Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューNICKEY & THE WARRIORS - 原点回帰作『SOME FLOWERS』、それは"花束ひとつ世界は変わる"パンクロックの魔法

原点回帰作『SOME FLOWERS』、それは“花束ひとつ世界は変わる”パンクロックの魔法

2023.12.01

作品は決して廃れないし、曲はずっと在り続ける

──そういう中で「WINGLESS ANGEL」はレクイエムような気持ちで?

NICKEY:ここ数年、センターボーカルの方が亡くなっているように思えて。追悼ソングというわけではないんですよ。リスペクトしてるから曲にしたかっただけで…。これはあたしの考えなんだけど、ボーカリストってメンバーに助けられているんだけど、けっこう背負ってるものがあって。それがプレッシャーになる人もいれば、力になっていく人もいる。私はどうなるかって聞かれると、まだわからないというか。年数ばかりいってるけど全然ペーペーなんで。ボーカリストは真ん中に立って歌うことを、なんらかの理由があって選んで、そして歌って。その理由は誰にもわからないことで。

──真ん中に立つボーカリストは、観客ともメンバーとも自分とも向き合わなきゃないというか。

NICKEY:ギタリストにもドラマーにもベーシストにも、全ての演奏家へのリスペクトはあるんです。その中でステージの真ん中に立つ人=バンドリーダーは、孤独なものだと思うんですよ。それはなった人じゃないとわからない思う。もちろんメンバーに助けられているんだけど、凄い孤独感はあるんです。真ん中に立つ人はそれぞれ孤独感を持ってると思うなぁ。あたしはたまたまボーカルになったけど、今はそれが身についてしまったというだけかな。若い頃はそんなこと考えずにやってこれたけど、今はやっぱりひしひしと感じますね。

──亡くなったミュージシャンへの曲であり、自分自身への曲であり。

NICKEY:歌い続けて亡くなられた人たちの存在は、私の中ではずっと輝き続けているわけで。“THIS IS NOT THE END”っていうふうに心の中ではずっと輝いてる。だから追悼とはちょっと違って。作品は廃れないし、曲は在り続ける。それをずっと思っていてほしいって、みんなに向けて歌ってるとこもあるんですよ。

──ああ、はい。どっぷり暗くはならないのは、輝き続けるってことを歌ってるからなんだろうね。

NICKEY:ああ、そうかもしれない。

N&W_02.jpeg

──NICKEYさんは実はタフなんだよね。

NICKEY:タフかどうかはわからないけど…。あの、母親が亡くなったとき、凄い悲しかったんですよ。で、コーヒー飲んでちょっと落ち着こうって店に入って。そしたらバッグが売ってて、このバッグなんてカワイイの! って買っちゃったんですよ(笑)。なんなんだ? って自分で思って。なんでこんなときにバッグなんか買ってるんだろう? しかもカワイイって喜んでる(笑)。

──わかる! なんか不思議と同時にあるんだよね、悲しみも喜びも。

NICKEY:そうかも。だって凄い悲しんでたんですよ。でもバッグ買っちゃって。なんなんだ? って反省するんだけど、ま、いいかって(笑)。

──それNICKEYさんのいいとこだと思うし、曲に出てるよ。カワイイものはカワイイっていう素直な気持ちとか、“花束ひとつ世界は変わる”っていう気持ち。シンプルで素直な気持ちは忘れちゃダメだと思うし。

NICKEY:うん。自分を自然に出せるようになってきたかなって思います。落ち込んでても、この服いいなっての買ったらコロッとテンション高くなっちゃうようなとこあるから(笑)。そういうとこが自分だし、それを否定することないし。

image_123986672.JPG

──うん。ジャケットもいいですよねー。何人もいるNICKEYのイラストがカワイイ。

NICKEY:銀座で何かの広告を見て『SOME FLOWERS』ってタイトルに決めたときに、このジャケットのイラストがパッと浮かんだんです。数年前にフォトブックを出したんですけど、見開きにバーッとある斎藤マミさんのイラストがパッと浮かんだ。斎藤マミさんは少年ナイフなどのイラストをやられてるイラストレーターで、昔、森本美由紀さんのコミュニティカレッジに生徒さんで来ていて。そのときにモデルをやっていたあたしを描いてくれて。そこから知り合ってフォトブックのときに描いてもらって。今回、新たに描いてもらう時間が全然なくて、フォトブックのときのイラストを使わせてもらって、そこにアルバムタイトルを描いてもらって。イラストも『SOME FLOWERS』ってタイトルにバッチリ合うと思う。ただ、WARRIORSにこの可愛いイラストはどうだろう? って思ったけど、意外にメンバーから評判良くて(笑)。大口君なんか「最高じゃないですか!」って言ってました(笑)。

