一度ライブをやって解散するのか、継続するのか、現時点では未定
──ジャンルも世代も違うけど混じり合える感じがあるというのは、なんか新宿ロフトっぽいですね。
JACKie:そうだね。そういうのがなんかいいでしょ? この歳で仲良し小好しで和気藹々でやるっていうのも、なんか違うなと思って。一緒に音を出して、それだけで会話できれば俺はいいと思ってるからさ。だから殊更に仲良くするとか、そんなこともあえてしない。ただ、このバンドに懸ける自分の思いだけはちゃんと伝えてる。思いだけはちゃんとね!
──その思いは上手く音に出ていますか? 今日、リハーサルは初めて?
JACKie:今日で2日目。思いはちゃんと出てるし、全然俺いなくてもいいくらい! それくらい聴いてて気持ちいい音をみんなで出せてるよ。
──記念すべきデビュー・ライブをフェス形式にしたのはなぜですか?
JACKie:それは、俺がまず2時間持たないっていうのもあったし、最初はロフトでフェスをやりたいっていうのもあったしね。それと、俺はいま一応、会社員をやってるけど、他のみんなは自分のバンドがあるし、生業として土日や祝日に稼働したいだろうから、このバンドでやるならなるべく平日がいいなと思って金曜日にした。ちょうど去年の今くらいだったかな? コロナ禍のライブハウスでもだんだんそれまで通りのライブをできるようになってきたし、そろそろ動きたいなと。あと、なんか土日ばっかり盛り上がってるライブハウス・シーンもどうなのかな? と思ったり。平日でも音を浴びにライブハウスへ行くっていうのも全然ありなわけで。なんかそういうことのカンフル剤になればいいかなっていう思いもあって、そんな話をロフトの社長とかと話したりして。それで平日の金曜にフェスを一回やってみよう! と思って。
──対バンのお誘いも大変だったと思うんですけど…。
JACKie:そうだね。なんせ見ず知らずのバンドからのお誘いなわけだから(笑)。最初は知ってるバンドや先輩のバンドに声をかけて、空いてるかどうか右往左往して、ギリギリになって「やっぱりスケジュールが厳しい」と言われたこともあった。ライブハウスもコロナ禍前のスケジュール状況に戻って、今はみんな忙しくなってきたからね。
──そうですよね。
JACKie:でも結果的には本当にいいバンドが出演してくれることになったと思ってる。
──まだメンバーが決定していないのに対バンを誘うっていうのも前代未聞ですよね?(笑)
JACKie:まあね。ギターは最初から和也くんに決まってたけど、最後の最後、コウジくんはどうなるかわからなかったから。対バンの話が来ても、みんな半信半疑だったとは思うよ。本当にやれんのか?! ってくらい(笑)。
──メンバーが決まる前から、先行でチケットを発売するというのも凄い話でしたよね。
JACKie:それは、自分で逃げ道を作らないようにしたくて。仕事をやっていても、日付を決め打ちしないと完全に休めないときが多いでしょ? あと俺の場合、他のメンバーと感覚がちょっと違うわけ。俺がギターを弾いたり、バンドに費やせる時間はなかなかなくて、週に一度の日曜日しかない。つまり1年に50日程度。その日曜日も家族との時間もあるので24時間全部は使えないから、年に実質50日もないんだよ。そうなると、音楽的に自分で自分を追い込むには1年がかりでやらないと足りないんだよね。ギターの感覚とか全部覚えなくちゃいけないし、メンバーや対バンのみんなに熱い思いで声をかけている以上、それに一生懸命応えなくちゃいけないから。まあ、1年がかりなんて言っても全然足りないくらいだったけどさ。
──気がつけば2カ月を切っていますしね。今回、バンドのレパートリーはJACKieさんが作ったんですよね?
JACKie:うん。
──TARSHIさんは唄うだけ?
JACKie:うん。それが条件だったから。まあ、カバーもやるけどね。カバープラス、オリジナルを4、5曲かな。
──それなりの持ち時間はやると?
JACKie:もちろんやるよ。
──3曲くらいやって、「退散! 逃げろー!」とかドリフみたいに終わっちゃうとかは?(笑)
JACKie:それはない(笑)。どのバンドもみんな同じ時間やるよ。シークレットだけはちょっと短いけど。
TARSHI(ex-Lonesome Dove Woodrows)
ウエノコウジ(ex-thee michelle gun elephant)
──他の皆さんは、このバンドに対する手応えはどんな感じなんですか?
梶原:全員と音を出すのは初めてなのでもの凄く楽しみなんだけど、できることが限られてるんですよね。その中でみんなと接点を楽しんでいこうっていうスタンスなんですよ。そこでそれぞれが一番得意な所をボーン!と出してきてもらって、それが混ざりあって楽しいバンドができればいいなぁと思ってます。
──梶くんとウエノくんって、今までセッションとかなかったんですか?
ウエノ:何もないですよ。ご挨拶くらいはした程度で。音出すのは初めてなんです。なんせ大先輩ですから。
梶原:いやいや、とんでもない。
──じゃあ本当に、皆さんこの歳になって初めて“せーの”なんですね?
JACKie:すごい“せーの”感が出てるよね?
一同:出てる、出てる(笑)。
JACKie:TARSHIとだって40年の付き合いだけど、ここまでの“せーの”感は今までないもん。TARSHIがベースで、俺がギターってバンドはあったよ。ネオ・ザ・リトルっていうAC/DCのコピーバンドで。
TARSHI:歌も唄ってたけど、メインはベースでね。ボーカルは別にいたから。
JACKie:それ以外でTARSHIと一緒のステージに立ったことはないと思う。
──JACKieさん始め、ロフトで言う僕らの先輩たちは未だ俄然元気ですよね。だってこの歳になって新人バンド結成ですよ? こういうのをやられちゃうと、後輩たちは頑張らないといかんですよね。
JACKie:ちょうど今半分なんだよ、バンド人生とサラリーマン人生が年月的に。
──ああ、そういうのもあったんですね。で、7月14日にドカンと花火をぶち上げて、デビュー・フライトするわけじゃないですか。その後の予定は決まっていたりするんですか?
JACKie:それが嬉しいことに、まだリハも音も出してないときからいろんな所からオファーを頂いてて。でもこのメンツだからなかなかスケジュールが合わない。ちょっと年内は厳しいかな。あと、実際に5人でライブで音を出してみて、メンバーみんながどう感じるか、モチベーションを維持できるか。もしかしたら、この一回のステージで終わってしまうかもしれないし。
── 一回で解散! 即伝説になりますね!(笑)
JACKie:あるいは、もう一回くらいやってもいいかなと思うかもしれない。TARSHIは「はい」って言ってくれるかもだし、和也くんは日程出してくれるし。梶くんはこの期間だったら東京行けるとか、コウジくんがここだったらピンポイントで行けますとか、上手く調整できたら最高だね。みんなそれぞれの活動と生活があるから。3カ月に一度はライブをやろうとか、そういうスタンスは無理だしね。俺も含めて。
──まあ、感覚的にはそう焦らずに行こうってことですね。
JACKie:そうそう。みんなが空いたところで、っていうのが基本だね。