LOFTは憧れのライブハウスでちょっとピリついた空気がある(渡邉)
──私、氣志團好きで『氣志團万博』とかも毎年行ってます。シスターズハイはめっちゃ受けると思うんですよ。KISSES(氣志團ファンの総称)に。
渡邉:マジっすか。
──すごい楽しんでくれると思うんですよ、氣志團のファンの方が。というところであとは今回、新宿LOFTの主催で出演されるということで、LOFTの思い出を何個かそれぞれ聞かせていただければと思うんですが。
有明:私たちはなんといっても『いとしの令和』ってイベントを2019年から毎年やっていて。1年目は当時入ってた事務所の人に「全国流通版出すからそのために企画を打ってくれ」って言われて。その時には大塚さんとも出会ってて。大塚さんに「お前らワンマンとかやれよ」みたいに言われて。てかこれLOFTから外れちゃうけど、私たちが初めてワンマンやったのって大塚さんのおかげなんですよ。次のワンマンも大塚さんのおかげだし。下北沢SHELTERだったんですけど、SHELTERもLOFT系列なんで「ワンマンやれよ」って言われて。言われなきゃ一生やってなかったなって今思うんですけど、最初はその時に「SEASIDE」の入ってる『goodbye.』っていうEPを出して、それを全国流通版にするはずだったんですけど、ちょっと事務所と足取りが合わなくて自主盤で結局出して。でも自主盤最後っていう意味で『goodbye.』っていうタイトルにして。実はあれさ、自主盤のCDを燃やしてるジャケットにしてたんです。
その後も何個も企画をやって、そのうちの一つが『いとしの令和』だったんですよ。新宿LOFTってずっと憧れだったんで、私たちからしたらそこでできるなら嬉しいし。でも今も合ってるかわからないけど、自分たちの身の丈に合った大きさのライブハウスではなかったから、クラウドファンディングで100万円集めて無料でやろうって。『いとしの令和』って令和と付けるくらいだから、これからの世代を担ってくバンドを集めて一緒にやろうって。一発目が新宿LOFTであって。その翌年はコロナ禍だったんだけど、大塚さんが弾き語り配信で『1人いとしの令和』っていうのをやらせてくれて。だから絶やさずにやり続けることができて、2021年からお客さんを入れた通常開催の『いとしの令和』っていう形でやらせてもらってるんですけど。でもライブ制作も自分たちでやってて、曲も作って、ライブもやって。ライブ制作も去年は11本、東京で自主企画もやったし、手が回らないってなって。今年の『いとしの令和』どうしようかなって思ってたらLOFTで働いてる人にちょっと今年は開催できるかわからないし、多分もうLOFTはスケジュール埋まってますよねって聞いたら、なんか大塚さんが勝手にスケジュール押さえてたんですよ。それでやることになった。だから大塚さんがいなければ開催してなかったであろうこともすごい多くて。だから1回目の『いとしの令和』は一生忘れない。無料でやって、たくさんの人が協力してくれて、出演したバンドも来てくれた人も。クラウドファンディングで100万円も到達できたし。でも2021年の『いとしの令和』はメンバーがその前日に脱退するってなって。その日、雪が降ってて、最寄り駅でパジャマでめっちゃ震えながら脱退するって言われて。その翌日が『いとしの令和』だったんで2021年も忘れないし、2022年ももちろん忘れない。
だから大塚さんがいなければやってなかったと思うんで。『いとしの令和』っていうイベントは続いてなかったし。なんかレイラのバンド人生において結構起点になるライブハウスかな。今でも憧れてますし、身の丈に合ってるライブハウスだってまだ思ってない。でもやっぱり安心はするかな。でもやっぱ『いとしの令和』の時のLOFTのステージから見る景色はやっぱすごく安心感がある。毎回やらなきゃって思うし、なんか返したいってやっぱやるたび思うんすよねっていう感じですかね。
逸見:俺も思うな。なんかその身の丈に合ってないというか。俺らも昔に大塚さんにLOFTでイベントやりたいって言いに行った時に、金額的にこれは無理だって思って。そこからバンドが続いて地道に活動を続けていって、大塚さんとLOFT RECORDSでやることになって。そこからthe myeahnsのファーストアルバムのリリース日が2019年9月4日なんですけど、大塚さんがその日を押さえてくれて、いろんなバンド入れてもらって、HALL&BARステージを使って発売日にイベントをやるっていうのが実現した。あのパス、今でも俺のマイクケースにも貼ってるし、この日は多分一生忘れないという気持ちで、なんかそのパスは大事にしたいなと思って。あの日は忘れない日になるんだろうなって。2019年9月4日っていうのはまずファーストアルバムだし、忘れない日になるだろうって思ってた。
近年で言ったら2023年の茂木君の誕生日に大塚さんが茂木君が全部叩くバンドが出演っていうイベントもほんと錚々たるバンドを集めて実現できて、the myeahnsはトリで出させてもらって。めっちゃいい景色だったし。「デッカバンド」って曲があるんですけど、そこで「ロックバンドが歌っている」って歌詞を、もうみんなにもコール&レスポンスの時に「茂木左が叩いている」ってそこで歌ってもらって、あれも今思い出しても感動する。
メンバー変わったりしたんですけど、またLOFTでこういうイベントに出て最高な景色を見られて。またこれからもthe myeahnsやっていけんなって。またこの新たな5人でその景色を見れたのはめちゃくちゃ嬉しかった。
──めちゃくちゃいい話が続きましたけども、そんな中でのザ・シスターズハイは?