──最高ですね(笑)。

このアーティストの関連記事

SOME FLOWERS

発売:2023年12月1日(金)
品番:WCCD-008
フォーマット:1CD(6曲収録 / 国内盤)
価格:¥2,200(本体¥2,000)
発売元:WILD CHERRY RECORDS
販売元:DISK UNION MUSIC DISTRIBUTION

amazonで購入

▷紅一点女性ボーカル・パンクバンドとして日本パンクシーンで活動を続けるニッキー&ザ・ウォリアーズ。毎年、精力的に届けられる新譜、今回は原点回帰といえるポップなロックチューン2曲と、長いキャリアあればこそのドラマティックな2曲が収められている。花束ひとつで世界は変わる。混沌とした社会、パンクシーンに今、愛の花束を投げ込め! 本作はニッキーから全人類へのヒミツのプレゼントだ。

【収録曲】
① SOME FLOWERS
② MY TEARDROPS
③ WIGLESS ANGEL〜無翼の天使
④ COSMIC LOVE
⑤ SOME FLOWERS(backtrack)
⑥ MY TEARDROPS(backtrack)

PRODUCED BY CROSS(the LEATHERS / The Subterraneans / 風ニ吹カレテ / 島キクジロウ&NNR)
Exective Producer:NICKEY Recorded at ZIZZ STUDIO, TOKYO Sept.-Oct 2023
RECORDING, MIXING EDITING & MASTERING ENGINEER:TOSHIMICHI ISOE

ジャケイラスト:斉藤マミ

【NICKEY AND THE WARRIORS】
ニッキー:Vocal
KATSUJI:Bass(the LEATHERS / ナカスギロックス)
大口知彦:Guitar(The STRUMMERS / HOT & COOL)
牟田昌広:Drums(THE STREET BEATS)
磯江俊道:Keyboard(辻仁成 / Vertueux)

LIVE INFOライブ情報

GAN3j47bkAA0F6i.jpg

NICKEY & THE WARRIORS ミニライブ+サイン会@ディスクユニオンROCK in TOKYO
【日時】2023年12月3日(日)17:00〜18:00
【会場】diskunion ROCK in TOKYO(渋谷)
【イベント内容】ミニライブ(アコースティックver.)+サイン会
【イベント参加方法】
ミニライブ:観覧フリー
サイン会:ROCK in TOKYOにて対象商品をお買い上げの方に先着で「サイン会参加券」を差し上げます。サイン入れ希望の物は各自持ち込み可です。新作ジャケットにサインをご希望の方は整列時にジャケットを取り出し、お待ちください。
【問い合わせ】diskunion ROCK in TOKYO 03-3461-1809
 

7010cd0e384bace94b73d8488ec63c76.jpg

REBEL BANQUET vol.5
【LIVE】NICKEY & THE WARRIORS / Captain Hook / LOOSE RIDER / 島キクジロウ&NO NUKES RIGHTS
【DJ】HIDETO(the WILD ROVER)
【日時】2023年12月8日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
【チケット】前売¥3,500 / 当日¥4,000(共にドリンク代別)
*各バンド予約または予約フォームにて受付中
【問い合わせ】Flowers Loft 03-6407-9520
 

F-9O4Q9a0AA9s7d.jpg

アコギ一本喉ひとつ!2023〆水戸編
【出演】NICKEY&気狂いピエロ(CROSS: gtr)/ WOLF / DIRTY OLD DRUNX
【日時】2023年12月24日(日)OPEN 18:00 / START 18:30
【会場】record KNOX(茨城県水戸市南町)
【チャージ】¥3,000(1drink+food / drink持ち込みNG・food歓迎)
こちらのメールアドレスで予約受付中
 
ニッキー・バレンタインパーティ
【日程】2024年2月12日(月・祝)
【会場】銀座Howlin'
*詳細は後日発表
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