Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューGANZ HASE - "BLOOD IN BLOOD OUT"の信念で音楽と添い遂げる覚悟

“BLOOD IN BLOOD OUT”の信念で音楽と添い遂げる覚悟

2021.11.15

スペシャルでこれをやってますっていう感じはない

──曲を聴かせてもらいました。2曲目の「Fxxx Fxxx Fxxx」とかはアンビエントというのか、デジタルハードコアの要素もあるけども面白いです。曲の振り幅、引き出しが多い。曲のレンジが広い。

Ryochi:全員、バックボーンがバラバラなので。

UCARY:私はドリームポップ、そこにKikuchiさんの純正なサイケって言うんですかね、バグった感じがあって、それでケミストリーが生まれると思うんですね。オールジャンルいける単純なパワー。めっちゃいいバランスだと思います。ウワモノはしっかり狂っていて、リズム隊はしっかり強い。だから自由にやってもバランスが取れている。ボーカルとしてとても気持ちいいです。ただ、みんなかっこいいから私はもっと歌が上手くならなきゃいけない。

──レコーディングはどういう感じで録ったの?

Kikuchi:竿モノが宅録、ドラムがスタジオで、ボーカルはUC(guitar:999999999)さん宅。

Too-shit:ドラムのエンジニアはUCさんにやってもらって、ミックス・マスタリングもUCさん。

──今までのバンドなどはスタジオのエンジニアさんに録ってもらうことが多かったと思うけど、自分たちで本格的に作り上げるって感じなのかな。

Too-shit:友達まわりで完結できればディスカッションもしやすいし、話が早いですし。UCさんはそもそもRyochiさんとバンド一緒にやってるんでコミュニケーションも取りやすいし。

UCARY:Kikuchiさんがだいたいできちゃうんで、それをUCさんが綺麗に整える。ギターだけじゃなくてFX系も。

Ryochi:メンバー内でレコーディングもそうだけどいろいろできる。自分たちでデザインをやってるとかその辺もまだ表に伝わってないと思うけど。

Too-shit:DIYにこだわっているわけじゃないんですけど。

Ryochi:自然と、みんなそれぞれ経験からね。

──ライブでやれるのは何曲ぐらい?

UCARY:リハに入れたら結構できそうですけどね。

Ryochi:今日のライブでも9曲やりますよ。

──9曲もやるんだ。

UCARY:短い曲もあるしね。

Ryochi:UCARYちゃんは止めなかったら無尽蔵に良い曲が出てくるしね。

Too-shit:一回スタジオ入ればみんなキャリアがあるからパッと返せはするんですけど、ただ一回一回やっていることがまるで違うんですよね(笑)、形にはなるんですけど。だから現状で何曲できるかとか把握しきれてないです。

──アレンジもバッチリ決めてやろうっていうよりは自由にやろうという感じなんだね。

UCARY:私は勝手に自由にやってます。

Ryochi:それをKikuchiが全体のアレンジを考えてくれたり、シーケンスの部分とか。その上でいけそうかどうかをみんなで考える。

Too-shit:トラックがそれ自体単体で聴いてもかっこいいぐらいバチッと決まってるんで、逆に楽器はフリーキーにやっちゃっても大丈夫かなっていう感じですかね。

──3曲目の「hurt」のMVのコメント欄に「SOFT BALLET 好きですか」というのがありました。シンクロ、伝播してくる感じがすごい面白いです。影響を受けたアーティスト教えてください。

UCARY:ムスリムガーゼ。私がベルリンに行く理由になったアーティスト、ムスリムガーゼっていうトラックメーカーなのかな…がいて、もう亡くなっちゃったんですけど。その人の音楽が好きで、その人の未発表音源をベルリンのStaalplaatっていうレコード屋だけで売ってるんですが、そこに買いに行ってました。セパルトゥラとかガーゼも好きです。その辺が軸にありつつ、私がこの声なんで結構キャッチーになりやすい。なのでキャッチー要素として、恥ずかしいけどマーベルとかマリリン・マンソンとか、分かりやすいぐらい悪役みたいな音楽も聴いてます。悪役のポップス要素をちょっと入れて、最近はそこにオアシスを混ぜてます(笑)。やっぱりみんなで歌えたらいいなと思うんで。ダムドとかも好きなんですけど、分かりやすいじゃないですか。ハードコアじゃないけど“分かりやすい”“ちょっとかわいい”“ちょっとダサい”要素を入れて、めっちゃグロテスクだけど聴きやすい、アホっぽい、っていう感じにしたくて。その感覚に一番近いのはKikuchiさんでした。Kikuchiさんはわりと超ハードなことを天然で入れてきてくれます。ハードって言うか、気の触れたような音。Ryo-chiさん、Too-shit君はウワモノ二人のトリッキーな音楽をめっちゃしっかり支えてくれるし、なおかつぶっ飛ばしてくれる感じがある。最高のバンドだと思ってます。

Ryochi:経験、キャリアがある人たちが集まって組むバンドっていうのはパッとやって終わったりとか全然あると思うんですけど、そういう感じじゃないですね。 

Too-shit:ハマってますよね。

Ryochi:新しくバンド組んでますって感じですよね。みんなそれぞれ活動してますけど、なんかスペシャルでこれをやってますっていう感じはない。

このアーティストの関連記事

BLOOD IN BLOOD OUT

2021年11月5日(金)配信リリース
Label:ANARCHY TECHNO
Recorded by GANZ HASE / UC
Mixed & Mastered by UC
Designed by Kosuke Kawamura
「このアルバムを全曲聴いたあなたは我々の仲間です」──類稀なる歌声とポップセンスで独自の世界を表現し続けるUCARY & THE VALENTINEと、彼女の内に秘めたパンクマインドに呼応し爆音を放つ楽器陣。それぞれが長いキャリアの中で鍛え上げてきた腕っぷしの強さを遺憾無く発揮したこの1st E.P.は、名刺代わりと呼ぶには少し危険すぎるかもしれない。

iTunesStoreで購入

【収録曲】
1. SCRAP AN OLD BRAIN
2. Fxxx Fxxx Fxxx
3. hurt
4. STOP ASIAN HATE

LIVE INFOライブ情報

812e1a80aa5c04d690487872b1c70b70-946x2048.jpg

宣戦布告パーティ
出演:NAkidZ / GANZ HASE / kycoh
DJ:DJ SS / O.G.W.
2021年11月23日(火・祝)下北沢SHELTER
OPEN 19:00 / START 19:30
前売¥2,500 / 当日¥3,000(共にドリンク代別)
※公演詳細はこちら
問い合わせ:SHELTER 03-3466-7430
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