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INTERVIEW

トップインタビュー山岡トモタケ(FLAMYNGS)×ドイヒロト(セプテンバーミー)×平田英治(NIIGATA MUSIC LABORATORY)×樋口寛子(新宿LOFT)- 音楽を通じて災害復興支援を行ない、共に支え合う新たな社会の在り方を創造するイベント『LOFT HOPE JAM MARKET』の第2回目が開催

音楽を通じて災害復興支援を行ない、共に支え合う新たな社会の在り方を創造するイベント『LOFT HOPE JAM MARKET』の第2回目が開催

2026.04.11

『LOFT HOPE JAM MARKET』は2024年の能登半島地震および同年の豪雨被害への支援を目的に、"共に支え合う新たな社会のあり方を創造し、未来への一歩へを踏み出すプラットフォームとして音楽空間を提供する"イベント。昨年のちょうど今頃に開催された第1回目を通して、会場にお越しくださった皆さまからお預かりしたお気持ち・合計4万7000円の支援金をお送りできたこともここでご報告をさせていただく。
 さて、4月18日(土)に2回目が行なわれる同イベントのスタッフであり出演者でもあるメンバーで、打ち合わせも兼ね行なった座談会の模様をお届けする。新宿LOFTというライブハウスだから築くことができる1日は、北陸で音を鳴らし続けるバンドのライブに美味しい食事とお酒が楽しめることに加え、能登へと赴くミュージシャンも加わってのトークセッションも設ける。ちょうど先日、歴史ある観光名所でもあった輪島市の朝市通りが再建に向け工事スタートというニュースも伝えられたばかり、この日は気軽に足を運んでもらってトークにも耳を傾けてもらえたら嬉しい。(Interview:高橋ちえ)

能登に行くことで、やれることをやると気持ちが奮い立っている

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──まずは昨年の初開催の時を振り返っていきましょうか。

樋口寛子(新宿LOFT):ライブとトークを織り交ぜる形でやりましたけど、お客さんの皆さんが思った以上にトークに耳を傾けていたのがすごく印象的でしたね。こういう日を作れてやって良かったなと思いましたし、思い思いに無理なく楽しんでいただけた……という言い方が正しいのか分からないけれど、良い雰囲気だったなと思っています。

平田英治(NIIGATA MUSIC LABORATORY):僕は新潟県に住んでまして、新潟でも地震の被害がある場所もありましたけど、自分ごとには感じていなかった部分があって。義援金を集めたりしても、リアリティであったり重みが自分の想像では補えなくて。でも去年のこのイベントを作る段階から僕も関わらせてもらって、ドイ(ヒロト)くんや山さん(=山岡トモタケ)であったり、復興に向けて関わっている方々の熱量を実際に感じられる映像やシーン、言葉であったりを聞かせてもらって思いを受け取ることで、自分ごとになっていったところがありました。新潟から連れて行ったカタソビっていう2人組もメチャクチャ刺激を受けて、ドイくんに今もいろいろと連絡をしてるみたいで。

ドイヒロト(セプテンバーミー):はい(笑)、そうですね。カタソビはあの後、富山で僕のラジオ番組(FMとやま『back on live』)に出演してもらったり、去年は富山で2日間開催した『back on live Fes』に2日間とも遊びに来てくれたし、DUMMY KIDのメンバーと近々一緒にボランティアで現地に行くんですよ。

樋口:そうなんだ、すごいね!

ドイ:適切な言葉ではないかもしれないけれど、カタソビは覚醒したと言うのか、何かに目覚めた感じで。1を聞いて10を知るって難しいことですけど、1を知ったカタソビたちは自ら行動して覚醒していく様子を見させてもらっている感じで。それってすごく素敵だし、そのきっかけになったのがこのイベントだったと思うと、やっぱり良いイベントだったのかなと。あの日の物販の売り上げを全部募金に入れてくれるもともとが優しい子たちでしたけど、イベントが終わってからも僕に連絡をくれて行動してる。平田さんが繋いでくださったご縁がこうやって続いてることも、本当に良かったんだなと思いますね。

平田:カタソビはしっかり地に足をつけてライブを中心に新潟で活動をしてますし、新潟に限らず外にも出てやってますね。去年のイベントをきっかけに何か火がついた部分もあるのかなと僕も思うし、活動にもより力が入って、応援したくなる熱量を感じてます。僕は(能登方面の)被災地に行くこともできていなかったですし、自分としては後ろめたさみたいなものもあったんですけど、自分だからできる繋ぎ役だとか、違う役割で違う関わり方というのを見出せるんだなという意味で。樋口さんにこのイベントに声をかけてもらえたからで、良かったなと思いますね。

──1回目の『LOFT HOPE JAM MARKET』を経て、7月には富山でドイくんが『back on live Fes』を開催、8月には『Back on live Fes 2025〜歌舞伎町・新宿LOFT&SAMURAI出張編』と題して、新宿の2カ所のライブハウスを使ったイベントまで続いていきましたよね。

ドイ:新宿LOFTで皆さんから受け取ったバトンを去年は『back on live』にもちゃんと活かせたかなと思ってます。皆さんと交わって、清く正しく未来にちゃんと繋いでいくぞっていう自分自身の意識がより高まった感じでしたね。LOFTのイベントではライブの合間にトークパートがありましたけど、トークの後に見るライブってまた違う見え方になるなと感じたんですね。『back on live』は被災地の方へ思いを届けたいところがあるし、今も本当に頑張っていらっしゃるボランティア団体の方とも助け合いながら自分らにできることがないかなと手探りでやった結果が、自分がマイクを持ってえらく喋っちゃった、みたいな(笑)。転換のタイミングでボランティア団体の方にもマイクを持っていただいて僕がインタビューしたりしては必ず喋ってたのは、LOFTでのイベントの影響を受けたところがあるかなと思ってます。

