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INTERVIEW

トップインタビューMAMORU & The DAViES - どんな命もカッコイイ! 生きる素晴らしさを讃えたゴキゲンなスカナンバーを初の7インチシングルとしてリリース!

どんな命もカッコイイ! 生きる素晴らしさを讃えたゴキゲンなスカナンバーを初の7インチシングルとしてリリース!

2023.04.28

“明らかにB面”という曲を作る楽しさ

──下北沢にあるFlowers Loftのライブフロアには“NO WAR”というプレートが飾ってあって、それは一介のライブハウスでもこの時代に毅然としたスタンスを提示しようという表れなんです。「命の次にロックンロール」にも“ノーウォー・ノーモア・ウォー”という歌詞があって、こうした時代に敢えて投げかけるべき必然性のあるフレーズだと思うんですよね。

マモル:そうかもね。でもそれもまた自分なりの感覚って言うかさ。サビだからしつこく繰り返してるだけで、僕の中では「Johnny B. Goode」の“Go, Go! Go Johnny, Go, Go!”みたいなものだからね。

──B面の「ヘタレのパンクロッカー」はタイトルからしてユーモアに溢れた実にマモルさんらしい軽快な曲で、この曲があることでA面とのバランスが取れているようにも思えますね。

マモル:レコードでしか味わえない楽しみっていうのがあってさ、それがB面なんだよ。B面を作れる楽しみ、醍醐味ってあるでしょ? うわ、これ明らかにB面曲だな…っていう(笑)。せっかく自分でレコードを作るチャンスがあるなら、“明らかにB面”って曲をちゃんと作りたくてね。

──つまりちょっとハズした感じと言うか、二軍的なニュアンスですよね。そういう曲を作るのは難しくないですか。

マモル:僕は得意だね。B面っぽい曲はすぐできる。しかもこういうB面の曲はアルバムには入らない。そういう定めなんだね。それに則って次のアルバムに「ヘタレのパンクロッカー」は入れないだろうけど、だからこそ7インチシングルのB面っぽい曲を作るのが楽しい。「ヘタレのパンクロッカー」も心の中でゲラゲラ笑いながら作ったね(笑)。

──今回はA面、B面共に若林一也さんのアルトサックスが音の要になっていますね。

マモル:そうだね。A面がラッパのアレンジだったのでB面もサックスを入れちゃえ! ってことで吹いてもらったんだけど、「ヘタレのパンクロッカー」は結果的にX・レイ・スペックスっていうメンバーにサックスがいるパンクバンドみたいになっちゃってね。それでさらにB面っぽくなっちゃって、ダブルパンチのB面効果を生んだと言うか(笑)。

──80年代のニューウェイブって、メンバーにサックスがいるバンドがなぜか多かったですよね。

マモル:確かに。あれは何だったんだろう? ニューウェイブの音とは全然合わないのに。それもホーン・セクションじゃなくサックスだけっていうのがショボくていいんだよね(笑)。

──「命の次にロックンロール」のホーン・アレンジもシングルならではということなんですか。

マモル:うん。「命の次にロックンロール」のサックスのパートもライブではギターでやってるから。今回はシングルなので、よりスカっぽくしようと思ってサックスを入れてみた。だから今回の「命の次にロックンロール」はあくまでシングル・バージョンで、アルバムに入れるときはバンドでやってるアレンジに近い形にしようかなと思ってる。最初からそういう構想があったね。せっかくシングルを作るんだから、A面もB面もシングルならではのことをやりたかった。僕はそういうくだらないことを考えるのが大好きなんだよ(笑)。

──サックスの若林さんが在籍していたFOOLSですが、昨年10月に新宿ロフトで開催された『THE FOOLS  FILM & SESSION〜『THE FOOLS 愚か者たちの歌』初公開!ライブ!〜』にはマモルさんも出演していましたね。マモルさんとFOOLSの繋がりを知らない人もいると思うので、あらためて聞かせていただけますか。

マモル:東京へ出てきてバンドを始めようとしてた頃、宝島から出てたバンドカタログみたいな本をモリクン(グレイトリッチーズの最初のボーカリスト / ex-ポテトチップス / 現モリクン&ボケッツ)と読んでたらFOOLSってバンドがいて、そのヘンな名前が妙に気になってね。渋谷の屋根裏までライブを見に行くことにした。細かいことは覚えてないけど(伊藤)耕さんの歌が鮮烈で、そうこうしてるうちに『Weed War』ってファースト・アルバムが出て、友達のサミー前田くんがFOOLSの手伝いをしてるってことで距離が近づいたと言うか。それ以前にパンクロックやパブロック、RCサクセションなんかも好きだったけど、それはどれもレコードで聴いてた音楽で、アンダーグラウンドなバンドでリアルに音楽的な影響を受けたのはFOOLSが最初だった。グレリチを始めたばかりの頃はモリクンと「どういう音楽にしようか?」とか話したり、ライブも経験がないから手探りでね。最初の頃はライブの構成を考えて紙に書いて、「ここでこういうMCをしよう」とか決めてたんだよ。

