バンドにとって、今、非常に良い流れが来ている
──ワンマンライブの話も聞いていきたいんですけど。ワンマンライブ自体は、10カ月ぶりということで。
緒方:10カ月ぶり……これもなんとも言えないですね(笑)。
──あはは(笑)。
緒方:ワンマンはやっぱり、自分たちのすべてを出し切る、バンドマンにとってすごく重要なライブで。今回は前回と違って、新曲のリリースを記念するワンマンになるので、新しい自分たちを見てもらえるライブってことで、新しい自分たちを100%表現できるのが今から楽しみですね。
──イベントタイトルの『SUMMER OF LOVE』にはどういう由来があるんですか?
緒方:『SUMMER OF LOVE』は……。
──ユーミンじゃない、と思ったんです。
緒方:そうなんですよ!(笑)
大月:いつもユーミンだからね(笑)。ユーミンでいくかとも思ったんだけど。
緒方:『真夏の夜の夢』も考えてたんですけど(笑)。私のルーツにはUKロック、特にOasisがあるんですけど、それと同時に、The Stone Rosesってバンドからも影響を受けていて。そのバンドを代表とする“マッドチェスター”ってムーヴメントが起きてく中で、“セカンド・サマー・オブ・ラブ”っていう現象があって(※注釈①)。そこから拝借したっていう流れと、今回収録されてる「STORYWRITER」っていう曲なんですけど、仮のタイトルが“エウレカ”で。
──EPのタイトルの、ですか?
緒方:そう、EPのタイトルにもなってる“エウレカ”っていうのが、今回重要なワードで。古代ギリシャ語で「気づいた!」とか「見つけた!」とかって意味なんですけど、「自分たちのことを再発見する」みたいなのが今回のEPのコンセプトにあって、そういう中で松丸が出してきた言葉で。いろんな読み方があって。ユリーカとかユーリカとかエウレカとか。で、『交響詩篇エウレカセブン』っていうアニメで、“サマー・オブ・ラブ”っていうのがあるんでしょ?
大月:見てないのか(笑)。『交響詩篇エウレカセブン』っていうアニメが、音楽用語をキャラの名前とかロボットの名前とかに使ってて。ニルヴァーナとか出てきたりするんですよ。そのアニメの中の大きな事件として、“サマー・オブ・ラブ”っていうのもあって(※注釈②)。EPタイトルも“エウレカ”だし、ワンマンの時期も夏だし、今回のEPのコンセプトになってるUKロックにも絡むし、“サマー・オブ・ラブ”、ちょうどいいじゃん、ってことでつけさせてもらったタイトルです。
緒方:ちょっとこれ、上手くまとめるの難しいかもしれないですけど(笑)。
──がんばります(笑)。でも、今回のEPがあってこそのワンマンっていう、繋がっている感じがその話の中からよく分かって、なるほどなって思いました。気づいたんですけど、コロナ禍が落ち着いてから、初めてのワンマンってことになるんですよね。
緒方:そうですね、前回はまだマスクもしてて、声出しはできなかったので、今回はお客さんにも一緒に歌ってもらったりとか。
大月:ぜひ声出ししてほしいですね、声出しできる曲がたくさんあるんで。
緒方:そうですね、今回の曲は全部そういう曲になって……全部は言い過ぎか。
大月:全部ではないな(笑)。
緒方:すぐ盛っちゃうんで(笑)。でも、みんなで歌えるような曲っていうのは増えてるんで。
──そうですね。だからこそ、いいタイミングでのワンマンライブになるのかなって。
緒方:なんか、うれしいです。曲作ってレコーディングして、それをライブでやるのが楽しみって思えてることが。バンドにとって、今、非常にいい流れが来てるというか。
──ライブハウスに来るお客さんも、少しずつ緩和されてはいてもまだちょっと行くの怖いなって人が多かった中で、ようやく人が戻ってきたなって感じがするので、たくさんの人に見てもらいたいですね。
緒方:リフの惑星を“どっかで見た・聞いたことあるな”くらいの人も、ぜひライブハウスに足を運んで、7月4日のFlowes Loftでのライブや、7月21日の渋谷La.mamaでのワンマンライブを目撃してもらえたらなと。今の、最新のリフの惑星を見てもらいたいですね。今のリフの惑星が見られるのも今しかないと思うんで。
──そうですよね、来年とかになったら、きっとまた何かが変わっていっちゃうと思いますし。
緒方:そう、やっぱり変わっていっちゃうんですよね、変わんなくていいやと思ってても。だからやっぱりリフの惑星の今を、ぜひ目撃してもらいたいなと思ってます!
【注釈①】
“セカンド・サマー・オブ・ラブ”は、1980年代後半にイギリスで起きたダンス・ミュージックのムーヴメント。当時のロックシーンにも影響を与え、マンチェスターにおける“マッドチェスター・ムーヴメント”を引き起こす一因となった。マッドチェスターは都市“マンチェスター”と“マッド(Mad)”からなる造語で、ダンサブルなビートとサイケデリックなサウンドを特徴とするロックのスタイルを指す。緒方の傾倒するThe Stone Rosesなどがその代表的なミュージシャン。
【注釈②】
テレビアニメ『交響詩編エウレカセブン』はSFロボットアニメ。“ニルヴァーシュ”というメカが登場する。“サマー・オブ・ラブ”はこの世界で起こった大災害の名前で、その再来は“セカンド・サマー・オブ・ラブ”と呼ばれている。ちなみに、通称“リフ”と呼ばれるスポーツもあるらしい。