅広いジャンルの著名人からコメントが寄せられた。
またこのたび、公開を記念して、出演者と監督による舞台挨拶が行なわれる。
コメント一覧

※順不同 ※敬称略
駅、交番、掲示板・・・21世紀になってもなお街角で必ず見かけ続けた桐島聡の面影。彼がどんな風な生活逃亡を続けたのか? 誰もが一度は想いをめぐらしたのではないだろうか? その期待に応える内容。知られざる新左翼のミーティング・シーンなど、70年代を知る者には既知感にあふれた再現ぶりだ。男なら一度は考えるだろう「何者でもないように身を隠す逃走生活」に浸る後半は、運動家に転生したような気分になる、真摯に描かれた作品だ。
──サエキけんぞう(作詞家・アーティスト)
物心ついた頃から桐島聡の笑顔が日本中に張り巡らされていた。かすれたポスターの彼の笑った顔はもはや風景の一部だった。彼が本名を名乗って死に、ポスターもなくなった。彼は何を思い、何を感じて生きていたのか? 深い慈悲を感じさせるこの映画はそんな想像を掻き立ててくれた。
──空音央(映画監督)

人は誰でも15分間スターになれると言ったのはアンディ・ウォーホルだが、
桐島聡は半世紀に及んで誰もが知る顏であり続けた。
あなたの隣にもいるかもしれない長髪、メガネのその男は、
時代に強烈な印象を残したまま世を去り、今、映画になったのだ。
本人としての人生と偽りの人生……指名手配犯は二度死ぬ。
──松永天馬(アーバンギャルド╱松永天馬のA研!)
コスパやタイパと言われる今、過剰な自己愛に矮小化された世界に、桐島聡は爆弾を懐に、逃走していた。繰り返される自己との対話、格闘は、決して自己愛ではない。即、この世界と繋がっている。映画は外へ、外へと向かうべきなのだ。内田洋が桐島聡と名乗ったとき、爆弾は爆発した。爆煙去った後、見えてきたのは、足立正生だった。未だ、現役の革命家として。必見!
──大森立嗣(映画監督)

「あなたにこの半世紀の日本はどのように見えていましたか?」それを彼には聞きたかった。青春の、そして革命の代償をたった一人で背負った桐島聡。足立監督にしか作れなかった映画に、ただただ圧倒されている。
──雨宮処凛(作家・反貧困活動家)
人は狂う。「正義」に熱く狂う。時代、宗教、思想により常に移りゆく不確かなものである事を知りながらも。そこには命を賭けるだけのロマンがあるのだろう。桐島氏は理想に夢に一途に生きられたのだろうか? 激しい葛藤の嵐の中にあっても自分の正義を信じ抜けたのだろうか? 彼もまた正義の被害者だったのではないか? 「幸福」を求める闘争の結果、誰も幸福になっていない結末に人は何を思うのか?
──増子直純(怒髪天/ミュージシャン)

革命と宿命と闘争と逃走だ。
死に際に吐いた毒がナイスだ。
運命より革命のほうが好きだ。
個としての革命こそ美しいと思った。
近隣で催されてたパンクフライヤー展へ行くと若かりし自分写を発見した。
自分の指名手配ポスターを見る桐島の気分になった。
新宿ロフトのフロアでナンパしたくなった。
オレ革命は続く。
──宙也(ロック歌手)
昭和の時代に監督デビューしてパレスチナゲリラを映画化した後、日本赤軍を創立し国際指名手配されアラブに逃走していた85歳の監督が、昭和の時代に連続爆破テロで指名手配され、れいわの時代まで逃走し、死去によってと逃走と闘争を終えた指名手配犯・桐島聡の逃走を撮る。
この必然的な物語をも事件であり映画である。
かつて映画こそゲリラ戦であった——。
人に思想あり、人に歴史あり、映画に歴史あり、役者に履歴あり。この映画に関わる役者&スタッフの罪状は前科に相応しい。それは映画史的には後進に志を継ぐ「誇らしき前科」と呼びたい。
──水道橋博士(タレント)
映画『逃走』公開記念舞台挨拶 詳細

