TARSHI&ウエノ「未だによくわかってない」
──メンバーが決まるより先にライブを決めてましたよね。
JACKie:うん。メンバーを決定する前に、新宿ロフトの面々に話をしたのが去年の夏だったから。ライブ先行、ブッキング決め打ちで。
──もしウエノさんがダメだったらどうしていたんですか?
JACKie:ダメだったらどうしようかな? って悩むところだった。また新しい人を探さなきゃいけないし、ライブは迫ってきちゃうし。でも、コウジくんが「なるほど、そういう繋がりなんですね」と快諾してくれて、なんとかスケジュールの調整も上手くいって。コウジくんに限らず、みんな忙しい中スケジュールを合わせてもらって有り難かったね。
──なるほど、そんな経緯だったんですね。
JACKie:和也くんは半信半疑だったと思うよ。多分、最初のうちは。まあ無理だろうな、って(笑)。
和也:はい……(笑)。
──だって、飲み屋の会話だったんですよね?(笑)
和也:僕は何言ってるんだろ? ってずっと思ってました(笑)。でも結果的に、最初に話していたメンバーに本当に決まったから凄いですよね。
──和也さんは、JACKieさんに誘われたときどう思いました?
和也:話を聞いてわくわくしました。しかも自分のジャンルじゃないし、余計にわくわくしたから「ぜひやりたいです!」って。その代わり、条件を一つだけ出させてもらったんです。
──条件?
和也:それは、曲は書きたくないということ。僕は自分のバンド以外にも楽曲提供とか作家の仕事もやらせてもらっていて、曲はもちろん書けるんですけど、このバンドは自分にとって勉強の場にさせてもらいたいなと。だって、皆さん大先輩なわけですから。
──それをJACKieさんは「いいよ」と。
和也:はい。JACKieさんがやることに僕は乗っかりたいなと思って。今やっているバンドは僕がリーダーだったり、作曲したりとかしているので、たまには甘える側になりたいなと。
和也(ex-FANATIC♢CRISIS)
梶原徹也(ex-THE BLUE HEARTS)
──梶くんはJACKieさんに誘われたとき、関西にいるのに何言ってるの? とは思わなかったんですか。
梶原:さっきもJACKieくんが話していたけど、彼はもう本当に、ブルーハーツのライブに毎回とは言わないけど…。
JACKie:七割五分で観に行ってた。
──凄い打率じゃないですか(笑)。
梶原:本当にそのくらい、すっごい観に来てくれてたんですよ。でも、なんかずーっと共演する機会がなくて、お互い60にもなるし、ちょっと一緒にやってみたいと思って乗っちゃいました。
──ウエノくんは誘われたときは…?
ウエノ:正直、今もよくわかってないんですよ(笑)。
一同:(笑)
ウエノ:JACKieさんが久しぶりにバンドをやるって聞いて、一度はこう、お祝いで…っていう感じでここにいるというか。
──お祝いするために今ここにいると(笑)。じゃあ、もっとわかってないと思われるTARSHIさんは、JACKieさんに誘われたときはどう感じたんですか?
TARSHI:誘われったっていうかさ、俺の場合、選択肢がない。先輩だからさ、「やるよ!」って言われたらやるしかない。「ああ、そうですか」って返すだけ。
JACKie:40年の付き合いだからね(笑)。
TARSHI:ただ、俺も和也くんと一緒で、「何も作んないよ」とは言った。「詞も書かないし、メロディも書きませんよ」って。あと、「パーマネントのバンドっていうのは俺にはできませんよ」と。「それでいいならやってもいいですよ」と言ったら、「それでいい、わかった」と。で、どんな曲を作るのかな? と思っていたら、「お前、もうギター弾かなくていいから」って言われて。このバンドではギターすら持たせてもらえない(笑)。
──「立ってろ、これ唄え」と。
TARSHI:「ギターが2本いるからお前はいいよ」って言われて。若干、ウエノに近い感じですね。自分がなぜここにいるのかよくわかってない(笑)。
ウエノ:これ、どうなるんだろ? って未だに思ってるからね(笑)。
──まあ、ライブをやるのは決まっているんでしょうけど(笑)。面白いですね。首謀者のJACKieさんに全権委ねるみたいな。
JACKie:そうそう。でも、それがいい相乗効果を生むと思う。いろいろスパイラルなのがロックっぽいしさ。
一同:(笑)