アイドルを敬遠するパンクスにこそ観てもらいたい めろん畑a go go
──面白そうなことは何でもやってみてますよね。さて、アイドルともちょくちょく絡んでますが、その中でも次回は「vs. めろん畑a go go」ってことで。これはどういうセレクトなのでしょうか。
NAN:めろん畑a go goは去年めちゃめちゃ観に行ったのね。もちろんかわいいんだけど、それ以前にカッコイイんだよ。怖いおじさんに囲まれてもビッとしてるし。
──お客さんもパンチ合戦しますよね。
NAN:そうそう。すごいよね(笑)。今回の共演はもともとはツヨッシーのさかさまJr.(※FUCK ON THE BEACHのツヨッシーとめろん畑a go goの中村ソゼ、琉陀瓶ルン、皆野うさこによるアイドルグループ)から始まって。「SMASH YOUR FACE vs. おとぼけビーバー スペシャルゲスト さかさかまJr.」っていう“何これ!?”みたいな企画やったんだけど。
──たしかに“何これ!?”です(笑)。
NAN:考えうる範囲の最高の異物をぶつけてみたいなと。かといってまったく違うものじゃあ面白くないからさ、なんかバイブスが合うというか共通のものがあればいいなと思ってやってるんだけど。今回は本体(めろん畑〜)のほうにお願いして。
▲めろん畑a go go
──いろんなアイドルがいる中でめろん畑〜は特別ですか。
NAN:そうだね。多分ハードコアとかパンクの中にはアイドルを敬遠する人もいるかと思うんだけど、そういう人にこそ観てもらいたいと思ってるんだけどね。フリフリしたアイドルじゃなくてパンチがあるし、ベースになってる曲がパンクっぽいし、ASSFORTのMASATOがドラム叩いてるときもあったりね。なんかフックになればいいなと思ってて。そもそも俺はあまりジャンルってものを気にしないほうだから最初から前のめりで楽しめたんだけど、他のジャンルに興味持つ人って意外と少ないのもわかってる。
──よい化学反応が起きたらいいですね。
NAN:俺はすごいドキドキしてて。めろん畑〜が好きで観に行ってるからさ、そのお客さんにどういうリアクションされるのかというね。楽しみではあるけど、ちょっと怖いよね。
──オタの皆さんに受け入れてもらえるのかと。
NAN:ハードコアなのにDJがいてスクラッチしてたりとか自分たちでも説明できない感じになってるからさ、観てもらったほうが早いかなと。アイドル追っかけてる人の熱量って俺たちが若いときにパンクに出会って、パンク! パンク! 言ってたときと同じなんだよね。だから違和感は感じない。まぁ“地下アイドル”って響きが閉鎖的に感じるとこもあるかもね。
──私もアイドルはまったくわからないのですが、こんなふうに何か機会があれば観てみたいと思うんですよ。だからそういう人も案外いるのではかいかと。ましてやめろん畑〜はサイコビリーやガレージの要素もありますから。
NAN:俺も最初はアイドルなんでしょ? って思ってたとこもあったし、もちろん何かを好きでバンドを始めてるわけだから好き嫌いがあるのは当然だけど、極力そういう垣根は自分の中でなくしていきたい。“村”つくっちゃうのはよくない。
ジャンルに拘るよりまだ見ぬ楽しい人を探したい
──そこで引いちゃう人はもともと来ないと思うし、面白がってくれる人に期待したほうがいいですよね。
NAN:そうなのよ! SNSでの告知にしても毎日毎日やってウザいと思われてるのもわかってるけど、ウザいと思ってる時点でそういう人らはそもそも来ない人たちなわけで、それに何の遠慮をする必要があるのかと。それよりまだ会ったことない人たちに届いたほうがいいし、観に来てくれる人たちのテンションが上がってくれるといいよね。ジャンルに拘るよりまだ見ぬ楽しい人を探したい。そのほうがいい。
──とはいえ、SMASH〜は『KAPPUNK』や『METEO NIGHT』とかにも出演してるわけで、バランスがいいですね。
NAN:何かを捨てたり切ったりするつもりはないしね。自分の根本にあるパンクとかハードコアとかレベルミュージックってのはもう変わらないわけで。だから外に出てやりたい。ハードコアバンド同士でやるほうが今はやりやすく感じるよね。しかもパイが小さい中で「わかんないやつにはわかってもらわなくていい」っていうのは違うんじゃないかと。パンクやハードコアはこういうことやらないだろう、ってことを取っ払っていきたいし、“パンク、ハードコアとして”というより、どうやったらイベントとして楽しくなるかっていうことにかなり比重を置いてるね。チェキもやってるしさ(笑)。これがやってみたら楽しいんだよ。
──めろん畑〜の先にはワンマンもあるとのことですが、いつぶりですか?
NAN:6年ぶりくらいかなー? 前は中野のMoon Stepで。今のメンバーになってからは初めてだね。コロナのときに江ノ島OPPA-LAで無観客ワンマンはやったけどね。今のメンバーは昔のことを知らないから古い曲も練習してて。あと、いま新しいアルバムもアツPと一緒に考えてる。
──ではこれまでの歴史と今とこれからが観れるライブになりそうですね。SHELTERでやることに関してはどうでしょう。
NAN:実は昔はあまりやったことがなくて。どちらかというと高円寺とか中野とかでやってきたから。SHELTERは外国のバンドが来るときとか大きいイベントでのご褒美みたいな感じで出れるっていうイメージだったね。メジャーな感じだしハードコアもあまりやってなかったから別世界だったんだけど、そこでワンマンってのはやっぱテンション上がるよ。
──楽しみにしてます! では、最後にこれを読んでる方に伝えたいことがあればお願いします。
NAN:最後まで読んでくれてありがとう。僕たちSMASH YOUR FACEの2024は、毎月下北沢SHELTERでライブを行なってるのでタイミングが合えば遊びに来て欲しいです。あと年内にはアルバムをリリースするので楽しみに待っててください。来年から海外ツアーも行なっていく予定です。ぜひ動向をチェックしてください。よろしくお願いスマッシュ!