ライブハウスシーンを残すために
──松山サロンキティさんが、「自分の居場所は自分で作るんだ」っていうのはライブハウスのあり方としてとても共感できました。
UGICHIN:行動を起こした人なんですよね。正解はないですけど、自分自身はやってみたのか動いてみたのかって考えさせられたし。でも、考えて考えてやっぱりだめだって思うことっていっぱいあるじゃないですか。どうせできないよ、って。場所や状況にもよりますし。だから、「松山だからできたんでしょ」とは思われたくないけれど、「東京だからできない」っていうわけでもないし。映画を見てそれぞれに考えてもらえたいんです。
──ライブハウスはひとりでいても心地いい場所だったのに、国に支援を訴えたときに横のつながりがないと弱いなと思いますよね。今のコロナ禍の状況では連帯しないといけないし。
UGICHIN:ライブハウスシーンを残さないといけないですから、自分だけが残ればいいっていう人はいないと思うんです。国への要請もそうですけどひとつのことをみんなでやるっていうのは今後も必要になってくる気がしますね。ただ、べつに仲良くなくてもいいんですよね。そこはスポーツと似ていて、ライバルをリスペクトしていないわけではないんですよね。ライバル同士が同じプラットホームの中にいて、あっちには負けたくないっていう感情があってもいい。
──zoom画面で、各ライブハウススタッフが「繋がった!」って喜んでいる場面は感動的でした。架空空間のなかでもちゃんと繋がっていると実感できるのは不思議ですよね。
UGICHIN:今後、どうしたら続けられるかみんなが悩んでいるし、配信をやらなくなる人もいると思うんです。人それぞれだから、一生やったからえらいというわけでもないですし。やったらえらいですけど(笑)。でも、やめたからだめっていうわけじゃないんですよね。
──6月1日は新宿ロフトで上映がありますが、これから見られる方へのメッセージをお願いします。
UGICHIN:僕は映画をわりと見に行くんですけど、マニアでもないし詳しいわけじゃない。ただ、なにかあったときには見に行くんですよ。すごい嫌なことがあったときとか、仕事でひと段落したときとか。映画って、本を読んだり音楽を聴いたりするくらいの感じでインプットできるものだと思っています。見に行かなくちゃ、とかライブハウスに行って支援しなくちゃっていうのではなくて、たまたま時間があいたから見る、みたいなノリでいいのでインプットしてみてください。予告編だけではなかなか伝わらないことがたくさんあるので、自分のなかで考えてみてもらえたら嬉しいです。