東京八王子発4人組ロックバンド・Adler(アドラー)。
2018年の結成から、都内に限らず全国各地の様々なライブハウスへ赴き活動するライブバンドが、現在、1st digital single『優しくしてよ / 君のゆくえ』のリリースツアーを敢行中。7月20日(木)には下北沢SHELTERにて、OCEANS、アルコサイトという先輩バンド2組を迎え、ツアーファイナルとなるスリーマンライブが開催される。
公演を目前に控えた7月上旬、メンバーの3人がインタビューに応えてくれた(Dr.サトウリョウマは諸事情により不参加)。
6月にリリースした『優しくしてよ / 君のゆくえ』について、『凱戦と挑旋』と銘打ち、メンバーそれぞれの出身地である上越・横浜・水戸の3カ所と、東名阪を回るリリースツアーについて、そして、Adlerのこれからについて──。ライブを愛し、ライブハウスとそこに生きる人々を大切に思う、現場の彼らの声に触れてほしい。(interview:たまきあや/下北沢Flowers Loft)
「いろんな人に聴いてもらいたい」という強い思い
▲Adler:左から森田啓介(Gt.)、石河尚修(Vo, Gt.)、岡見知樹(Ba.)
──まずは今回のリリースについて。「君のゆくえ」は、これまでもライブで何度も披露していたわけですけど、「優しくしてよ」は完全新作としてのリリースでしたよね。それぞれの制作の経緯というか、そもそもAdlerって今どんな感じで曲作りしてるのかなっていうのも聞きたくて。
石河尚修(Vo, Gt.):曲作りは、まず僕がデモをドラムの打ち込みからギター、ベース、歌メロを入れて作って、最後に歌詞、みたいな感じで。デモのデータをメンバーに投げて、それぞれにアレンジしてもらうっていう感じでやっていて。それでスタジオで合わせて、お互いのアイデアを持ち寄って話し合って、最後にプリプロっていって、レコーディング前の最終チェックみたいな、音源の音合わせみたいなのをやってレコーディングに臨む、みたいな感じなんですけど。今回の「優しくしてよ」と「君のゆくえ」もそんな感じで作っていて、コンセプトとしては、一個のストーリーじゃないですけど、僕的には「君のゆくえ」は男の子目線で、「優しくしてよ」は女の子目線、みたいな感じで書いていて。そういうコンセプトのある音源を作ってみたいなと思って、今回作りました。
──なるほど。なんとなくストーリーが似てるなっていうのは感じてたので、それを聞いて納得しました。ちなみに、メンバーそれぞれで、今回の曲の中でこだわったところとかはありますか。
岡見知樹(Ba.):僕はライブではコーラスも担当してるんで、コーラスワークとかはけっこう意見出したりしましたね。「君のゆくえ」のサビのハミングとか、「優しくしてよ」のサビの森田との掛け合いとかは、こうしたほうがいいんじゃない、みたいな。
森田啓介(Gt.):今回の2曲は、最初にこういう曲を作るってコンセプトを聞いたときに、歌に焦点を合わせてわかりやすくっていうか、歌を聴きやすいようにって思ってて。フレーズとか音作りも含め、そのへんを意識して作ったって感じはありますね。それに延長して、歌詞にもちょっと意見を出し合ったりして。
──たしかに、ちょっと前までのAdlerって、ザ・ロックバンド! って感じの印象がすごく強かったんだけど、最近はだんだんメロディ感が強くなって、どんどん歌モノっていう感じになってきたなって思います。そのへんは、ナオくんの意識的にどんな感じですか。
石河:僕はやっぱり、いろんな人に聴いてもらいたいっていうのがすごくあるんで。日本人は歌詞を重視するから、今回は、このメロに対してこの歌詞が一番気持ちいいよねとか、この母音が一番気持ちいいよねみたいなのを、特に意識して書いた曲っていうのはあるかな。
──今回が4人になってからはじめてのリリースなんだっけ? 前回はまだリョウマくんが正規メンバーじゃなかったんだよね。(※Dr.サトウリョウマは2021年からサポートとして参加、2022年12月に正規メンバーとして加入する)
石河:そうですね、前作のEP『Remain』ではまだサポートでしたね。
──正式に4人になってから変わったことなんかはありますか。
石河:変わったこと……?(考え込む)
──特にないか(笑)。サポートとはいえ、ずっと一緒にやってきたもんね。
石河:まあ……2年くらい、ほぼメンバーみたいな感じだったんで、メンバー4人になったから自分たちの意識が大きく変わったみたいな、環境の変化が大きかったわけじゃないんですけど、周りからの、正規になってよかったねとか、一個のバンドとして見られてる、見られるようになったっていうのは、薄々感じてますね。
──そうだね、別にサポートが悪いわけじゃないけど、全員が正規メンバーって、見てるほうとしても安心感があるというか。これからAdlerがもっといい形になっていくといいなって思います。