渡邉: LOFTの人たちの仕事人だからね。ちゃんとやってくれる。なんで俺は楽しくしたいから、飲みたいから。でも大塚さんにいなかったら、LOFT全然好きじゃない(笑)。
有明:でもわかるかも。だってちょっと怖いもん。
渡邉:いや、みんなもうすっげえ仲良しだけど。会ったら全然飲むし。だけどちょっとLOFTの空気感はやっぱ入ると緊張しますね。だからなんだろうな、憧れのライブハウスっていう部分にもそれは関わってる気がする。ちょっとピリついた空気というか。でも大塚さんがいなければどこにも寄り付いてはなかった気はする。
貰った時間を駆け抜けてthe myeahnsの音を野音に響かせたい(逸見)
──というところで大塚さんからしての今後のLOFTの展望であったり。我々ただのライブ観に行くファンとしてはやっぱりLOFTって聖地ってイメージがすごいあって。移転前とかのことはちょっと年代的に知らないんですけど、移転してからでもやっぱり聖地っていうか、バンドマンの皆さんみんな憧れてるんだろうなっていう空気はやっぱすごい感じてて。
大塚:俺はこの3組がLOFTでワンマンして売り切れるのを見たいと思ってます。ずっと思ってますよ。今年こそ、今年こそってね。
──そういうところも含めてこの3組を今回呼んだっていうところもあると思うんですけども。では、それぞれの12月8日の野音での意気込み的なところをちょっと最後に聞きたいなと。
渡邉:意気込みか。
──はい。それぞれ全然スタイルも違いますからね。
逸見:そんな持ち時間長くないだろうなってもともと思ってたんで。もう本当にthe the myeahnsらしさを全開に20分間ロックンロールで駆け抜けるライブをやるしか多分できないと思うし、それが本当にやりたかったこと。実際50分やろうが30分やろうが関係ないんですけど、20分もらった持ち時間を駆け抜けるっていうのはやりたいなって思ってます。日比谷にthe myeahnsの音を響かせるというか。
有明:私自身、2024年11月現在のレイラはマジで最強だと思ってて。まぁ好きになんない人はなんないでしょう。ただ、少しでも届けられるくらいには相当自信があって。それで大塚さんに聞いたんですよ。「いつもライブハウスでやってることをやったら大丈夫ですか?」って。野外でやったことそんなないし、冬だし。そしたら「いいよ」って言われたんで、ライブハウスでやってることをやろうと思います。ただレイラをめちゃくちゃ観てくれてる、何百本もライブ観てくれてて、一番最近のライブも観に来てくれた大塚さんがそう言ってくれたんだよ。なのでそれをしようって思ってます。それが多分音楽が好きな人には届くと思う。音楽が好きじゃない人には届かないかもしんないけど、ちゃんと自信を持って。ハーフタイムアクトだからとか思わないでちゃんとやろうかなって思ってます。
──というところでシスターズハイが何をやらかすのかっていう。
渡邉:自分の中で初めて出るとこだから楽しみ。ディズニーランドとか初めて行った時は凄い世界やんみたいな。新しいことするってやっぱ楽しいじゃないですか。知らないことをしてる。だから自分的にはバンドやってて初めて日比谷公園大音楽堂っていうとこに初めて行くから。知らないから楽しんでいかな、ぐらい。でも本当にテーマパーク的な存在なのかもしれない、野音って。有明がさっき言ったようにライブハウスと同じようにやると思うんだけど。それしかやらないと思うけど。同じようにやると思うけど。
有明:やらないよ(笑)。
逸見:やらないと思う(笑)。
大塚:やらないと思うけど(笑)。
渡邉:(笑)やると思うけど。でもシンプルにさ、どのライブハウスでも全く同じライブすることないから、やっぱ見えてる景色とかでこっちも毎回同じライブなんかできないじゃないですか。正直それはあると思います。うん。あと外で寒いだろうしね。空見えててとか天気どうなんだろうとかあるし、その時のプラスアルファみたいなものはあるかもしれないけど、ライブハウスで地を固めてきた部分は出せたらいいなって思いますね。
逸見:雨だったら海パンでやろうかって思ってるから当日は天気も楽しみにしていただきまして(笑)。8日だけ雨予報だったけどさ。絶対関係ないと思う。雨だったらマジ海パンだよ(笑)。
──氣志團のファンの方々、多分すんなり受け入れてくれると思うんですけど(笑)、非常に興味深い話がたくさん聞けました。
渡邉:持ち時間20分なんすよね。19分MCしようかと。あと1分は俺の弾き語りで。
一同:(笑)
渡邉:やっぱり期待を裏切りたいなと。うん、いい意味で。
──ありがとうございました(笑)。
この対談を読んだ方々はぜひこの3バンドの勇姿を見届けに12月8日は日比谷野音に来ていただきたい。間違いなく忘れられない1日にして、日比谷野音が聖地であることを実感できる日になると思うから。