今年、歌舞伎町移転から25周年を迎え、様々な対バンやイベントが日夜行なわれている新宿LOFT。その新宿LOFTが12月8日(日)日比谷公園大音楽堂で周年ライブイベント「新宿ロフト歌舞伎町移転25周年記念特別興行『新宿ロフト野音フェアウェルパーティ〜さよなら、ありがとう野音』」を行なう。日比谷野音も改修工事が行なわれるため、現行の形でライブを行なえるのは出演者にとって最後の日になるだろう。
そんな記念すべき日には氣志團、柳家睦&THE RAT BONESが出演するが、ハーフタイムアクトとして若手バンド3組も出演。今回はそのハーフタイムアクトのレイラ:有明、the myeahns:逸見亮太、ザ・シスターズハイ:渡邉九歳というボーカル3名と、今回のイベントのブッキング担当である大塚智昭氏にお集まりいただき、来たるべき野音でのライブへの意気込みや新宿LOFTへの思いを新宿LOFTから程近くの居酒屋で語っていただいた。[Interview:ソノダマン / Photo:丸山恵理(LOFT PROJECT)]
各々にとって野音とはどんな場所なのか
──今回、12月8日に日比谷公園大音楽堂で新宿LOFTさんの周年イベントが行なわれるということで、そこにハーフタイムアクトとして出演なされる3組のボーカリストの方々にお集まりいただいております。まず率直なところとしてですね、もうすでに非常に親しげな感じがしてるんですけれども、お三方の関係性というか出会いというか、それぞれのバンドの音楽を聴いてる身としては結構意外な組み合わせかなと思っておりまして。じゃあ有明さんからお二方との関係性をお願いします。
有明:the myeahnsは2019年のリリースツアーの時だから5年前か。それも大塚さん経由で呼んでいただいて。ツアーだったんで名古屋、大阪の宿も同じ建物で回って。初対面がそれだったんめっちゃ仲良くて、そっからずっと対バンあったりみたいな感じで。あと普通に逸見さんと飲みにも行きますね。大塚さんたちと。大塚さんが飲み来いよって言ったら多分私がいるみたいな感じで結構仲良くて。同じイベントに出ることもあるし。で、ザ・シスターズハイは…。
渡邉:あのね、俺は有明と1回も目が合ったことないよ。
有明:いやいやいやいや(笑)。
渡邉:いや。俺のこと嫌いだ。
有明:そんなことないよ(笑)。でもザ・シスターズハイは長野で対バンした時が最初かな。
渡邉:そうだね。ザ・シスターズハイのギターがまさやんぐっていうんですけど、レイラをめちゃめちゃ好きで。バンド始めたての頃、19歳ぐらいの時にめっちゃ聴かされてた。その頃から知ってるっす。
──なるほど。では渡邉さんと逸見さんはどういう。
渡邉:それもバンド始めたての頃なんですけど。僕、新潟出身なんですけど、the myeahnsがCRYAMYとツーマンしてて。the myeahnsは全然知らなかったんですけど、ライブ観てみたらみたいな感じで連れて行ってもらって。そしたらめちゃくちゃかっこよくて。そこが初見でした。それで、ザ・シスターズハイの新宿Marbleでのツアーファイナルで一緒にやって。そのあともちょこちょこ俺らのツーマン企画に出てもらったりして対バンし始めて。「文明サイクル」が一番好き。今日も聴いてきた。あれいいね。
──じゃあもともとファンから始まってるぐらいの。
渡邉:そう、だから逸見さんは結構憧れの人でしたよ。対バン出てもらう時もリハとかも見ようと思って。常にかっこいい感じ。うん、かっこよくあろうとしてるというか。
逸見:全部において常に誰か見られてるなとは思ってるんだけどね。
──なるほど。では結構付き合い長めというか、皆さんもう人間として、それぞれは会ってて楽しいと。
渡邉:売れてないっていう痛みを共有してるという。
逸見:最近どうなの? とか。
有明:確かにそういう話しますね、私たちは。
──そんなお三方がついに日比谷公園大音楽堂に出ますということでですね。野音が各々にとってどういう場所かっていうのをお聞きできればと思います。
有明:なんだろうな、そのバンドが憧れだったから立ちたいとかはなくて。なんかめっちゃ幸せな2日間があったんですよ。去年の7月にずっと憧れだったバンドと自分の企画でツーマンできて。その翌日に地元のライブハウス主催のフェスみたいの出れてっていうめっちゃ幸せな2日間があって、その翌日にメンバーの野暮用について行ったんですけど、それが野音のすぐ横だったんですよ(笑)。バンドとして成長したと思った幸せな2日間の翌日に一緒に着いて行って、それで隣から野音の音漏れ聴いて、ガチ何してんだろ? って思って。なんかうちらまだ野音に立つ側じゃないもんなと思って。そっか、まだ立てないかってなった記憶があります。逸見さんはどうですか?
逸見:僕は動くブルーハーツを最初に見たのが多分野音の映像。
──野音の客席に柵がある時のライブ映像ですね。
逸見:そう、ヒロトさんが坊主で。で、「この柵は人の心までもは縛れんようじゃのう!」っていう名MCがあって。そこから日比谷野音っていうところがあるんだって知って。あと忌野清志郎さんとかの映像も見たりしてたんすけど。野音にここ最近行ったのはメンバーの茂木くん(the myeahnsのドラマーの茂木左)が渋谷すばるさんのライブで出演した時に観に行って。
──THE BAWDIESと対バンした時のやつですね。
逸見:そうそう、あとはフラワーカンパニーズとピーズの、ゲストでYO-KINGが出たライブも観てて。でも改修工事が入って新しくなってなっちゃうっていうのは聞いてたんで、もうこの光景の野音には立てないのかとは思ってました。なので、今回このLOFTに誘われてまさか自分が立てるとは、ってなりました。
──すごい深い話。じゃあ渡邉さんは最後どうでしょう。
渡邉:19歳ぐらいの時に付き合ってた人がMy Hair is Badがめっちゃ好きで。同棲してたんでずっと家の中で日比谷野音の『ハイパーホームランツアー』の映像を見てた。その彼女は全然俺のライブも来ないし曲も聴かない。でもマイヘアとかなら行くけどみたいな。じゃあどこでライブやったら来るのって聞いた時に「ここ(野音)でやるなら行く」みたいに言われてた記憶があるんで、誘ってもらった時にその時の記憶がフラッシュバックして。久しぶりに連絡しようかなって(笑)。