人生で一番お世話になった大塚さんに恩返ししたい(有明)
──すごい驚くぐらい三者三様な形での野音への思いだったんですけども、今回はLOFT、大塚さんが呼んでいただいてっていう話が出ましたけれども、大塚さんとの出会いとかってどんな感じだったのか覚えてらっしゃいますか?
有明:大塚さんはもう人生で一番お世話になった人です。
逸見:レイラはそうか。僕は大塚さんがもともとLOFTの店長っていう時に出会ってて。大塚さんが担当してるバンドのイベントに呼んでもらった時にしっかり話して。その時に「うちから出さない?」って言われて出したのが「ローズマリー」。もう大塚さんとLOFTチームとミーティングを何回もして。こうしていこうって言って「ローズマリー」「文明サイクル」それからじゃ『Masterpiece』を出そうっていう。その流れだったり、その後「オレンジ」出してっていうのも全部大塚さんと相談してた。それこそ大塚さんがいなければ今のthe myeahnsはないという。
渡邉:俺は伊那グラムハウスの時にレイラとかに着いてきてて、めっちゃ飲みたがりそうな。
大塚:ていうか九歳が誘ったんだよね。
渡邉:飲みましょうみたいな。うん、めっちゃノリいいやんっていう。
大塚:九歳、そういうの得意じゃない?
渡邉:でもすっきりっすよ。だって今のレーベル鈴木さんと出会ったのもそういう感じだから。なんかライブ観てくれて、打ち上げ行って「レーベルとか興味ないの?」みたいに言われて。いや、俺マジで知らなかったから、「いや、バンドやっていくためにはそういうの知っていかなきゃ」みたいに言われて「そうなんですね」みたいな。でも僕はやっぱり苦手なんでちょっと何回か教えてもらえると、みたいな感じで。その頃、新潟でライブやってたんで「東京に来る時にライブ観に行くね」って言ってくれて。観に来てもらって、ライブの話とか一切せずにお酒だけを飲み続けて仲良くなった。
有明:私は大塚さんとは18、19歳くらいから出会った。私が人生で初めてシャンパン入れてくれたの大塚さんです。20歳の誕生日に。それから私、毎年誕生日はもうシャンパン入れてもらってます。
大塚:なんかね、もう親子みたいな感じなんですよ。たまに嘘つきますもんね、娘ですって(笑)。
有明:でも下北沢SHELTERに出た時ですよね、初めて会ったのは。その時にレイラを気に入ってくださって。だから多分1、2番目にレイラのライブを観てる人なんですよね。1番はもしかしたらファンの人かもしんないけど、その1、2番目に来るくらい、本当になんかほぼ全部のライブ観てくれてて。
大塚:そうっすね、タイプだった(笑)。レイラの曲がめちゃくちゃタイプ(笑)。
有明:そう、めちゃくちゃ好きでいてくれるから、大塚さんに恩返ししたいっていうのがめっちゃあって。私、当たり前に大塚さんに恩返ししたりとか、あとシンプルにレイラのこと好きでいてくれてる人全員好きなんで、全員幸せにしたいみたいな気持ちは持ってるんですけど、その中でも大塚さんは月日が一番長いんで、何か絶対に形に残して返したいし、この人を幸せにしたいと思ってるんですけど、それをメンバーのみうらも全く同じこと思ってて。それ本当につい3日前くらいに聞いて。なんか、解散したくないよねみたいな話をして。解散のニュースとか最近多いじゃないですか。解散したいって全然思ってないんですけど、でもコロナ禍前とかちょっと解散したいとか辞めたいって思ったことはぶっちゃけあったりはしたけど、コロナ禍に入って以降は1回もなくて。解散したいっていう気持ちも理解ができなかったんだけど、ただなんか大人になって、ちょっとずつ分かってくるというか、「もういっか」ってなる瞬間ってなんだろう、もしかしたらあるのかなって思って、今はないけど、みうらもってなったらレイラが終わるときなんだと思ったら、急に悲しくなるって言ったんですよ。「そうなったらやだよね」みたいに言ったら。
普段なんも言わないんですよね。あんまり楽しいとか苦しいとか。感情あんまり表に出さないから何考えてるかわかんなくて。「でもなくなったら嫌だよね」って言ったら「嫌だ」って言って。私的にめっちゃ嬉しくて。あ、やっぱ嫌なんだ。レイラが終わったら嫌なんだと思ったらめっちゃ嬉しくなって。それで「なんでレイラを続けてんの?」みたいに聞いたら「ここ数年は大塚さんと横浜F.A.D(レイラの地元のライブハウス)に恩返ししたいっていう気持ちが自分の中で一番強い」って言ってて。そうなんだと思ってめっちゃ嬉しくて。
私はそれが一番ではなくて、恩返ししたいだけでバンドやってないというか、いろいろあるからそれは違うわって言ったけど、その気持ちは私ももちろん当たり前に持ってるわってなって。私の中で一番恩返ししたいのが大塚さん。その気持ちが一緒だったんだと思って。だからまた貰っちゃったんで。日比谷野音は私はもう立てないと思ってたから。正直なくなっちゃうっていうか、今の形じゃなくなって。でもそこに立たせてもらって。大塚さんに貰ってばっかりなんで返したいなって思いました。
逸見&渡邉:素晴らしい。
──まるでレイラのMCを聞いてるかのような素晴らしいお話。ちなみに大塚さんがこの3組を選んだ理由とかって聞いてもいいですか?
有明:確かにそれ聞きたい。
大塚:レイラとthe myeahnsの2組は付き合いが長くて。最初から出そうと思ってた。むしろザ・シスターズハイを入れたのは、2組でも別に成立するんだけど、やっぱり将来のことを考えたブッキングをしなきゃいけないなと思ってて。そう考えた時にこの1年でロフトのいろいろな店舗に貢献してくれてるのってザ・シスターズハイだと思ってて。
渡邉:マジっすか。
──そんな中でメインアクトが氣志團と柳家睦&THE RAT BONESなんですけれども、各々その2組に対してどんな印象をお持ちでしょうかっていうところも聞ければ。
有明:ライブ1回観たことあります! あとは『木更津キャッツアイ』大好き。
逸見:あと、大塚さんが柳家睦&THE RAT BONESのグッズをよく身につけてる。
大塚:柳家睦&THE RAT BONESはね、なんかバンドマンの鏡みたいだなって。レイラとthe myeahnsか同じくらいの熱量で柳家睦&THE RAT BONESを野音に出したいのもあった。彼らは逸見君たちよりも上の世代でもっと野音に深い思い入れを持ってるから。
──そうなんですね。
逸見:いや、負けてないと思います(笑)。
渡邉:おい、さすがだ(笑)。
大塚:なんか若いバンドに観てもらいたいなと思って。完全にDIYやってるし。