誰かしらが受け止めてあげていた
――本作は順撮りで進められたということですが。
阪元:面接のシーンは別ですけど、基本はそうです。
――そこがみなさんの感情表現のリアルさに繋がっているんだなと感じました。ただ、順撮りで進めるのはスケジュール管理が大変ではなかったですか。
阪元:キャストによって居れない日もあったので調整はしましたが、基本的にみんな現場にずっと居ることができたので大丈夫でした。みんなも頑張ってくれましたね。
伊能:映画撮影は大変なので嫌いになる人が居ても可笑しくないんですが、そういう不安が二日目にはなくなったのも良かったです。
阪元:このキャラならこうするということも自分で考えくれて、「憑依したんです。」みたいな話が自然と出ていたので良かったですね。
――みなさんから演技プランやキャラクター・台詞の提案などはあったのですか。
阪元:勝手にやってました。大島さんの「軍法会議だ!」とか特に多かったですね。
――そうやって自由にできる空気がある現場だったということですね。
伊能:ゆとりがないとアドリブは出せないですから。
――それは伊能さんが受け止めてくれるからこそですね。
伊能:僕だけではなく、誰かしらが受け止めてあげていたんです。みんなで作れた空気感だと思います。
――伊能さんからみなさんにアドリブを振ったみたいなことはあったのですか。
伊能:僕は変な間を作るのが好きなので、会話のリズムをあえて崩したりしました。次に何が来るかが分かったうえで待ってしまうと段取り感が出てしまうので、変な間を入れた方が自然になるんです。こういったことを許してくれる現場でしたし、国岡は言いよどむキャラクターでもあるので、そういうことは好き勝手やりました。
――そこは阪元監督への信頼感があるからこそですね。
阪元:僕も自由度がないのはあまり好きじゃないですからね。
――ドキュメンタリーの雰囲気で撮られているので、そう言った部分が作品とも合っていますよね。
伊能:そうですね
――本作は3月に撮影されたということは公開まで半年も経っていないんですね。編集だけでも1年かけるみたいなお話も伺いますけど。
阪元:僕は時間をかけすぎると熱が冷めていってしまうので、最初の感覚を大事にしています。
――そんなライブ感のある映画がいよいよ公開されるわけですね。
伊能:そうですね。自分の中でも印象に残っているシーンでは、ラストバトル前後が印象に残っています。ラストバトルでは台詞・動きを直前まで決めないで、これから始まるというタイミングで臨んだのです。そうすることでベストを出せたのでそこは注目してほしいです。
阪元:六人がこれから女優として活躍してくデビュー作として魅力的に映っていますし、暑苦しい友情ドラマでもあります。凄く王道な作品なので、六人の友情を観てほしいです。
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