──マジメだったんですね(笑)。

マモル:最初だけね。でもそれじゃつまんねえなってモリクンとも話してた頃にFOOLSを見て、ああ、これだ! と思った。次のライブからはもっと適当にやろう、FOOLSみたいにやろうって実際にライブをやったら凄く楽しかった。僕らがバンドを始める上で適当にやる楽しさっていうのをFOOLSが教えてくれたね。音楽的なことはよくわからなかったけど、ストーンズっぽいとは思った。ファッション的なことじゃなく、持ってる音楽の質がストーンズっぽかった。そんなこんなで、グレリチがメジャーデビューした頃にゲストでFOOLSにライブをしてもらったり付き合いがあった。

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命の次にロックンロール / ヘタレのパンクロッカー

2023年4月26日(水)発売
フォーマット:7インチシングルレコード(DLコード付き)
価格:¥1,600+税 品番:MAGI-0016
発売元:MAGIC TONE RECORDS

【収録曲】
A面:命の次にロックンロール(シングルバージョン)(3:09)
B面:ヘタレのパンクロッカー(2:19)
※作詞・作曲:ワタナベマモル ※Alto Sax:若林一也(FOOLS)

【推奨コメント】
◉曽我部恵一(サニーデイ・サービス)
「命はカッコイイ」。そうだその通り。そして歌おう、ノーモア・ウォー! と。生きてることの素晴らしさを、ぼくらが今日も見つけられるなら。晴れわたる青空のように美しいこのスカ・ナンバー。聴くたびに泣けてくる。絶対7インチシングルで手に入れたい、間違いない曲だ。

◉KERA(音楽家・劇作家)
久しぶりにマモルの歌を聴いた。最新EP。本人は嬉しくないかもしれないけど、知り合った頃よりずっとずっと成熟したロックをやっていた。そりゃそうだよ。彼は一筋でやってきた。成熟もする。一筋は強い。カッコいい。憧れる。B面の曲も「ヘタレのパンクロッカー」なんて歌ってるけど、堂々としたもんだ。強いなあ。
本人は「何も変わっちゃいない」と言うだろうなあ。たしかに本質は変わってないんだろうなあ。だけど、あの頃、こんなに強く言えたかい? ノー・モア・ウォーと。
お互い身体が動くうちにまた会って、できたら一緒に歌いたいな。

LIVE INFOライブ情報

ワタナベマモル 命の次にロックンロールTOUR 2023
4月28日(金)仙台dimples
4月29日(土)一関千厩 角蔵ホール
4月30日(日)いわきソニック
5月3日(水)北群馬郡吉岡町hair4chaise
5月4日(木)前橋クールフール
5月6日(土)糸魚川旬華
5月7日(日)上諏訪焼き鳥&ブルーズ橙
5月13日(土)石巻ラ・ストラーダ
5月14日(日)米沢ARB
5月20日(土)横須賀Fuck Year
5月27日(土)御殿場リンコロ
5月28日(日)静岡ピンパースパラダイス
6月3日(土)札幌フライアーパーク
6月4日(日)銭函Zenraku
6月5日(月)北見ブルーチッパー
6月6日(火)釧路ガソリンアレイ
6月7日(水)根室JUNK
6月9日(金)室蘭ええねん
6月10日(土)苫小牧ROCK BAR JAM
6月11日(日)富良野インディ
6月12日(月)美瑛町ハーミット
6月14日(水)旭川MR.WALSH
6月15日(木)恵庭モジョハンド
6月16日(金)小樽キッチンぐるぐる
6月17日(土)札幌Cafe 45records
6月18日(日)函館Brighton
 
延原達治×ワタナベマモル〜RHAPSODY 7周年記念スペシャル2マンライブ!!
5月10日(水)下北沢RHAPSODY
 
MAMORU & The DAViES 命の次にロックンロールTOUR 2023
5月26日(金)高円寺ジロキチ
6月24日(土)大阪ハウリンバー
6月25日(日)今池ハックフィン
 
TOP GEAR SHOW!!
6月30日(金)新宿レッドクロス
 
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