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INTERVIEW

トップインタビュー市井昌秀(映画監督)- 映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』伝えたいと思える人がいることは良いなと思う

伝えたいと思える人がいることは良いなと思う

2022.09.23

乗り越えてしまうと「こんなくだらないことだったんだな」と思えてしまいます

――作中で気になったこと点でいうと「システム」に対しての考え方です。日和がいう「システムは乗っかてしまえば楽なモノのはずなのに。」という台詞が印象的でした。
 
市井:自分で物事を考えなくなるのは怖いなと思っているんです。以前、TVを見ていた際に「なぜ支持するんですか。」みたいなインタビューがあって、「いま主流だから」「ほかを知らないから」と答えている方がいて、怖いなと思ったんです。そういうことはほかにも沢山あるなと感じていたので出た台詞になります。
<サブ4>『犬も食わねどチャーリーは笑う』re.jpg
――システムというものは過去の経験から作られたものですが、それが今に合っているわけではないですからね。時代やその時・その人の状況によっては、システム通りにすると悪くなることもありますから。
 
市井:そうなんです。
 
――今作では同性愛のカップルだったり、パートナーがずっと入院していて一緒にいれないけどお互いに通じ合っていたり、結婚に限らず繋がっていることの良さを打ち出しているのも深いなと感じました。
 
市井:どういう形がいいかは人それぞれで、結婚が最適解かと言われればそういうわけではない方もいますからね。
 
――好きだから結婚しなければいけないという訳ではないですからね。田村夫妻は子供もいないですし、二人とも働いていますから、お互いが納得できるのであれば離婚してもいいんですよね。そんな中でスグに離婚とならず、システムに対して疑問を持つ、危機にどう対峙するかを模索している二人の姿が人間らしくていいなと思いました。
 
市井:ありがとうございます。
 
――猛禽類が一度ツガイになると離れないけどフクロウは違うというのも今作を象徴していましたね。田村裕次郎の「俺たちよりひどい。」というのもいい落ちでした。オシドリもずっとツガイが変わらないと勘違いされていますけど実は違いますからね。
 
市井:実は毎年違うらしいですね。
 
――夫婦をフクロウが見ている姿にちょっとしたホラー感もあって作品にいい緊張感がでていました。フクロウにしようというのは最初から予定していたのですか。
 
市井:はい。チャーリーは、ホームセンターのペットコーナーで売れ残っているのを独身時代の日和が飼ったものなんです。
<サブ6>『犬も食わねどチャーリーは笑う』re.jpg
――そうなんですね。
 
市井:『犬も食わねどチャーリーは笑う』の小説版もあって、そこではチャーリーを飼った経緯など少し前のことと、映画の少し先の物語も書いているんです。
 
――その話を伺うと小説も読みたくなりますね。
 
市井:ぜひ。映画と合わせて読んでいただけると嬉しいですね。
 
――監督が考える結婚の良さ・難しさは何ですか。
 
市井:難しいですね。裕次郎の「こんなくだらないことを聞いてほしかった、話してほしかった」という台詞が僕の本音かもしれないですね。僕らの夫婦は本当にくだらないことを話している関係なんですけど、そういうことを話して笑い合えるというのは素敵だなと思っています。お互いに経験したことを伝えたいと思える人がいることは良いなと思うんです。それが全てかな。
 
――いいですね。
 
市井:今は同居していますけど、単身赴任だった期間も長かったんです。一緒にいない時間も多かったからこそ、単純にこんなくだらないことを話し合える相手が居るというだけでありがたいなと思います。難しさは何でしょうね。パッとは思いつかないんですね。もちろん、危機というか不穏な空気が出ていた時期もありますけど。乗り越えてしまうと「こんなくだらないことだったんだな」と思えてしまいますね。
 
――田村夫婦からもそういう空気感を感じました。
 
市井:ありがとうございます。みなさんもお互いを振り返るきっかけになってくれると嬉しいですね。
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©2022“犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS
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市井点線(著)
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LIVE INFOライブ情報

映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』
<メイン写真>『犬も食わねどチャーリーは笑う』re.jpg
9月23日(金・祝)全国ロードショー
 
●出演
香取慎吾 岸井ゆきの
井之脇 海 中田青渚 小篠恵奈
松岡依都美 田村健太郎 森下能幸
的場浩司 眞島秀和
徳永えり 峯村リエ 菊地亜美
有田あん 瑛蓮
きたろう 浅田美代子 余 貴美子
 
●スタッフ
監督・脚本:市井昌秀
音楽:安部勇磨
主題歌: never young beach
「こころのままに」
(BAYON PRODUCTION)
小説:
「犬も食わねどチャーリーは笑う」
市井点線 著(小学館刊)
 
製作総指揮:木下直哉
エグゼクティブプロデューサー:飯島三智
プロデューサー:
谷川由希子 石塚正悟 大塚健二
音楽プロデューサー:
緑川 徹 濱野睦美
撮影:伊集守忠
照明:澤村圭祐
録音:反町憲人
美術:堀明元紀
装飾:石上淳一
助監督:吉田 亮
キャスティング:細川久美子
衣裳:渡部祥子 百井 豊
ヘアメイク:
佐伯憂香
澤田久美子(香取慎吾担当)
スクリプター:黒木ひふみ
編集:木谷 瑞
音響効果:渋谷圭介
制作担当:高橋輝光
製作:“犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS(木下グループ CULEN)
制作プロダクション:ギークサイト
配給:キノフィルムズ/木下グループ
 

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