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トップインタビューチョー(声優) -『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』一生懸命考えて生きるために行動しているキャラクター

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』一生懸命考えて生きるために行動しているキャラクター

2022.02.10

自分たちの星を救おうという考えは同じだった

――『2205』はガミラスと地球が和平を結んだ後の世界という事で、異種族間で手を取り合うことがテーマの1つでもあると思います。薮はそのテーマの中心にあるからこそ、『2205』では中心人物の1人になっていると思っています。『ヤマト』が描いている異種族で共存していくことの難しさとその尊さについてチョーさんはどう感じられていますか。
 
チョー:凄く大切なことですね。人間は日本人に限らず自分と違うものを何故か否定しますよね。相手を認めようとしないところが出て来てぶつかって喧嘩しまう。
 
――そうですね。
 
チョー:この作品ではその点を他の星という形で描いていますが、人間に近い形の異星人で違いも肌の色が違うくらいなのでまだ一緒になれているんだと思います。これが全く違う形の異星人で形態が違う生き物だと上手くいくのかというと、地球とガミラスの関係以上に上手くいかないと思うんです。
 
――分からないことへの怖さもありますよね。
 
チョー:あるんでしょうね。でも、考えてみたら双方ともに生きたいという思いで動いているので、人間だろうと他の生物だろうと一緒なんだと思うんです。引いた位置で見ると相手を尊重して生きていればいいじゃないかと思うんですけど、実際はそこが折り合わないので難しいですね。
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――作中でもそうですが、個人同士だと仲良くなるんですよ。集団となるとなかなか難しくなってくる。デスラーもガミラスの民を救おうとして戦っていて、ヤマトも地球を救おうとしていて、双方がぶつかって戦争になっていった。
 
チョー:そういう所は怖いですね。互いに自分たちの生きる場所をを守りたいという考えは同じだったので、和平を結ぶことが出来たんでしょうね。
 
――生きることへの執念というのは星が違っていても同じだから、薮もガミラス側に潜り込んでも生きることが出来てガミラスの船員もそれを受け入れていたという事なんでしょうね。
 
チョー:だから、敵対していても仲良くなれるはずなんですよ。
 
――故郷が同じヤマトクルーの中でも思想が違っていて、「ガミラスは敵だ」という考えの人もいれば、「新しく歩み始めるんだから気にしない」という人もいる。そういった群像劇も今作の魅力ですが、そういった各キャラクターたちがぶつかって成長していく姿を見られて如何でしたか。
 
チョー:こうやって色んな考えを持った人が組織に入っていくことで徐々に変わるんだろうなと思いましたね。
 
――自分の持っていなかった視点が入ってきて気付かされることもありますから。
 
チョー:受け取るだけではなく自分からも発信することもありますからね。
 
――特に1つの船の中で共同生活となると、そうせざる負えないという部分もあります。
 
チョー:そうやって揉まれ合って成長するというのも今作の魅力だと思います。
 
――艦の中でヘイトを向けられても生きていく薮はタフですね、ヤマトクルーの中でも一番じゃないかなと思います。
 
チョー:薮は元々ひとりで生きていると考えていたところに、頼ってくれる人が現れたのでタフになったんだと思います。
 
――それが家族を持つことで得た強さということですか。
 
チョー:しかも、奥さんだけでなく子供まで出来た。急に頼られて薮はビックリしたと思います。
 
――それはやはり一人だった時に持っていた強さとはまた違ったものになるんですね。
 
チョー:そうでしょうね。ただ、今はまだ良いところしか見てないかもしれないので、家族の大変さはまだ感じていないかもしれないですね。でも、これから自分の子供も生まれて、奥さんに尻に敷かれながら生きていくことになる。反抗期の子供たちには嫌がれるかもしれない、そうなってもその家族にしがみついていくことで薮はさらに変わっていくと思います。
 
――そのドラマも観たいですね。
 
チョー:10年後に薮がどうなっているかも観たいですね。普通に平凡には生きていないと思いますよ。ズタズタになっているかもしれないですし、家族の絆で強くなっているかもしれない。そこは福井(晴敏)さん次第ですけど、楽しみですね。

声優って面白いなと思ったのは緒方賢一さんのアナライザーが切っ掛け

――チョーさんはオリジナルの当時の『ヤマト』を観られていたのですか。
 
チョー:高校生の頃に放送されていましたが、毎週楽しみに観ていました。当時は薮ではなくアナライザーが面白いなと思っていました。声優って面白いなと思ったのは緒方賢一さんのアナライザーが切っ掛けです。
 
