2011年の結成からメンバーチェンジをすることなく活動を続けてきた4ピースバンド・Bentham。所属事務所から独立し、今年7月には自主レーベル"FASTMUSIC"を立ち上げ「and」を配信リリース、『Bentham Follow me Tour』で全国ツアー中の彼らが、10月29日(日)に新宿ロフトのホール&バーを使う形で『FASTMUSIC CARNIVAL』を開催する。自身のレーベル名を冠したイベントだが、そもそもイベントを主催するのも彼らにとって初の試みなのだそう。出演者の第1弾発表を目前に控えたタイミングで、開催に向けた思いや意気込みをうかがうべくメンバーを直撃したが、"この日からまた新たに歩み始める"大事な一歩目にするべく、4人が一丸となってこの日に向け取り組んでいることが伝わるインタビューとなった。(interview:高橋ちえ)
Benthamがこれから始まっていく、その一歩目が『FASTMUSIC CARNIVAL』
──まず、『FASTMUSIC CARNIVAL』をやろうと思ったきっかけから教えてください。
須田原生(G):事務所を抜けて僕らだけでやっていくと決めて、関係者の方などにその報告でご連絡をした直後に新宿ロフトの樋口さんから“元気にしてる?”っていう連絡がありまして。それがすごく嬉しかったし、新宿ロフトに思い入れのあるメンバーもいるし、過去これまでにBenthamとして新宿ロフトでの素敵な企画にも呼んでいただいたのもある中で、“Bentham主催のフェスってやったことがないね、自分たちでやってみたいね”という話が出てきて。それでフェスをやるんだったら絶対に新宿ロフトでやりたいな、という流れでした。
──ライブハウスから“元気にしてる?”という連絡はありがたいものでしたよね。
鈴木敬(Dr):独立してからは本当に、定期的に連絡をいただくようになって。でも新宿ロフトに出させてもらっているこの1年ぐらいなんですけど、受け身でいるとあまり良くないなと感じてはいたんです。なのでロフトでライブに出させてもらっているうちに、自分たちでもイベントをやりたい、って思うようになっていった感じです。
オゼキタツヤ(Vo):ロフトは今の自分たちにとって、本当にとても大切なライブハウスになってきていて。そんな新宿ロフトに対しての信頼と、僕らにしかできないことや呼べないバンドと一緒に、自分たちの一発目のイベントはやっぱりロフトでやりたいなと。
辻怜次(B):僕にとって新宿ロフトは、スピッツとかがすごく好きなのでもともとずっと憧れのライブハウスだったんですね。昔から“新宿ロフトに出たい!”と思ってバンド活動をやり続けてきたし、フェスを新宿ロフトでやろうっていう流れになったときにとても嬉しくてとにかく“やろう!”って感じで、ものすごく良いご縁をいただけたと思っています。
──辻さんにとっては憧れだったという新宿ロフト、他にはどんなイメージがあります?
須田:僕らにとって決して(キャパシティとして)小さいハコではないけれど、でも良い意味ですごく小さく感じるんです。スタッフの方も親切だったり、出番前に裏でスタンバイしてるときとか楽屋の感じも含めて他にはないし、どこにも喩えられないライブハウスですね。バーのほうのステージもすごく特殊ですし、バーとホールを(出演者が)行き来する間にどちらのステージの出演者が使って良いのか分からないようなスペースがあったりとか(一同笑)、だから初めて対バンするバンドと一緒でも自然とコミュニケーションが取れるハコでもありますね。
鈴木:でも正直、Benthamの前のバンドで初めてロフトに出たときは“怖ぇな”って思いました(笑)。やっぱり歌舞伎町だし(笑)、他のライブハウスと比べて尖ってるような人たちも出てますし。そんな怖いと思ってた場所ですけど、(Benthamとして)何年か出させてもらうようになって、最近はホームに感じるようにもなっていて。僕は新宿ロフトのマスク(補足:コロナ禍中に発売されたグッズ)もちゃんと買いました!
──新宿ロフトへの愛も伺ったところで、今回の『FASTMUSIC CARNIVAL』についてはオゼキさんがこんなメッセージを寄せていますね。“僕らのこの先にある大きな野望の種を10月29日新宿LOFTにて蒔きたいと思います。4人だけになって右も左も分からなくて不安になってたけど見渡したらたくさんの仲間や貴方が居ました。長く続いてチャレンジできるイベントにしていきたいし、いずれは多摩川でやるんだ(一部引用)”と。
須田:もともと、僕らの結成が多摩川沿いなんです。僕ら昔、例えば“いつか武道館でやりたい”とか、そういう明確なものがなかったんです。でも何か明確なものがあったほうが良いよねって話をしたときがあって、話した結果として“多摩川で何かをする”だったんですよね。
辻:オゼはBenthamのことを“多摩川叙情系ロックバンド”って言ってるからね(一同笑)。
オゼキ:メンバー誰も叙情系出身ではないけどね(笑)。
鈴木:このワード、新しすぎてまだ公には言ってないです(笑)。
辻:でもオゼはいつか、地元に還元できるようなことを何かやりたいねという話は実際にしていて。
オゼキ:うん。『FASTMUSIC CARNIVAL』から、僕らの地元として多摩川に繋げたいところは本当に考えてはいるんですよね。多摩川でライブの開催とかはおそらく前例もないし、(現実的には)チョー厳しいと思うんですけど、それぐらいのことができるようになるようなことを、したいなと思ってますね。
鈴木:その一歩目が、お世話になっている新宿ロフトからということです!
──繋げていきましょう! 遡って、『FASTMUSIC CARNIVAL』をやろうと実際に動き始めたのはいつ頃でしょうか?
須田:今年の1月とかだと思います。
鈴木:それで2月末に、皆でロフトに行って最初の打ち合わせをしました。
須田:だから今回の出演バンドで、一番最初に声をかけたバンドは1月にオファーしてました(笑)。もう今から、この1回だけじゃ終われないなっていう感じがしてるんですよね。今回出られないバンドもいるし、知ってはいるけどまだ意外に仲良くなれてなくてこれからバンドを続けていくうちに知り合えるバンドもメチャメチャいるはずなので。これからの出会いをどんどん巻き込んで絶対に2回目・3回目…と、続けていかなくちゃと思っています。