『三つ巴ライブ』では弾き語りで表現できるものをいつも通り突き詰めます
──上野さんが出演する『三つ巴ライブ』、出演する他2組はバンドです。
上野:The Songbardsさんはもともと曲が好きで聴いていたし、神戸のフェスでご一緒したことがあります。バンドだけどやさしい…というか、自分に通ずるところもあると感じているので今回もすごく楽しみにしています。GOOD BYE APRILの皆さんとは今回、初めましてですね。そもそも新宿LOFTでの(前回の)ライブもコロナ禍の前で、インディーズでのデビューもしてない頃でだいぶ前になりますし、すごく楽しみにしていますね。
──上野さんはどのような形態でのライブに?
上野:全編一人で、ギターで弾き語りとオケを使ったりしながらやろうと思ってます。(ライブは)基本は一人か、ピアノを入れて二人というのが多い感じなんですよ。
──そうなのですね! 実際にライブを拝見するのを楽しみにしています。この日、どんな音を届けてくれますか?
上野:前にLOFTに出ていた頃は…20代の初期でけっこう尖ってたし、いろんな人と敵対することで自分のエネルギーを出していたけど、ここ何年かは自分の音楽の発信の仕方も変わってきた中で、他2組の音楽も楽しみつつ、自分にしか届けられない音楽もあると思うので、初めてのお客さんに対して“こういう音楽も良いな”って、せっかくなら弾き語りの良さみたいなものも知ってもらいつつ。弾き語りでも表現できると思っているものをいつも通り突き詰めて、やれたら良いなと思ってます。
──上野さんに尖っていた時期がありましたか?!(笑)
上野:そうですね(笑)、昔は音楽の友達もあまりできなかったです。バンドの出演者の中でアコースティック一人で出演することもわりと多くて、それも自分の中では狙いというか、一人でやっている人たちと一緒でも特に目立たないなという意図もあったりして。あまのじゃくではないけど、自分の中で何か秀でるものを探していた時間でもあったので、周りから見たらもしかして嫌なヤツに映ってた時がたくさんあるだろうなと思いつつ(笑)。でもそれが、自分の中での戦いの一つだったんだと思います。
──上野大樹という一人の音楽家の現在地が分かるお話も伺えて良かったです。では最後に、上野さんの今後の目標・夢を聞かせてください。
上野:自分のスタイルを変えずに、という前提がありつつ、新しいことにも挑戦したいですし、日本武道館とか紅白歌合戦とか、メジャーなポップシーンのど真ん中の先頭を目指して、というところはありますけど、それは自分だけじゃなくて応援してくれるリスナーだったりスタッフがいる。だから自分一人の夢ではなくて皆の夢だと思っているので、ヒットする曲であったりそういう舞台であったり、そういうものに逃げずに立ち向かっていきたいなと思いますね。“売れる”っていうのはちょっとぼやっとしてるから、お金とか時間とか体力を使ってでも会いに来るっていう、そういう音楽家にまずはなりたいなと思います。そして今の事務所がレコーディングスタジオのレーベルなのもあって、音楽をゼロから学んで耳で分かってどんどん広がっているので、いつかは自分の楽曲だけでなく楽曲提供でもプロデュースやアレンジも自分でできるようになりたいですね。今までは瞬発的に“できます”っていうのが強みでしたけど、それは強みじゃなくて逃げじゃないかと思う瞬間もあって、しっかり学んでいくことも大事だなと思って。一人の人間が音楽をしているのではなくて、しっかりとした音楽家になってから人間力も加わって生み出す、というところを目指しています。