3月18日(土)より神戸・元町映画館にて先行公開、3月25日(土)より渋谷・ユーロスペースにて公開される『自分革命映画闘争』の監督、石井岳龍の貴重な過去作を一挙上映する『特集上映 石井聰亙解体新書』が両館にて開催されることが決定した。
全編にみなぎる圧倒的な熱量とアクションで自主映画の概念を塗り替えた8mm 映画『高校大パニック』(1976年)からキャリアをスタートした石井岳龍(旧名:石井聰亙)は、日本映画史に燦然と輝き続ける『狂い咲きサンダーロード』(1978年)を弱冠22歳で生み出し、圧倒的な支持を受け、今なお新しいファンを生み続けている。
1980〜90年代にかけてさまざまな体制での映画制作・多種多様な才能とのコラボレーションを経て、石井聰亙 名義最後の監督作品となった『鏡心』(2005年)では、当時の映画制作のデジタル化を武器に、製作・監督・脚本・撮影・編集を一手に引き受ける自主映画の時代に回帰したような体制で、ひとりの女優の心理に繊細な音響と映像で迫る新境地に至った。
『特集上映 石井聰亙解体新書』では、石井聰亙時代の映画を、石井岳龍自身による分類《ROCK》《INNNER》 《HYPER》《8mm 考古学》に分類・解体、10作品を厳選し(神戸・元町映画館では5作品)上映。配信やソフトなどでもなかなか観ることのできない貴重な作品群をぜひスクリーンでご堪能いただきたい。
また『自分革命映画闘争』では、公開の成功と拡大の支援をお願いするクラウドファンディングもスタート。石井監督本人が指揮をとり、今回の支援いただいた方々を「自分革命隊(じぶんかくめいたい!)」と呼ばせていただくと共に、こだわりにこだわりぬいたリターンを用意している。特別先行試写上映会優先招待もあり。石井映画に過去撃ち抜かれたことのある人はぜひとも支援すると共に、いち早く『自分革命映画闘争』の世界を体感していただきたい。
クラウドファンディングサイトは以下の通り。【プロジェクト締切:3月10日】
Live Info.
特集上映 石井聰亙解体新書
2023年3月18日(土)〜3月24日(金)神戸・元町映画館(兵庫県神戸市中央区元町通4丁目1−12)
2023年3月25日(土)〜4月7日(金)渋谷・ユーロスペース(東京都渋谷区円山町1−5 Kinohaus 3F)
配給:ブライトホース・フィルム、杉原永純
協力:ユーロスペース、元町映画館、トランスフォーマー、PFF(ぴあフィルム フェスティバル)、WOWOW、ツインズジャパン、Softgarage
上映作品[石井聰亙監督作 10作品]
【ROCK】
『狂い咲きサンダーロード』
当時22歳、大学の卒業制作ながら世代を超えて熱狂的なファンに愛される爆走Rock映画! オリジナルネガから2016年に修復されたリマスター版でスクリーンに復活!
1980 / 98分 / DCP上映 上映協力:トランスフォーマー
脚本:石井聰亙、平柳益実、秋田光彦 音楽:泉谷しげる、パンタ&ハル、THE MODS
出演:山田辰夫、小林稔侍 ほか
©ISHII SOGO ALL RIGHTS RESERVED
『シャッフル』
女を殺したチンピラと、追う刑事。全編にわたりひたすら全力疾走を続ける2人の想いと、徐々に“シャッフル”されていく過去の記憶。息詰まるほどの疾走感!
1981 / 35分 / 35ミリフィルム上映
原作:大友克洋(「RUN」) 脚本:石井聰亙 撮影:笠松則通 音楽:ヒカシュー、バチラス・アーミー
出演:中島陽典、森達也、室井滋 ほか
©ISHII GAKURYU
『1/2 MENSCH /半分人間』
石井聰亙 VS ノイバウテン!!! アインシュチュルツェンデ・ノイバウテンが1985年に来日した際の廃工場ライヴを撮影した伝説的爆音ノイズ映画!
