カバーなんかできない気がしたんで
──大人になってもずっと仲が良かったんですか?
藤井:進学してからカメラマンの大貴の家が大阪にあって、和泉が福岡、僕が東京で、後藤が滋賀にいたんで、みんなで大阪に集まって定期的に遊んでましたね。
──散り散りになっていたところからどうやってバンドを結成することになったんですか?
藤井:僕が専門学校の2回生の時にインターンをやってたんですけど、あんまり肌なじみが良くなくて、帰り道に、「いや、ちょっと仕事辞めよう」と思って仕事辞めて、TC楽器店っていう新大久保にある中古楽器屋にそのままギターを買いに行きました。
──何でギターを購入しようと思ったんですか?
藤井:なんか音楽やろうと思って。ギターが一番カッコよかったんですよね。昔から音楽好きだったし、やったことないことやろうみたいな、ちょっと悔いが残りそうなものをやろうと思って。
──そこからどうやって3人が集まるんですか?
藤井:武道館にみんなでgo!go!vanillasのライブ観に行ったんですよね。それで「うわあっ!」てなって2人に声かけました。
──バンドやろうって言われた時、どう思いました?
後藤:興味はあったんですけど、まさかここまでガッツリやるとも思ってなかったですね、最初は。軽いノリでみたいな感覚でした。
和泉:僕もバンドはずっと好きだったんで、ギターで誘われたんかなって思ったら、「ドラムやって」と言われて(笑)。「楽しそうやし、やるか」ってなってやりました。
後藤憲正(Ba,Cho)
──それで東京に集まって始めたんですか?
藤井:いや、最初の2、3年はバラバラで活動してました。各々個人連しつつ、ライブの度に集まって合わせて。大阪で集まることが多かったですね。初ライブは福岡なんですけど。それで、2023年ぐらいに全員上京して集まりました。
──だからまず広島で地盤を固めるんじゃなくて、いきなりツアーに出たりされていたんですね。バンドをやることになって何から始めたんですか?
藤井:曲作りですね。カバーなんか出来ない気がしたんで、自分らで作ったやつやったら出来そうと思って。オリジナル曲しかやってなかったかな。
──それでこのスピード感なんですね。
藤井:いや、暇やったんで(笑)。最初はもう全部口で歌ってました、コードを。それを頑張ってくっつけてみたいなことやってましたね。こういうギターがいいかなみたいな。
──参考にしたバンドはいますか?
藤井:いろんなとこからいいところだけ抜粋させていただいて作ってる感じではあるんですけど。最初、0→1をする時は、何も入れないようにしてますね。基本的に何も音楽聴かずにパッて作ったやつを広げる時に、いろんなものを参考にしてるみたいな感じが多いですね、今でも。
和泉:最初のアルバム(『Life is』)出した時に、凱也が弾き語りで全曲ワンコーラスずつ繋げて録ってるのを見て、カッコいいなあって思いました。できるのはすごいなって思いました。
──『Life is』はメロコアや、シティポップ、ホーンが入ってる曲や、メジャー感のあるメロディアスなバラードなど、いろんなジャンルの曲が入っていますが、いろいろな曲を試して自分たちのスタイルを探っていたんですか?
藤井:そうですね。こういうバンドをやりたいとか特に何も決まってなかったんで、とりあえずいっぱいやってみようみたいな感じで作ってましたね。