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【ライブレポート】向こう側の世界を見せてくれる六畳人間の鬼気迫るパフォーマンス

2011.11.11

六畳人間企画『if 6 was 9』vol.8
2011年11月6日(日)U.F.O CLUB
文:石川 愛(web Rooftop)
写真:福岡正宏

_MG_1517.jpgごちゃごちゃにまざって、灰色になる直前の、
とても綺麗な色水の中にいるような気持ちだった。

U.F.O CLUBのフロアに立つ。床を見つめる。
私は十余年、このライブハウスに通っている。
ここは変わらず、なぜか常に新鮮で、
安堵感と新鮮さを同時に味わえる、いい場所だ。
いきなり余談ですが、つい最近、坂本慎太郎氏の手によって、
壁のデザインが数ヵ所新しくなったそうです。
お手洗いの壁がかわいいのも要チェック。

ライブの途中、デジャヴに似た「懐かしさ」を感じる時がある。
その時聴いた曲や声、長く人々に愛され、慕われ、演奏され続けてきた名曲だったり、単純に「聴いたことがあるフレーズ」、「好きな言葉」だったりは人それぞれだろう。
割礼は、音や言葉の並びが、心地よい。

彼らはあっという間に、日常の中に非日常をつくりだす。
思い出をほじくり返す。
心の隙間を埋めて、小学生の頃のどうしようもない切ない記憶を呼び起こす。

「どん、った、どどん、った」

大きな音なのに、耳よりも、脳で、気持ちで、心で、ぴったりハマる。
フィルムは物理的に色褪せる時があるが、
気持ちや匂いを閉じ込めた音楽はいつまでもいつまでも新鮮に響くものだ。
大袈裟に言えば、母の胎内にて聴きし心音に似て、だからでしょう、懐かしくて、自然に身体が楽になる。
目を瞑って聴き入った。
ゆっくりと終演、個々の思い思いの拍手が湧いた。

「六畳人間に誘ってもらって、今日はソー、ナイス。割礼でした」

告知は最後に的確に。
次の割礼ライブは1月14日に高円寺ハイで行われるそうです。

暗転。

六畳人間。
ハートを鷲掴みにしてモミモミするバンド、
身体ごとかっさらって空っぽにさせてくれるバンドなど、
ライブに何を求めているか、それこそ人それぞれだろう。

_MG_1463.jpg彼らのライブは悪く言えば「頑固」だが、良く言えば「芯が強い」。
その場の雰囲気に一番適した音づくり、トーン、笑顔、合図。
全てが「完璧」なのである。
それがとてもとても人間くさいからステキでたまらない。
ライブの都度、違う「完璧」を見せてくれる。
徹底度合いがとんでもない。
タカオ(g, vo)は、失礼な言い方かもしれないが、一種の変態だ。
新人類の音楽人間で、目を瞑ればきっと違う世界に一瞬で飛び込む能力を持っているし、私みたいな平々凡々な人間にも時々その世界をチラリと見せてくれる、鬼気迫る笑顔の妖精さんだ。
彼の人となりを知らずにそこまで書くなんて! とお思いの方がいらしたら、それはまったくの誤解なので弁明させていただきたい。
曲も格好いいし、歌詞も最高。
ステージから降りた彼など、
「え、本当にさっきステージで狂ったようにギター弾いて歌ってた方ですか?」と問いたくなるほど物腰柔らか。
笑顔が素敵で、言葉遣いも丁寧。
もし自分に可愛い娘がいたら、嫁がせたくなるほどの好青年である。

_MG_1683.jpg杉原(b)も同様、その風貌や、どデカいベースの音だけに惑わされてはいけない。
愛猫に「団子」と名付け可愛がり、毎年家族写真を撮るそうな。
ケーキを焼くのが上手い、変態という名の紳士である。
ていうか見た目がもう、ベース仙人の粋に達しておるぞなもし。

この日のライブはまだ指折り数えて3回目、というドラムのタバタ氏。
そもそも彼は“ふつうのしあわせ”のドラマーであるが、
「やるならとことん」というタイプなのか、最初のセッションでいい感触だったらしく、
そのまま正式加入となったそうだ。

彼らの新譜『2060』は、とてもいい。
当サイトにもCDレコメンドを書かせてもらっています。
是非そちらもご覧になっていただいて、
CDを聴いて、なんとなく覚えて、
そしてあわよくば、ライブ会場でお会いしましょう。

…来年1月に都内某ライブハウスにて、某日本人ガレージメタルバンドの自主企画に、
ゲストとして出るとかなんとか…ムニャムニャ…もう食べられないよ…。
では、お待ちしております。


-----六畳人間 play list-----
#01: ようせいさん
#02: 退行の星
#03: クジャクの森
#04: 0人間
#05: タイムマシン
#06: すえっこの逆襲
#07: ダンスホール・ダンスナンバー
#08: ぼくのうずまき
#09: お花ちゃん

商品情報

2060

GURU GURU RECORD GGR-0002/2,100円(税込)/発売中

amazon

1. 4次元ボーイ
2. ようせいさん
3. サーフソング
4. 0人間
5. にらめっこ
6. クジャクの森
7. ぼくのうずまき
8. すえっこの逆襲
9. 空白と手をつなごう

Live Info.

Beat Happening!VOL.661』
12月8日(木)渋谷LUSH
w / sisi / URBUNフェチ / マリリンモンローズ / Sentimental Toy Palettte(大阪)
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV ¥2000 / DOOR ¥2300 (+1d)
*本公演は高校生以下のお客様は1000円引きでご入場頂けます。必ず顔の分かる学生証をお持ち下さい。なお、プレイガイドで御購入の方は500円引きとなります。

『続・爆Z奇怪ナイト』
12月19日(月)東高円寺U.F.O. CLUB
w/ 三上寛 / 我、S情にてメシ! / 亀田コーギー2011X (中村キララ:オシリペンペンズ) / 倫敦水槽
DJ:中原昌也 (Hair Stylistics)
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV ¥2000 / DOOR ¥2500 (+1d)

ヤマシュン・百合・沙樹・安齋(CUSTOM NOISE)presents『Borderless』
12月22日(木)下北沢CLUB251
*オールナイトイベント
w/ ちくわテイスティング協会 / thatta / mothercoat / ホッタモモ / AFRICAEMO (mobileset) / viridian(名古屋)※アコースティックセット / Liaroid Cinema(大阪) / memento森(神戸) / more...
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV ¥2500 / DOOR ¥2800 (+1d)

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