武道館でもいつものニューロティカを見せるのが一番だと思う
──あっちゃんの中で武道館のライブをこうしたいというビジョンはないんですか。
アツシ:ベスト・オブ・ニューロティカというか、みんなの好きなニューロティカの曲をやりたいね。
ナボ:武道館でライブをやるバンドの中ではかなりテンポが早いほうじゃないかな? 歳とったドラマーが何曲も早いドラムを叩くのは武道館アーティストでもなかなかないんじゃない?
アツシ:Zeppもそうだったけどね(笑)。
カタル:セットリストはそんなにひねらなくてもいいと思うし、いつものニューロティカを見せるのが一番だと思うんですよ。個人的にはどこまで動けるかというテーマがありますけどね。広いステージだけどいつも通りでいいじゃないか、そんなに大きく見せなくてもいいじゃないかと言ってくれる人もいる。だけど、ロティカは今まで狭い会場ながらも大きく見せてきたバンドだから、それと同じように武道館でもやりたいんです。その上でどこまで体がついていけるかなと思いますね。僕ももう55歳ですから。
ナボ:武道館でやるのが1月3日だし、『心燃会』と書いて“新年会”と読ませるから正月っぽいことをやりたいよね。あっちゃんが羽織袴の格好で出てきて「隅から隅までずずずいっと、乞い願いあげ奉りまする!」って挨拶してさ。スポットライトを浴びながら。あとはかくし芸的なことをやってほしいんだけど、それをどうやって見せればいんだろうかとずっと悩んでる。映像を入れるとお金がかかっちゃうしね。でも新年会っぽい面白いことは絶対にやりたいよね。
リョウ:俺は3人の先輩たちを後押しするような気持ちでいるんですけど。
ナボ:おお、それは頼もしいね。
リョウ:俺は人生であと1回くらいは武道館でやれる気がするけど、3人はこれが最初で最後だと思うので(笑)。先輩たちの貴重な1回を全力で後押しします(笑)。
ナボ:戦場で倒れた老兵3人を助けあげるみたいな(笑)。
リョウ:あっちゃんが緊張しないように、ステージをLOFTの市松模様にしてみたり。
──ああ、それはぜひお願いしたいです!
ナボ:それ、誰からも言われるよ。そのためにLOFTから寄付してもらおうかな、宣伝費として(笑)。
──カタルさんの言うように奇をてらうことなく、いつも通りのニューロティカを見せるのがニューロティカらしいのかもしれませんね。特効や映像を使うのはなんか違う気もしますし。
リョウ:その辺の話はこれからですよね。武道館ってバンドが目指すべき場所じゃないですか。だけど俺らの場合は別に目指してたわけでもなく、あれ? やれちゃうの?! みたいな感じだから(笑)、ヘンに気負いもないんですよ。
ナボ:吉本の人と話してたときは全然ピンとこなかったのに、「取れちゃいました」と聞いた途端に「じゃあやっちゃう?」って急にやりたくなっちゃったからね(笑)。
──そういう瓢箪から駒的なところもニューロティカらしくていいと思います。
ナボ:今年は武道館に向けていっぱいライブをやってるけど、ライブ1回につき一度以上は必ずあっちゃんが間違えてるの。曲順を間違えたり、歌詞を間違えたり。それが武道館で間違いゼロでいけるかな? と思うよね。
アツシ:…………。
カタル:あっちゃんの間違いカウンターを作ろうか?
ナボ:それか返金制にするとかね。歌詞を間違えるたびにお客さんにキャッシュバックしてみたり。
──それじゃ売上が残らない可能性大ですよ(笑)。
ナボ:とにかく間違えても笑える方向にしたいんだけど、その方法も考えてるところだね。
アツシ:武道館はやることに意義があるんだよ。ニューロティカのWikipediaに「2022年1月3日、武道館ライブを開催」って書くために(笑)。それでいいんだよって増子ちゃんが言ってた(笑)。STAR CLUBのヒカゲさんにはこないだ名古屋でやったパンクフェス(『BASEMENT UNLAWFUL ASSEMBLY 2021』)で「この時期に武道館を選んだニューロティカはすごいな! コロナのせいで客が入らなくてもいいんだもんな!」って言われたけど(笑)。
ナボ:武道館の次の日はLOFTで後夜祭をやるんだけど、武道館をやってもまた普通にライブハウスでやってそうだよね。上に行かないのかい?! って(笑)。武道館をやることでワンステップ上の仕事ができればいいなと思うんだけど。
──武道館の後、結成40周年まであと2年ありますから、何とか話題に事欠かない活動展開を期待しております。
ナボ:そういうことを考えるとあっちゃんの髪がまた薄くなっちゃうからね。一時期は増えてたのに、最近また減ってきたから(笑)。
アツシ:ネタに困ったらまたLOFTに行くよ(笑)。
リョウ:武道館以降は、本来武道館まで通るべきだったホールとかでライブをやればいいんじゃないですか? 階段を登っていくんじゃなく、逆に降りていく感じで。
カタル:それで最後は結局LOFTへ戻るっていう(笑)。まあそれもロティカらしくていいかもしれないけどね。