ただの同窓会みたいな感じにはしたくない
──そういえば、ニューロティカもジュンスカも建て替えを控える野音に出演するという共通項がありましたね(ジュンスカは6月10日、ニューロティカは10月29日)。
アツシ:ライブハウス以外に出るなら野音がいいとずっと思ってやってきました。去年、31年ぶりに出てやっぱり格好いい場所だなと思ったし、今年また出られるのが凄く嬉しいです。建物の老朽化を理由に改修されるそうなので、その前にやれるのがありがたいですね。
純太:野音に出始めた頃は、ジュンスカの野音といえば雨っていうイメージだったけど、20周年以降、復活してからは一度も降られてないんです。雨が降るとやるほうも大変なので、今度の野音も晴れてほしいですね。まあ、降ったら降ったでしょうがないですけどね、天候には抗えないから。
──その野音でのライブ開催に合わせて、ジュンスカはデビュー35周年記念シングル『そばにいるから』をリリースするんですよね。
純太:35周年ということで、デビューしたときに所属していたトイズファクトリーと再々契約したんです。『そばにいるから』は野音に向けた3曲入りのシングルで、いま制作中です。その3曲の中から先行配信できればいいなと思ってるんですけどね。35年ずっと応援してきてくれたファンのみんなに感謝の気持ちを伝えたいし、その思いをビート感やメロディ、歌詞に詰め込んだ曲にしたいと今は思っています。
──ニューロティカもコロナ禍以降、「やっちゃえ!」、「涙腺グルグル!」と新曲を精力的に配信リリースしていますね。
アツシ:その2曲はそれぞれ武道館や野音を前に話題作りをしたくて出しました。今は5月末に発売予定のアルバムを制作中なんですけど、自分にしか唄えない面白い歌をまだまだ作りたいんです。
──ポール・スタンレーが「KISSのファンは昔のヒット曲をリクエストするから新曲をリリースする意味がない」とインタビューで答えたり、フーのロジャー・ダルトリーも「ストリーミング全盛でレコード市場がないからもう新作を作らない」と話していますが、お二人は新曲および新作との向き合いについてどう考えていますか。キャリアを積んだバンドほど往年の代表曲を求められる部分は確かにありますよね?
アツシ:いわゆる十八番もありだけど、今の自分が面白いと感じる歌をつくってみんなとバカをやりたい気持ちが常にあるからね。ニューロティカはそれがずっとできてる自負もあるし。
純太:俺もそのKISSの記事は読んだし、以前は似たようなことを感じたこともあったけど、KISSやストーンズを観に行ったときに往年のナンバーと新曲の配分を自分なりに勉強できたというか。お客さんに求められているものと自分たちがやりたいことを絶妙なバランスで混ぜることで全体が輝けばいいなと思ってやってますね。
──ジュンスカはデビュー記念日の5月21日に西東京いこいの森公園でフリーライブを開催するなど面白い仕掛けを次々と準備しているし、バンドの状態がすこぶる良いのを感じますね。
純太:やっぱりバンドが楽しいんですよ。3人だけじゃなく、サポートの市川(勝也)も含めて今のジュンスカが楽しい。市川は小林とPOTSHOTをずっと一緒にやっていたけど、俺も和弥も市川とは以前から接触があって、俺はちょっとだけ彼とバンドをやっていたこともあったんです。市川のベース・プレイは最高だし、ライブでは4人の良いところが凄く出ていると思います。
──さて、来たる4月12日(水)に行なわれる『Big Wednesday vol.4』でニューロティカとジュンスカが共演するわけですが、ジュンスカが歌舞伎町に移転したロフトに出演するのは初めてなんですよね。
純太:そうなんです。俺個人では何度か出させてもらってますけど、意外にもジュンスカでは初めてで。メンバーとも「あれ? 初めてだっけ?」なんて話したくらいで。場所が移ってもロフトはやっぱり憧れの場所なんです。初めてデモテープを持っていったライブハウスでもあるし。あと、初めてロフトの昼の部に出させてもらって機材を片付けていたとき、その日の夜の部に出るスタークラブのファンの人たちが集まっていたんです。怖そうだけど凄い格好いいお兄さんたちばかりで、ロフトってやっぱり凄いな、怖いけど凄いなっていうのが最初のロフトの印象なんです。
──あっちゃんは逆に、ラママのことをどう思っているんでしょう?
アツシ:自分の中では三大ライブハウスかな。ロフト、ラママ、屋根裏。
純太:ああ、確かに。
アツシ:その3つが抜群に格好良かったね。実は僕、ラママの前のネバーランド&ショーボートでARBを観てるんです。高校生のとき。そのチケットの写真をTwitterに上げたら、かどやん(門池三則:ラママ初代店長、現・バッド・ミュージック代表)が「そりゃ凄いわ!!」と反応してくれたんです。
──今度の『Big Wednesday』で両バンドの共演も期待したいところですが、どっちが乱入しても確実に盛り上がるでしょうね。
アツシ:僕は5人目のジュンスカのメンバーですので(笑)、いつでも出られる準備はできてます。まあ、盛り上がらないわけがないよね。ウチのお客さんもジュンスカとの共演を凄く喜んでくれてるし。でも、ただの同窓会みたいな感じにはしたくないね。
純太:そうだね。やるほうとしては懐かしいだけの感じはイヤだし、ここからまたアクセル全開で行くぜ! ってつもりでやってるから。
──では最後に、『Big Wednesday vol.4』へお越しになるみなさんへメッセージをお願いします。
純太:ニューロティカに誘われて、JUN SKY WALKER(S)としては移転した新宿ロフトに出るのは初めてなのでとても楽しみにしているし、ニューロティカとの対バンも久しぶりなので思いきり弾けたいと思います。みなさんも目一杯楽しんでください。よろしくお願いします!
アツシ:ジュンスカのみなさん、今回は対バンを引き受けてくれてありがとうございます。世界一仲の良い2バンドをみなさんにお見せしますので、ぜひとも新宿ロフトへ足をお運びください! ロッケンロー!(笑)