俺たちもただのアイリッシュ・パンクで終わりたくないから、アップデートしたものを見せたい(マサヤ)
──これまで対バンもたくさんしてきたと思いますが、それぞれのシーンで活動しながら交わったときに感じることはありますか?
カツヲ:伊藤ちゃんが喉に効く薬をいつも教えてくれるんですよ。あと、身体が疲れないサプリとか。だからまた新しい薬を教えてもらえるなって思います(笑)。
マサヤ:必須アミノ酸とかを教えてくれる。
カツヲ:だから最新のサプリ情報を得られるバンドです。もちろん、ツアーの後半で一緒になれば凄いツアーを回ってきたんだなってことがライブから分かったりもするんだけど、それはSNSで見たりもしているので、それより新しいサプリを教えてくれるほうが大事です(笑)。
マサヤ:そんなに頻繁に一緒にやるわけじゃないし、会うときは年単位だったりするから、対バンして新曲を聴けるのは楽しいですね。俺たちもただのアイリッシュ・パンクで終わりたくないから、アップデートしたものを見せたいし、OLEDICKFOGGYがライブでどんな新しい音楽性をミックスさせてくるか楽しんでいます。
スージー:曲に関していえばTHE CHERRY COKE$も5、6回転調する曲があるでしょ。よくあんな曲作ったなっていつも思う。
伊藤:暇なんだろうね。(一同笑)
スージー:メジャーなバンドだとOfficial髭男dismとかもよく転調するけど、ここにもいるぞって。
マサヤ:俺たちは祖先にThe Poguesがいて、だけどThe Poguesと同じことをやってもただのコピーバンドになっちゃうなって。
伊藤:初期の曲を録り直していたのはどういう理由があったの?
マサヤ:いろんな音楽を取り入れたり、紆余曲折あって、メンバーの脱退や加入という大きな出来事もあるなかで、カツヲさんがスタジオで「俺らの一番の強みを伸ばさない?」という提案があって。俺はひねくれているから同じことをやりたくないんだけど、お客さんから見たTHE CHERRY COKE$って何か考えたら、楽しそうなTHE CHERRY COKE$を聴きたいだろうなって改めて思って。
スージー:俺らも再録はやってるよ。ベスト盤2枚(『オールディックフォギー名作撰 破戒篇 / 絶海篇』)。
カツヲ:ウッドベースからエレキに変わったもんね。
スージー:アルバム『グッド・バイ』、『Gerato』のベースだけ撮り直して、2020年にリリースしている。
──今回のツーマンツアーはもともとコロナ初期2020年に開催予定だったんですよね?
伊藤:そうですね。それができなくなってSHELTERだけで無観客配信ライブをしたんです。俺は配信も好きだし楽しかったけど、やっぱり今のほうが楽しいですね。
マサヤ:今回、ツアーができることになって2バンドのお客さんは喜んでくれると思います。あまり一緒にやらないイメージを勝手に持ってそうで。
スージー:バチバチでやっても面白いかもね。
マサヤ:それも勝手にバチバチだと思われてそう(笑)。
ツアーが3日間しかないのが寂しいけどね。もっとやりたい(伊藤)
──ちなみにバチバチだった時期があったりするんですか?
伊藤:ないですよ。バチバチなバンドはひとつもないです。
マサヤ:OLEDICKFOGGYはいそうだけどね。
スージー:勝手にそう思われているならそれでもいいけどね。
伊藤:猪木と馬場だって世間的にはバチバチだったけど裏では仲良かったわけで。
カツヲ:ああ、確かに。
伊藤:俺はツアーが3日間しかないのが寂しいけどね。もっとやりたい。
カツヲ:このツーマンに新しいお客さんって来てくれるのかな。フェスとか何バンドか出てるイベントなら初めて観てくれる人もいると思うけど、この2バンドで新規のお客さんが来てくれたら熱いけどね。でもどうやったら新規のお客さんをつくか分からないよね。
伊藤:いろんなバンドとやるしかないと思うよ。
カツヲ:でもそのためにいろんなバンドとやるのもなんか違う気がするんだよね。
伊藤:今回のツアーは、このツーマンを喜んでくれる人のためだけにやればいいと思うけどね。きっと来てくれる人は、いつも俺たちを支えてくれている人たちだと思うから。だから俺はその人たちのためにやりたい。きっと会場の雰囲気も良い感じだと思うから、お酒をたくさん飲んで酔っ払って、ライブハウスの売上にも貢献してもらえたら最高です。最近の若いバンドのお客さんってライブ中は飲まないで、帰りにドリンク・チケットをソフト・ドリンクに変えていくらいしいよ。
スージー:俺らのお客さんはまず飲むからね。なんならライブ前に飲んでから来るから。
伊藤:だからソールドアウトしてるライブでも5分前になってもフロアがスカスカなんだよね。飲みに行ってるから(笑)。あれ、心配なんだよ。
カツヲ:盛り上がり過ぎちゃってライブに遅れてくることなんてよくあるしね。でもライブハウスでもめっちゃ酒を飲むからライブハウスには喜ばれるっていう。
──OLEDICKFOGGYもTHE CHERRY COKE$も集まるお客さんの遊び方がかっこいいですよね。お酒の飲み方もファッションも含めて、本来ライブハウスと密着していたカルチャーがしっかり根付いている印象があります。そういう人たちにこのツアーでたくさん会えるといいですね。
伊藤:うわ、凄く良いこと言った。それ、今、俺も言おうと思っていたんですよね。
カツヲ:奇遇だね。俺も言おうと思ってた。
伊藤:じゃあ、今の、俺たちが言っていたことにしてもらおう。(一同笑)