バンドから愛してくれて支えられてきたハコを継承していきたい
──確かにおとなしいですよね(笑)。ライブも打ち上げもグイグイ行ってほしいですよね(笑)。話を戻しますが、今回、LOFTとACBの往来イベントになるんですが、RYOSUKEさんから見たACBってどんなハコですかね? 魅力だったりとか。ACBって50年くらいになりますよね?
RYOSUKE:もともとのACB、今のACBの4階とかにあったのかな…から考えると50年ですかね。そこはTHE MODSのワンマンライブか何かで底が抜けたみたいで…。
──え~!!!(笑)
RYOSUKE:で、地下に行ったみたいな。僕が入ったのは、一度ACBが潰れて経営者が変わったときで、それが1999年かな。もともと高円寺にGEARっていうライブハウスがあって、GEARの店長とPAが揃ってGEARを辞めた後、空き箱になったACBを引き継ぐというか新しく一からやるっていう感じになって。そのとき僕はバンドやレーベルをやりつつも片親で仕送りしなきゃで大学卒業して就職したてだったんですけど、上の方と喧嘩しちゃって10日で辞めちゃって(笑)。で、プーしてたときにこの2人から声がかかって、3人で始めない? みたいな。ちょうどその頃オムニバスの1枚目を出してて、友達だけはたくさんいたからブッカーになれたんですけどね。で、どういうハコにするかって話になって、僕がそのジャンルに強いから、そのジャンルを固めてやりたいって話をして。店長はパンクバンドが強かったので、結局はパンク、メロディックのハコを…東京で一番のそういうハコにしましょうって言って始まったんですよね。んで、当時Hawaiian6のYUTAもプラプラしてたからバイトに引っ張ってきて、そのときGEARでPAやってたANDREW(FUCK YOU HEROES)も、俺とYUTAも来たんだから来なよって引っ張ってきて。2人も人脈あったから、一気にACBにパンクバンド、メロコアバンドが集まってきて当時ACB系って呼ばれるジャンルができていったんですよね。後にホルモン(マキシマム ザ ホルモン)のナヲちゃんが「ACB系に入りたかった!」って言ってたし(笑)。ACBにはそれからそれが代々伝わってるから、僕ら世代のバンドがACBを卒業していった頃に、ノーザン(Northen19)とかラスベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)とかがACBでやってくれるようになったり、その後もずーっとメロコアとかパンクバンドがいる感じで。多ジャンルではないかもしれないですけど、ACBがそういったメロディックの登竜門にこれからもなってほしいなと僕は思っているし、ブッキングのバンドも大きくなったバンドも、月のスケジュールを見ると同じように出ていて、あのバンドがここに出ているから俺らも出たいなっていうふうに思ってもらえたらいいなって。こないだもWANIMAがテレビで「ACBで育ちました」ってテレビ番組のインタビューでACBを使ってやってくれたり。バンドから愛してくれて支えられてきたハコだと思うから、それは継承していきたいなって。ただの貸し箱にならないようにはしたいなと。なので次のACBを語ってほしいのは君だ! っていうバンドを作るためにも、今回のイベント『DOTHEUNITE』はやっていきたいなって。
──最後の質問になりますが、『DOTHEUNITE』を開催して、その先の展望があれば教えてください。
RYOSUKE:この時期がどう続くかわからないけど、やっぱり端から端までみんなで幸せになる時期が絶対来ると思うので、そしたらまた今まで通りにね。今年やらなかったら3年やらないってことで、やり始めたイベントがリセットされるのも嫌なんで、今後への第一歩として、自分なりの勇気として今年は息苦しい思いをさせるかもしれないけど開催をして、来年、再来年とやっていけたらなと。自分がキッズのときに、バンドを見に行ってモッシュ・ダイブも含めてライブハウスがすごい楽しかったので、バンドと、お客さんと、裏方の僕が楽しめるようなイベントを、もしかしたら大きくはできないかもしれないけど続けていきたいなって。それが東京に限らず、『DOTHEMOSH TOURS』っていうのもやってたんで、各地でもやんちゃな子たちが集まるようなイベントを組んでいきたいなって思ってます。で、ライブを始めたばかりのバンドの子たちがあのイベントに出たいっていう目標になれたら嬉しいですし、さらにその先の『AIR JAM』みたいなパンクイベントとかに繋がったりしたらなお嬉しいですし、何よりもこのシーンが少しでも活性化する手伝いになったらそれはもう最高ですよね。
──『DOTHEUNITE』はもちろん、RYOSUKEさんのこれからの動きも楽しみにしてます! 本日はありがとうございました。
RYOSUKE:ありがとうございました!