脳科学者・中野信子と独身研究家・荒川和久の共著『「一人で生きる」が当たり前になる社会』が12月18日にディスカヴァー・トゥエンティワンから刊行された。
これからの日本は「一人で生きる」ことが当たり前の社会になる、という予測をテーマに据えて、独身研究の第一人者・荒川和久と気鋭の脳科学者・中野信子という異色の顔合わせによる対談が実現。
「ソロ社会化する日本の現在・未来」「ソロ・既婚者の幸せ観の違い」「恋愛強者・弱者の生存戦略」から、「『自分』という人間の多様性」「孤独との向き合い方」「withコロナ時代の生き方」にいたるまで、統計データを交えながら縦横無尽に論を展開していく、注目の一冊だ。
本書の前半では、独身者（ソロ）と既婚者のそれぞれの生き方や幸せ、「孤独」という「個人」にまつわることについて、統計データを交えながら縦横無尽に論じる。
【注目のトピック】
◉300万人の日本人男性は、結婚相手が見つからない!?
◉一人でいたい人は4割、他者と一緒にいたい人は6割
◉ソロ女は、徹底的に「愛よりお金」
◉「いつかは結婚できるはず」──ソロ男はロマンティスト
◉ソロの男女は、40代で「不幸度マックス」を迎えている!?
◉ソロ男・ソロ女は、「有能な自分」しか肯定できない
◉30年前から変わらない「恋愛強者3割の法則」
◉結局、女性の容姿と男性の経済力はトレードオフなのか？
◉「ひとり飯」はかわいそうなのか？
◉夫婦仲をSNSでアピールする夫婦は離婚寸前？
後半では、視点を少しずつ「個人」から「社会全体」へシフトさせ、「ソロと集団」、「多様性と個性」といった社会的なテーマを扱っている。
「ステレオタイプ脅威の呪い」、「集団への帰属欲求と個人」、「実は同調圧力が高いアメリカ」、「わかりやすさ至上主義」、「誹謗中傷とシャーデンフロイデ」など、鋭い視点から現代社会を分析していて読み応えがある。
さらに終章では、新型コロナによって浮かび上がった「生き方」をめぐる議論についても言及。「コロナ離婚」の増加が意味するものから、フルリモートの未来が来ない理由まで、これからの「生き方」についての考察は必読だ。
「ソロ社会」は決して「絶望の未来」ではなく、20年後の新たな社会のあり方に希望を見出すことのできる一冊と言えるだろう。
【著者プロフィール】
荒川和久（あらかわ かずひさ）
独身研究家／マーケティングディレクター。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。韓国、台湾などでも翻訳本が出版されるなど、海外からも注目を集めている。著書に『結婚しない男たち―増え続ける未婚男性「ソロ男」のリアル』（ディスカヴァー携書）、『結婚滅亡』（あさ出版）、『ソロエコノミーの襲来』（ワニブックスPLUS新書）、『超ソロ社会―「独身大国・日本」の衝撃』（PHP新書）など。
中野信子（なかの のぶこ）
1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピン（高磁場MRI研究センター）に勤務後、帰国。現在、東日本国際大学教授。著書に『ペルソナ』（講談社現代新書）、『サイコパス』（文春新書）、『キレる！』（小学館新書）、『悪の脳科学』（集英社新書）、『空気を読む脳』（講談社＋α新書）ほか。テレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。
商品情報
「一人で生きる」が当たり前になる社会
発売日：2020年12月18日
刊行：ディスカヴァー・トゥエンティワン
仕様：新書・並製／280ページ
ISBN：978-4-7993-2706-7
本体価格：1,000円（税抜）
【目次】
第1章 「ソロ社会」化する日本
第2章 孤独とは悪いことなのか？
第3章 ソロの幸せ、 既婚者の幸せ
第4章 恋愛強者と恋愛弱者の生存戦略
第5章 ソロ化と集団化の境界線
第6章 自分とは何か── 一人の人間の多様性
第7章 世の中を動かす「感情主義」のメカニズム
終章 「withコロナ時代」の生き方を考える
