対バンは戦場であり、真剣勝負だからこそ燃える
──バランスを取って緩めの話も聞きたいですね。小鹿さんが敬愛する女性の先輩方に伺いたいことがあるそうですが。
小鹿:そうなんです。いつまでもずっとお美しくいらっしゃる皆さんに、美を保つ秘訣をお聞きしたくて。
東雲:これは容子もジョウさんもmikoさんもみんなそうだと思うけど、やっぱり女性にとってストレスが一番の大敵なのよ。だから最近のワタクシはなるべくイライラしないようにしている。もの凄く忍耐が要るので逆にストレス増えてるじゃんって思うこともありますけど(笑)。ギスギスしたババアってイケてないじゃない。平穏なメンタルを保つのは難しいことだけど、そのためにはなるべく睡眠を取るに限る。寝てる間は人を憎むこともないですし(笑)。ひたすら寝てなるべく日が出てる時間に起きて生活するのが一番よ。
浜崎:偉すぎ!
東雲:悩んでもしょうがないことに悩むくらいなら寝るに限る。あとは食べたいものを食べたい時に食べる。その後のことはその後に考えればいい。人間の体は食欲、性欲、睡眠欲という三大欲求で作られているから無理をしない、過度な負荷をかけないことが結果的に美を保つことに繋がると思う。嫌いな人には会わないとかね。あとは何よりも気持ちいのいいセックスをすること(笑)。
浜崎:私も東雲さんと同じく睡眠が大事だと思う。私、余り起きていたくないんです。できるだけ寝て現実から目を背けたいので。だから睡眠を取ることが自分の中で最優先事項なの。明日の仕事の時間を逆算して今日は何時間寝られるとか睡眠時間を優先して確保する。美の秘訣と言うよりも自分が平穏でいられるためには寝るしかない。
東雲:そういうことなのよ。容子が平穏でいられることが美に繋がるわけで。
浜崎:そうだよね。あと、明日やれることは今日やらないのがモットー。それでいつも追い込まれちゃうんだけど(笑)。
ジョウ:ジョウは余り考えてないかもしれないです。美容のために大したこともしてないですし。ただ、ジョウがジョウであるために常に何かに恋する気持ちを忘れないようにはしています。恋する対象は人間に限らず、洋服にしてもその服に恋をして買うのがいいんです。要はときめきですかね。何事もときめく心を大事にしたいんです。
浜崎:ジョウさんはロマンティストで毎日が劇的なんだね(笑)。
東雲:ロマンティストじゃなきゃ音楽に心酔なんてできないわよ。
miko:私は最近、頭皮のマッサージをよくするようになって。ミュージシャンは演奏以外にパソコン作業にもだいぶ時間を取られるので、目の疲れで頭皮が凝り、それが一枚の皮で繋がっている顔に影響が出てしまうみたいで。それで頭皮マッサージをよくするようになったらめちゃくちゃ気持ちよくて。
東雲:確かに頭皮が弛むと顔も弛むのよね。それはヘッドスパとかに行かれているんですか?
miko:今年から美容鍼に通い始めて、その美容鍼灸師の方が鍼のついでに頭皮マッサージをしてくれた時に凄い固いことを指摘されまして。頭皮マッサージをして以来、顔にも良い影響が出ていますよとその方に言われるようになりました。
──当日のライブはどんなスタンスで臨む予定ですか。平常運転なのか、特別なメニューで相まみえるのか。
東雲:ご承知の通りキノコホテルはこの夏から編成が変わったばかりで、パートタイム従業員(サポートメンバー)に頑張っていただいてようやくバンドとして再び固まってきた段階なんです。心機一転してワタクシ自身楽しめているし、当日を迎える頃にはちょうどバンドが良い感じにまとまるタイミングだと思うので、完成度の高いライブをお見せできるでしょう。アーバンギャルドとexist†traceを迎え討つにあたって申し分ないクオリティを発揮したいですし、従業員がどれだけ変わろうと、キノコホテルは不動であると。それを見せつけたいですね。
浜崎:個性の強い3組が集まる中でアーバンギャルドの世界観をいつも通り皆さんに体感していただきたい気持ちがありつつ、キノコホテルさんとexist†traceさんのファンの方々をごっそりかっさらう気持ちで行きたいですね。やっぱり対バンは真剣勝負だから燃えるんですよ。ワンマンは自分たちのファンの方々しかいないから甘やかされている環境だと思うんですけど、対バンは戦場なんです。
東雲:そうよね。またシェルターっていうのが戦場っぽい。
浜崎:私はシェルターに出たことがないので、容子が初めてシェルターに降り立つ瞬間をお見逃しなく(笑)。
ジョウ:マリアンヌさんも浜崎さんもとにかく個性の塊のようなボーカリストなので、この2人とどう向き合うかを対バンが決まってからずっと考えています。その中でジョウは2人とは違うテイストのボーカリストだと感じていて、その自分なりの強みを最大限発揮して、mikoと一緒にどんなセットリストで2バンドに立ち向かうかを考えます。もちろん緊張もしていますけど、とにかく素敵な一日にしたいですね。この3バンドが集まったからこのイベントになったというのはどういうことなんだろうと考えながら挑みたいです。
miko:exist†traceの魅力をしっかりお届けるのが基本ですけど、私たちにはいろんな面があって、ワンマンでようやくその何割かを見せられる感じなんです。イベントライブで自分たちの魅力を全部届けるのはなかなか厳しいというくらい、いろんな面があるんですね。なので、この日にexist†traceのどの面を皆さんにぶつけようか今凄く悩んでいます。驚かせたい、格好良く見せたい気持ちもあるし、キノコホテルさんとアーバンギャルドさんと対峙するに相応しい、自分たちも納得のいくexist†traceをぶつけたいので、当日までセトリ確定に悩むと思います(笑)。
東雲:不思議なもので、お客さんはこちらが全然狙ってない部分で喜んでくれたりする。そういうのも踏まえた上で盤石の姿勢で臨みたいですね。今時珍しく頑なにコンセプチュアルなバンドの在り方を貫く女性ボーカル3組が揃うのだから楽しみです。
ジョウ:この3バンドが集まる以上、芸術性を感じさせる一夜になりそうだなとも思います。
東雲:ワタクシたちは生き様そのものが芸術ですので。
浜崎:誰よりもロックだしね。
東雲:生半可なものはお見せしたくない。音楽をやり続けるためにこうしてふてぶてしく生きているんですから。