大事なのは最初の一歩を踏み出せるかどうか、最初に勇気を出して背伸びできるかどうか
──1期があってというのもありますけど、端から見ても実際スタッフも増えてチーム感強かったですね、2期は。
本間：2期はメンバーやスタッフみんなでやっていく感が強かったんですよ。1期の時はバレンタインやクリスマスみたいな季節ものにあまり乗っからなかったんですね。単純にスタッフが少なくて手が回らなかったのもあったんですが、自分に「そんなのやらずに音楽で語るんだよ！」みたいなところがあって（笑）。でも普通に考えてアイドルなんだから季節の楽しいイベントがあったらお客さんは喜ぶじゃないですか？ そこを2期はスタッフのみんながちゃんと考えてくれたんで、イベントは充実してましたね。今考えたら謎の拗らせで恥ずかしい話です。
──プロデューサーとして、事務所社長としても成長して（笑）。
本間：みんなそれぞれ自分の力で成長してきてくれて、僕も成長させてもらいました。昔は今より全然人と話そうとしなかったですし（笑）。
──コミュ力がついた！
本間：コミュ力というか、2期を通して人と向き合うのをやめないようにしようと思うようになりました。ちなみに1期で学んだのは「やってみなきゃわかんないな」ってことです。自分は特別な才能がないと思ったってそれは一歩踏み出すことを辞める理由にならないっていう。
──本間さんも変えられた、と。
本間：ラストライブのメンバーたちのMCが涙出るほど嬉しかったです。2期の最初の頃に作った「ユナイト」の歌詞で「あぁ、とびきりのマイアンサー その時は君に言えたらなぁ 見つかりますように」って最後の日を思いながら書いてたんですけど、メンバーそれぞれのマイアンサーが最後のMCに集約されてて。
──それぞれのこの先の話が聞けましたよね。
本間：メンバーたちが「tipToe.が終わっても思い出がいっぱい詰まってるから自分はもうtipToe.に入る前みたいな抜け殻にはならない」って言ってたり、「tipToe.に出会えた私もみんなももう大丈夫」って言ってて涙が出そうになりましたよ。みんな自分なりの答えを出してくれて、全員そうだよね！ って答えばかりで。
──終わりなんだけど、これからの人生の新しいスタートを感じさせるラストライブだったな、と思いますね。
本間：tipToe.として過ごした期間よりもこれからの人生のほうが長いわけで、その世界であの子たちがどんな形でもいいし、今と答えが変わってもいいから、真っ直ぐに生きていけるならtipToe.というプロジェクトには意味があったんじゃないかと思います。あんなに大変な思いをして、あんなにありえないと思ったことを叶えてきたんだから、きっと大丈夫だと思う。
──3年でやれるんですもんね。3年縛りは発明だからみんなもやったほうがいいですよ！
本間：商業的にはやっちゃいけないですけどね、せっかく人気になっても終わっちゃいますから（笑）。3年は短くはないけど、ちょっと足りないぐらいの時間です。
──だからこそ駆け抜けた感があったと思います。彼女たちもやり切った感強いでしょうし。
本間：そういえば、あいりも最後のMCで触れてましたが1期のラストライブで花咲がMCで「わたしたちは普通の女の子だけど、お客さんのおかげでこのステージに立てています」と言っていて。当時、それにあるお客さんがXで「そんなこと言ってたけど、特別な才能があるからそうなれたんだよ」みたいなことを書いてて…普通の子たちが努力してあそこまでやったんだから、特別とか才能とかで片付けないでほしい！ と思ったんですよ。
──その彼にとって特別ってならわかりますけどね。
本間：それはそうですけどね。「みんなも才能とかいいから走ろうよ！」と思ったんです。
──特別じゃない俺たちも走らなきゃ！ と（笑）。
本間：2期の子たちもtipToe.に入る前はライブを見てる側だった子だったわけで。あの時すぐ近くで同じように見てたかもしれない子たちが自分たちのやり方で必死に頑張ってやり遂げたら「ほら、できたじゃん！」って証明できるんじゃないかって。最後に2期メンバーはあれだけのお客さんの前で証明してくれた。だから、次は君の番だよ、と。大事なのは最初の一歩を踏み出せるかどうか、最初に勇気を出して背伸びできるかどうか。3期は予定してないですけど、メンバーもスタッフもファンもそれぞれがこの先の人生でバトンをまた誰かに託しながら自分もまっすぐ生きていけたらいいなぁと…。
──いいグループ名ですよね。最初は背伸びなんだけど、成長していっていつか自然とその視線の高さになってるっていう。
本間：そうですよね。成長っていつの間にかしてるもので。そこでまた背伸びすると、更に遠くが見える。僕もtipToe.を終えてもairatticがありますし、担当してるプロジェクトがいろいろあるので頑張っていきます！
──さて、9月1日には小宵めみさんがLOFT9 Shibuyaで『めみちゃんが歌います vol.4』に出演していただきますので、本間さんから見てこの辺見てほしい、とかありましたら。
本間：とにかくたくさんギターを練習しているので成長っぷりを見てください！ 時々社内で先生に教わっているのを見かけると毎回うまくなってて驚いてます。
──前のLOFT9のイベントでも弾き語り披露してもらいましたが、さらに進化を。
本間：Fという指の形が押さえにくくて初心者の壁になるコードがあるんですけど、以前は苦しんでいたのに今はいつの間にかさくっと弾けてて初見でコード譜を見て弾ける曲も増えてたり。もともと声質も良くて歌も上手いのでギターが自分で弾けると映えますよね。
──ソロだとtipとも違う存在感ありますよね。
本間：ソロはソロですよね。めみは歌が魅力的なのでそれを活かすためにオケだけじゃなく自分で演奏できたほうが今後に繋がるんじゃないかと思って、以前の誕生日にギターを買ってあげたんです。それから一生懸命自分でこつこつ練習して形になってきて、これからのソロが楽しみです。
──キャラの明るさもあるし、ソロ向きですよね。
本間：そうですね。オケもいいですがギターで自由に歌うのも向いてると思うんですよね。レパートリーも増えて全曲弾き語りで長いライブもできるようになってきていますし、定期的にやっていきますのでぜひ応援してほしいです！