日時:3月15日(土)10:15回上映終了後
会場:池袋シネマ・ロサ
登壇者:古舘寛治、杉田雷麟、足立正生監督
日時:3月15日(土)①12:15回上映終了後 ②14:50回上映前
会場:ユーロスペース
登壇者:古舘寛治、杉田雷麟、足立正生監督
映画『逃走』トークイベント 詳細

日時:3月16日(日)10:00回上映終了後
会場:ユーロスペース
登壇者:タモト清嵐、足立正生監督
日時:3月16日(日)14:30回上映終了後
会場:横浜シネマリン
登壇者:タモト清嵐、足立正生監督
日時:3月17日(月)12:20回上映終了後
会場:ユーロスペース
登壇者:足立正生監督、山崎裕(本作撮影監督)
日時:3月20日(祝・木)12:20回上映終了後
会場:ユーロスペース
登壇者:中村映里子、足立正生監督
※今後も舞台挨拶は追加予定
商品情報

映画『逃走』
監督・脚本:足立正生
出演:古舘寛治
杉田雷麟 タモト清嵐 吉岡睦雄 松浦祐也 川瀬陽太 足立智充 中村映里子
遊屋慎太郎 小橋川建 神嶋里花 永瀬未留 さいとうなり 伊島空 東龍之介 神田 青
瓜生和成 宮部純子 大川裕明 小水たいが 浦山佳樹 枝元萌 木村知貴
内田周作 佐藤五郎 岩瀬亮 輝 有子 信太昌之 大谷亮介
企画:足立組
エグゼクティブプロデューサー:平野悠 統括プロデュ―サー:小林三四郎
アソシエイトプロデュ―サー:加藤梅造 ラインプロデューサー:藤原恵美子
音楽:大友良英 撮影監督:山崎裕 録音:大竹修二 美術:黒川通利 スタイリスト:網野正和
ヘアメイク:清水美穂 制作:渡辺美穂 編集:蛭田智子 助監督:鎌田義孝 山嵜晋平 スチール:西垣内牧子
題字:赤松陽構造 キャスティング:新井康太 企画協力:寺脇研 宣伝デザイン:100KG
字幕制作:スタンスカンパニー 英語字幕:桜本有三 挿入曲:「DANCING古事記」(山下洋輔トリオ)
【2025年|日本|DCP|5.1ch|114分】(英題:ESCAPE)©「逃走」制作プロジェクト2025
配給・制作:太秦 製作:LOFT CINEMA 太秦 足立組
映倫区分:G 宣材番号:124829
©「逃走」制作プロジェクト2025
2025年3月15日(土)よりユーロスペースほか全国の劇場で順次公開
【STORY】
社会運動が高揚していた1970年代の日本、新左翼過激派集団「東アジア反日武装戦線“さそり”」のメンバーであった桐島聡。若き桐島は重要指名手配犯とされ、いつ逮捕されるかわからない緊張感の中、逃亡を続けていた。生活を繋ぐため日雇い仕事を転々とし、数十年前からは「内田洋」という偽名を使い、神奈川県藤沢市内の工務店で住み込みの仕事に就くようになる。1960〜1970年代のブルースやロックを好み、月に一度、音楽好きが集まる藤沢市内のライブバーに足を運んでいた。趣味を楽しむ一面があったものの、かつての仲間たちの存在が常に脳裏に影を落としていた。メンバーの獄中闘争、超法規措置により国外に出る仲間たち、自ら命を絶った者──。桐島はそうした仲間たちの姿を思い浮かべながら、日本社会の欺瞞や凋落を孤独に見つめ続けていた。2024年、70歳となった桐島は末期がんと診断され、病院のベッドで生死の狭間を彷徨う。薄れる意識の中で浮かんでくるのは、東アジア反日武装戦線としての活動、仲間と逃亡を続けていた当時の記憶。彼が生涯を賭けて追い求めたものは何だったのか。半世紀にわたる逃亡生活の果てに、彼は何を得ようとしたのか。死の間際に「私は桐島聡です」と名乗り出て何を表現しようとしたのか。足立正生監督が自らの半生と重ね合わせながら、桐島の苦悩と決意を描き出す。
関連リンク