──ではそんなドイくんの視点から、今お伝えできる能登のお話を伺いましょう。

ドイ:まずは、この1年間で能登が本当に身近に感じられるようになりましたね。なお且つ地元のバンドマンが自発的に、被災地にボランティアに行こうという意識がより強まっているとも思います。能登は、最初に僕が行った時よりも全壊した家屋や今にも崩れ落ちそうな建物は公費によってある程度は解体されていて、景観的にはわりと綺麗な街並みにはなってます。能登には温泉街があって旅館もたくさんあるんですけど、僕がこの前ボランティアに入った旅館も外見は綺麗ですし、その周りにある旅館も外観はほとんど綺麗なのに、全て営業停止だったんですね。外観は綺麗でも、中に入ると壁はひび割れとかやれガラスが割れている。とても営業できるような状態ではないんです。

外観は整って見えても家屋の修繕は進んでいない

──和倉温泉にしても未だ再開できていない旅館の方が多いと聞きます。続けてください。

ドイ:公費解体するにしても該当する家屋等は援助が出て、もちろん解体できます。でも、外から見て何も分からない一般の家屋だけど実は建物がちょっと歪んでしまっていて、例えば今まで寝室があった2階のベッドに寝るとする。ちょっと家屋が傾いてしまってるから、床にビー玉を置くとコロコロ転がってしまうんですね。そういうところで生活を続けると三半規管も狂っちゃうからやっぱり家を直したい、そう思って公費解体の申し出をしても認定されなくて、実費を求められてしまうということもあるそうなんですよ。なので2階には住めず1階のみで生活を続けていながら、「この家は手放さないといけないのかな」といったことを訴えておられる方も多いです。なので1年前と違うのは、外観はだいぶ整って見えてても生活するにあたって大変難しい状況の家屋の修繕は進んでいない。そういう現状があるなと感じてますね。民間のボランティア団体の「おらっちゃ七尾」、それと「幡ヶ谷再生大学」という団体が手を組んで、困っていることがないかと一軒一軒、声をかけている。命を懸けてやっていらっしゃるその背中を見て、能登のために、被災された皆さんのために、僕らもできる限りやれることをやるぞという気持ちが奮い立たされている、そういう現状です。

──ここから山さんも参加です。能登には同じくたびたび行っている山さんが見て感じている能登の状況も聞かせてください。

山岡トモタケ(FLAMYNGS):僕は最近、能登町によく入って仮設住宅で歌わせてもらったり一緒にご飯を食べたりしてまして。火災が大変だった白丸地区があったり、エリアによって能登町の状況は違うんですけど、この前お邪魔した鵜川という地区では建物をそれこそ公費解体してこれから家を(同じ場所に)建てるか悩んでいたり、今は仮設住宅にいてもこれから家をどうしていこうかと悩んでいる方が大勢いらしゃる感じではありましたね。今回も(現地で)受け取ったことをそのままお話しできたらと思ってますし、現地によく行っているボランティア仲間もLOFTに来てもらって僕よりリアルな話をしてくれたほうがいいかなと思ったりして、仲間にスケジュール確認をしてる状況です。

平田:新潟でも実は、知人の家が震災で傾いてしまったんですよ。防災士の女性の友人がいて、彼女を通して僕はいろいろな話題を教えてもらったりしてるんですけど、このイベントの時にはその話題を少し共有できたら良いなと思ってますね。動かないとなかなかやっぱりね、落ち着いちゃう。でも忘れちゃうのは違うかなというところもあるし、意識してる人はちゃんと意識してるので。

山岡:僕が行っている場所ってわりと温かくて優しい人が多くて、何度か通っているうちにおじいちゃんおばあちゃんも心を開いてくれて、家が大変なこともそうだし、本当にいろんなお話をしてくれるんですね。能登には仕事場がなくて、お孫さんやお子さんとかが土地を離れちゃって平日は会えなくて土日は戻って来てくれるけど、それが寂しいっていう人もいる。だから僕がこうやって会いに来てくれることが嬉しいみたいなやり取りがあったりとか、「震災がなかったらこういう出会いもなかったし、私は楽しいよ」って言ってくれたりする。震災からまだ2年しか経ってなくて大変なこともいっぱいあると思うんですけど、前向きなところも僕は受け取っている部分があったりする。こういう声も、リアルな(現実の)声もどちらも大事なことなので、この両方をイベントでうまく伝えられたら素敵な時間になるのかなと思ったりしてますね。

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LIVE INFOライブ情報

2026.4.18_LOFT_LOW_fix.png

LOFT HOPE JAM MARKET ~音楽と未来をつなぐ夜~
<出演>
【HALL LIVE STAGE】アキレスと亀 / DUMMYKID / FLAMYNGS / め組 / 宇宙団
【BAR LIVE STAGE】大塚育 / 琴音
【TALK SESSION 】山岡トモタケFLAMYNGS)/ 平田英治NIIGATA MUSIC LABORATORY)/ 高橋ちえ(music with you!)/ 他
<日時>
2026年4月18日(土)
開場14:30 / 開演15:00
<料金>
【前売】
サポートチケット(A)¥3000
サポートチケット(B)¥2000
一般チケット ¥1000
【当日】
一般チケット ¥1500
(2ドリンク代別 or 1ドリンク+1フード付¥1200)
Live Pocketにてチケット好評発売中
<会場・問い合わせ>
新宿LOFT 03-5272-0382
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