――『ヤマト』はチョーさんが声優を目指す切っ掛けの作品の1つだったんですね。
 
チョー:そうです。
 
――アナライザーが印象に残っていたという事ですが、実際にアナライザーを演じられて如何でしたか。
 
チョー:緒方さんのアナライザーは人間的だったので僕もそっちを演じるのかなと思っていたんですが、リメイクシリーズでは機械的なアナライザーが求められたので原作とは別物として切り離して演じました。アナライザーはロボットで感情を入れなくていいので、気楽に演じることが出来ました。
 
――逆に言うと薮は難しかったのですか。
 
チョー:薮も難しいという事はなかったですね。物語のシーンごとにこういう風に感じるだろうなという事を自然体として出せるように演じました。難しいという点で言うとガミラス語をやるのは難しかったです。周りにガミラス語が上手い人多かったので、教えてもらいながら演じました。今は無くなって良かったと思っています(笑)。
 
――演技以外に考えなければいけないことがなくなりますからね(笑)。薮はアナライザーと違って本当に人間臭くて、そこが凄く良いなと思っています。私はサラリーマン的で共感するところがあったのですが、チョーさん自身も薮に共感するところはありましたか。
 
チョー:『2205』で初めて共感しています。ガミラスの捕虜になって、生きて抜いてきたことで薮は変わったんでしょうね。捕虜ですから、殺されていてもおかしくないわけですが、どっこいちゃんと生きていたんだよという、しぶとさを感じます。
 
――アナライザーはロボットなので共感しようがないですからね。
 
チョー:共感は出来ないですけど生身の人間と無機物のロボット、その対比には哀愁があると思っています。AIがどんどん進んでいって、まるで生きているかのように反応するようになって人間と同等に会話が出来ている。でも、無機物なんだ、本当は心がないんだというところに悲しさが見えることがありますね。
 
――確かに悲哀がある部分もありますね。
 
チョー:もっとAIが進んでくればもっと人間的な話し方をするアナライザーが出てくるかもしれない、それでも心は機械なんだという。
 
――複雑ですね。先ほどはそれほど意識せずに演じられたという事ですが、今はそういった部分も意識して演じられているのですか。
 
チョー:これまでは意識せずに演じていました。これからシリーズが続いていくとアナライザーも進化していくことになるでしょうから、そこで初めて緒方さん的なアナライザーになるかもしれないですね(笑)。
 
――人間的なアナライザーになると(笑)。
 
チョー:洒落も駄洒落も自由に出せる、個人差もあるアナライザー。緒方さんのアナライザーはもっと未来を行っていたんですよ。
 
――これから先、どういったアナライザーが観れるかも楽しみです。そして、いよいよ『2205』が上映されます。楽しみにされているファンのみなさんへメッセージをお願いします。
 
チョー:劇場に来てくれるみなさんはファミリーで、ヤマト家族だと思っています。ヤマト家族みんなでこの空間を楽しみましょう。
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©西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2205製作委員会
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LIVE INFOライブ情報

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』

ヤマト2205後章メインビジュアル_ロゴコピーライト(2)re.jpg2022年2月4日(金)期間限定劇場上映開始
 
-Cast-
古代 進:小野大輔
森 雪:桑島法子
真田志郎:大塚芳忠
島 大介:鈴村健一
ヤーブ・スケルジ/薮 助治:チョー
土門竜介:畠中 祐
京塚みやこ:村中 知
坂本 茂:伊東健人
板東平次:羽多野渉
徳川太助:岡本信彦
キャロライン雷電:森永千才
藤堂平九郎:小島敏彦
芹沢虎鉄:玄田哲章
ローレン・バレル:てらそままさき
山南 修:江原正士
アベルト・デスラー:山寺宏一
ガデル・タラン:中村浩太郎
レドフ・ヒス:秋元羊介
スターシャ:井上喜久子
デーダー:天田益男 ほか
 
-staff-
原作:西﨑義展
製作総指揮/著作総監修:西﨑彰司
監督:安田賢司
シリーズ構成/脚本:福井晴敏
脚本:岡 秀樹
キャラクターデザイン:結城信輝
メカニカルデザイン:玉盛順一朗・石津泰志・明貴美加
ゲストキャラクターデザイン:小林千鶴・岸田隆宏・立石 聖
プロップデザイン:枝松 聖
美術監督:合六 弘・池田裕輔・舘藤健一
色彩設計:中山久美子
撮影監督:松井伸哉
CGディレクター:後藤浩幸
編集:兼重涼子
音楽:宮川彬良・宮川 泰
音響監督:吉田知弘
オリジナルサウンドエフェクト:柏原 満
アニメーション制作:サテライト
製作:宇宙戦艦ヤマト2205製作委員会
 
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