1986 / 48分 / デジタル上映
脚本:石井聰亙、中島吾郎、長嶌史明 撮影:伊藤昭裕 美術:種田陽平
『ELECTRIC DRAGON 80000V』
自身の破壊衝動を大音量のエレキギター演奏によって抑えこむ竜眼寺盛尊と、電気を駆使 して悪を成敗する雷電仏蔵が対決する超越型娯楽映画!!!
2001 / 55分 / 35ミリフィルム上映 提供:WOWOW
脚本:石井聰亙 撮影:笠松則通 音楽:小野川浩幸、MACH1.67
出演:浅野忠信、永瀬正敏
©2001 WOWOW/Odessa Entertainment/Hakuhodo DY Music & Picture
【HYPER】
『THE MASTER OF SHIATSU 指圧王者』
優雅でエキセントリックな空間の中で施される指圧はやがて都市をもうねらせていく…。幻覚的に変貌してゆく都市と精神世界を夢幻的に表現した短編。
1989 / 13分 / 35ミリフィルム上映
脚本:中沢新一 撮影:篠田昇 音楽:DOUSER
出演:浪越徳治郎、アナ・ホール
©ISHII GAKURYU
『鏡心・3D サウンド完全版』
透明感溢れる映像、圧倒的迫力の3Dサウンドによって一人の女優の心理に深く潜っていき、主人公と一体化したかのような異次元の世界へと誘う。DCP初上映。
2005 / 61分 / DCP上映
製作・脚本・撮影・編集:石井聰亙 音楽:小野川浩幸
出演:市川実和子、町田康、猪俣ユキ、渋川清彦
©ISHII GAKURYU
【INNER】
『エンジェル・ダスト』
謎の連続殺人事件の捜査線上に浮かんだのは新興宗教に走った人間を救い出す逆洗脳士の阿久。事件を追う犯罪分析官・節子はかつて阿久と恋仲だった…世紀末へ突っ走る人間たちのサイキック・ラブストーリー!
1994 / 116分 / 35ミリフィルム上映 提供:ツインズジャパン
脚本:生田萬、石井聰亙 撮影:笠松則通 音楽:長嶌寛幸
出演:南果歩、若松武、豊川悦司、近藤等則 ほか
©1993 TWINS JAPAN inc.
『ユメノ銀河』
モノクロームの映像が途轍もなく美しい幻想譚。乗合バスの女車掌に就いたトミ子は、女車掌の間に流れるある運転手の噂を耳にする。転々とバス会社を変えるその男と組んだ車掌は、必ず謎の死を遂げているというのだ…
1997 / 90分 / 35ミリフィルム上映 提供:Softgarage
原作:夢野久作(「少女地獄・殺人リレー」) 脚色:石井聰亙 撮影:笠松則通 音楽:小野川浩幸
出演:小嶺麗奈、浅野忠信、京野ことみ ほか
©1997 Softgarage
【8mm 考古学】
『高校大パニック』
大学入学後の夏休み、石井監督が郷里の福岡で撮影し、自主映画の概念を塗り替えた衝撃作。受験戦争と管理教育に抑圧された高校生が、猟銃を手に学校を襲撃する。
1976 / 17分 / デジタル上映
脚本:石井聰亙 制作:大屋龍二
出演:梅津正信、中村ジョー、テアトル・博多、福岡高校27回卒業生有志
©ISHII GAKURYU
『1/880000 の孤独』
東京の片隅で予備校に通う三浪生。鬱々と日常生活を送る彼に、暴発の瞬間は突然やってくる。現在北米上映中の2KDCP版での上映。
1977 / 45分 / DCP上映 上映協力:ぴあフィルムフェスティバル(PFF)
脚本:石井聰亙 撮影:井上敏夫、伊藤洋介
出演:入戸野誠、山崎いずみ
©ISHII GAKURYU
※元町映画館では、上記より5作品『狂い咲きサンダーロード』『シャッフル』『THE MASTER OF SHIATSU 指圧王者』『鏡心・3D サウンド完全版』『高校大パニック』の上映となります。